表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/261

カピヴァラさんの新機能とロクストの魔石事情

 ネルがドラゴンの娘さんであるミュウを連れ帰ってきて暫く経っていた。ミュウはドラゴンということで、変に怖がられたりすることもなく、普通に村に馴染んでいる。


 カピヴァラさんも何故かネルと意思疎通が図れるようになっていて、バ〇っぽい入浴剤を生み出せるようになっていた・・・。何があってそうなったんだか。でもこれは、アイリーンに教えたら結構喜ばれる情報なんじゃなかろうか?

 連絡会までだともうちょっと時間あるし、通信で情報だけでも渡しとくか。


 「アイリーン、ちょっといいか?」


 「あら、珍しいわねそっちから連絡来るなんて、何かあった?」


 「いや、嫌がらせ関係はないけど、ちょっと耳寄りな情報があってだな。」


 「ほほう・・・、それはそれは。」


 「カピヴァラさんが、バ〇みたいなやつ作れるようになったぞ。」


 「へっ? それってあのシュワシュワするアレ?」


 「そう、そのアレだよアレ。どうもネルがカピヴァラさんと意思疎通が図れるようになったらしくてな。カピヴァラさんにお願いして作ってもらったって。」


 「なんと・・・! あ、ありがとう、早速動物と仲良くなれそうな人チョイスして神託飛ばしておくわ!」


 俺の返事も聞かずに慌てて通信切りやがったわ。分かってたけど。


 これで、後で「なんで早く教えてくれなかったのよ!」とか言われずに済む。俺の平穏は保たれたのだ。


 公衆浴場とは別に、自宅に風呂を作る奴もちょこちょこ出てきてた。独り身のやつは、相変わらず公衆浴場に通っているようだけど、家庭を持っている奴らは家に作って、家族で楽しんでいるようだった。

 それで入浴剤云々にもつながる訳か? 最初は液状だったけど、帰ってきてから作ったところを見ると、風呂が気に入った他のドラゴン達に持っていったりする用に開発したのかもしれん。


 真相はネルとカピヴァラさんのみぞ知るってところか。いやまあ、別にそんな深刻なもんじゃないけどさ。こうなると、ロクオウ村のカピヴァラさんだけではちょっと数が頼りない感じだよな。村の人口も結構な数になってきてるし、それをカバーできるだけの数を用意させるとなると、ちょっとばかし気の毒だ。


 ネルに通信で、カピヴァラさんの仕事量が不安なら、野生の奴を連れてきても構わんって伝えとくか?


 「その手配はもう済んでます。ご心配なく。」


 アッハイ、そうですね、俺で思いつくことならネルさんも思いつきますよね、すみませんでした。


 じゃあ本格的に俺のやる事ってないじゃんよ。見守る事こそ神の仕事ってか、若干暇を持て余し気味なんだけど、ネルから仕事しろって言われてるしなぁ。なんか丁度いい暇つぶしになるようなお仕事ってないかねえ?


 例えばそうだな、シュミカがウレイン全土の結界を張っているように、村規模なら、複数人とかで張れたりしないもんか? 性能にもよるかもしれんが、シュミカみたいに捕獲吸収とかじゃなきゃ、そこまで消耗するもんでもないような気がするが。


 「ウレインの精霊とかならなんとかなるけど、ロクストの人らで魔力強いのってドラゴンくらいだよ?」


 「そっすか。」


 知恵袋的にもダメらしい。ということはだ、魔力の代替品があればいいってことだな! ドワーフの居る地方に魔石的なのが埋まってる山とかないか? てか作ればいいのか?


 「それも手ではあるけど、ポイントの消耗激しいよ?」


 「じゃあバッテリーみたいに、魔力貯めれるやつってなんか作れないか?」


 「あー、それなら作れると思う。空の魔石ならポイントもお安いよ。」


 「今から30分以内にお電話で・・・」


 「いやおまけは付かないよ! あと限定特価にもならないよ!」


 「それは残念だ。でも空の魔石か、ちょっとずつ魔力を込めるみたいにしてったらなんとかなるかな?」


 「そうだね、置く場所が問題になるけど、公衆浴場なら人いっぱい来るからそのへんかな?」


 「じゃあ、入浴料代わりに魔力をちょっとだけ注入することにするか。早速ネルに相談してみるよ。」


 というわけで、困った時のギルさん頼みからネルさん頼みへと移行する。


 「それは良い考えかもしれませんね。少しずつなら村人にも負担になりませんし。」


 お、これは好感触か? いつもの蔑むようなネルビートが刻まれないぞ!


 「とりあえずは村人達に相談と周知から始めますので、空の魔石を作っておいてください、一つじゃだめですよ? 他の集落にも配るんですから。」


 「ハーイ、ウケタマワリマシター。」


 「なんで変な喋り方してるんですか、たまにはまともに仕事したと思って普通に接してたのに、コーマは本当に馬鹿ですね。」


 はい、罵り頂きました。べ、別に叱られたいわけじゃないんだからね! でもやっぱこういうやり取りの方が落ち着くのは、俺がマz・・・なんでもない、こういう気楽なやり取りがいいんだよ、そういうことだ。


 ロクオウ村の了承はすぐ得られた。多めに空の魔石を作っておいて、あとはネルの元へ転送しておく。

あとはネルが他の村の了承を得て、魔力が貯まったころに、結界を発動すればいいってことだな!


 あれ、結局仕事しまくってるのネルだけなんじゃ・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ