プロローグ
まだ、プロローグですがお楽しみください。
とある場所に国によって極秘に建設された研究所があった。その研究所には様々な研究室が作られている。その地下最深部には厳重に管理されている部屋があった。そこでは禁断ともいえる研究がされていた。薄暗い研究室の中央に大きな培養カプセルが設置され、そのまわりには研究員らしき人物が数名ほど集まり様々な機械を操作していた。研究員が集まっている培養カプセルの中には培養液に浸っている一人の少女の姿があった。
そう、クローン研究である。
年齢は10歳くらいだろうか、幼い顔立ちで成長すればかなりの美人になるだろう。髪は腰まで伸ばされた銀髪でまるで白銀の幼い狼のようだった。すると研究員の二人が揉め始めたのである。白髪で年配の研究員が怒鳴っている。
「何故、わからないのだ!この研究さえ成功すれば魔法を誰にでも使えれるようになるのだぞ!」
それに対して若い金髪の研究員は必死に研究をやめるよう訴えていた。
「貴方の言いたいことはよく分かります!しかし、このような研究が許されるわけがないでしょう!中止にするべきです!」
「遅かれ早かれ無理な話だ。もう計画は最終段階に入っている」
それを聞いた若い研究員は黙り込んでしまった。
「お喋りはここまでだ。研究を再か__」
「主任大変です!」
「どうした」
慌てて走ってくる女性研究員が主任と呼ばれた先程の白髪の男に何かを報告している。
「そうか…目を覚ましたか」
なにか安心したような感じで主任は胸に手を下ろした。
「それで研究対象はいま、どうなっている?」
「培養カプセルから出して現在検査をしております。それと少し問題が発生してまして」
「どうした?」
「その研究対象が少し情緒不安定で暴れてまして…」
「ふむ、やはりそうなったか」
主任は少し考えてから電話を始めた。
「そうだ、私だ。君に仕事がある。明日から出てきてくれ。あぁ、頼む。」
「どうしたのですか、主任?」
「問題ない。彼女を呼んだ」
「まさか、彼女をですか…?」