case.9 帰還
用事あるのですが2回行動します!
今度急いで改稿します!
「ルイン、もう出てきてもいいぞ」
俺がそう呼びかけると、ルインは部屋の中の影からその姿を現す。
「なんか、出る幕なかったです……」
「あー、うん。確かにな」
なんというか、呆気なかったな。レオンもダレスも、正直弱かったし。
と、いうかだ。問題は転生者じゃない。
「チッ……あのクソ騎士野郎」
さっきから明らかにイライラした様子のサタールと、
「むーむーむーむーむー」
変な声を出しながら半眼状態のルシファルナ。
「うーん、どうしたものかね」
サタールは何となく察せるが、ルシファルナに関しては全く見たことない様子で、どう手出しすればいいのか想像もつかない。
と、悩む俺の様子を察知したのか、アスモフィが近くに来て、色々と話してくれた。
「えっとね、私の分かる範囲で説明するね?」
「あ、ああ助かる」
そう言って、現状を説明し始めてくれた。
「まず、サタールだけどね。彼、ベルゼリオとは犬猿の仲なのよ。出会う度にガン飛ばし合って、すぐ剣をぶつけ合うような、ね」
「でも、さっきは……」
「そう、問題はそこなのよ。どういう訳か、ベルゼリオはサタールに見向きもしなかった。それどころか、仁義に厚い彼が魔王以外の人に雇われて、それで動いている……それで、サタールは皮肉なことに怒っているのよ」
ライバルだからこそ、みたいな感じか。何か、男の友情みたいな感じでカッコいいが……。これに関しては俺たちに入る余地はないように見えるな。
「それで、ルシファルナはどうしたんだ? すっげぇ、変だけど」
「ああ、彼はね。蜘蛛糸っていう、普段は使わない技のシリーズなんだけど、彼がこれを使ったあとは必ずこんな感じになるのよね」
そう言いながら視線をルシファルナへと移す。
と、まだやっていた。
「あーわーわーわーわーわーわーわー」
これ、壊れてるんじゃないか?
「あー、一種の放心状態みたいなものね。普段は戦闘要員じゃないから。だからサタールからは軍師サマって呼ばれてるみたいよ」
軍師サマ、ねぇ。それとは別に、機械族だからってのもあるのかね。
これも、真相は本人にしか分からないだろう。俺たちの入る余地なし、だ。
……これからどうしようか。一応、目的は達成できた。残った問題は去っていった奴らをどうするか。あの転生者共を処理したいが、そうなるとベルゼリオが邪魔をしてくるはずだ。
しかし、結局はベルゼリオも魔王軍に必要になってくる。だったらやはり、ベルゼリオたちの問題を解決するべきだろうか。
と、ここまでの考えをまとめながら、その場に居た(ルシファルナを除く)メンバーに話したところ、
「でもよォ、あのクソ野郎共が何処へ行ったか分かるのかい?」
「それはルシファルナが追跡を……」
サタールにそう聞かれた。
俺は、答えようと言葉を言いかけるが、ハッと思い出す。
「るーるーるーるーるーるーるー」
そうだ、コイツ今壊れてるんだ……。
てか、ちゃんと追跡出来てるのか?
「まあそういうこった。そうなると、ルシファルナから結果が聞けるまでは、何かしなきゃいけないわけだが」
うーむ。どうしたものか。
……あれ、そういえば……
「ムルが、海上に陸地を作ってくれてるんだっけか」
「はい、確かに言ってましたね」
ルインが俺の問いに答える。
そうか、そっちも進められるのか。
一応、やりたかったこととして、そろそろ国をつくり始めようと思っていたのだ。
「となると、俺たちの前にある道は2つか。ベルゼリオたちを追いかけるか、建国に取り掛かるか」
「どっちにしたって、確認が必要だがな」
うぐ、確かに。
追跡の結果……もそうだし、陸地がそもそも出来上がっているのか。どっちに行くにしても確認は必要になってくる。
「うーむ、うーむ……どうしようか。」
そう、悩んでいた時だった。
「分かりました!!!」
「うおぉぉっ!?」
いきなり、ルシファルナが叫んだ。
「わ、分かったって……何がだ?」
「ええ、ええ。分かりましたよ。ベルゼリオ殿の行き先が!」
「マジかよ! そ、それで何処なんだ!」
「ここは、護王国シュデン。騎士と竜の国ですね」
護王国……シュデン?そこにベルゼリオが……。
それに、騎士と竜の国だって……?ってことはやっぱり、この話はリガーテたちにも聞いたほうがよさそうだな。
「ふぅ……疲れましたよ。もう、休みたいですね」
「お疲れさん、もう休んでていいぞ」
「それではお言葉に甘えて……」
そう言ってルシファルナは転移していった。
「さて、これで俺っちの行き先は決まった訳だ」
「……サタール。お前、行くのか?」
「ったりめぇよ。折角行き先が分かったんだ。行くしかないだろう?」
まあ、そりゃそうなるよな。そうか……サタールは護王国に行くのか……。
となると、これは俺も行ったほうがいいよな。
「よし、分かった。俺も行くぞ」
「それでは、私も主様についていくので」
「おねえちゃんも行くよ!」
俺に続いてルインとアスモフィが同行を宣言する。人数は多い方がいいのか、少ない方がいいのかは分からないが、一人や二人増えたところで、大した差ではないだろう。
「お前さんたち……。ありがとな。そんじゃ、早速……」
「ちょっとまってくれ。先にアイツらに話を聞きたい。一度魔界へ帰ろう」
「アイツら?」
そう、アイツら。もちろんリガーテ、リガルテだ。騎士、竜ときたらアイツらしか居ないだろう。
「ああ、そういうことかい。なら仕方ないねェ。俺は先にシュデンに行ってるから、大将たちは後から来な」
サタールはそう言って、俺の返答を聞かぬまま転移していった。
「あっ、ちょ待っ……ハァ。仕方無い奴だな」
「まあ、今回ばかりはね? それより、私たちも早く行きましょう?」
そうアスモフィに促されたので、俺たちは転移の準備をする。
ルインが、俺とアスモフィの服を両手でつまみ、言った。
「行きますよ?」
「ああ」
「おっけーよ」
「それでは。“魔界之扉”」
目の前に、黒い扉が現れる。
俺たちはそれをくぐり抜けていく。
さて、何か彼らから有益な情報が得られればいいのだが。
そう期待をしながら、俺たちは魔界へと帰るのであった。
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