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case.3 外へ

同時更新!

ブランノワールもよろしくです!

『全て支配してみせろ。それが魔王という物だ。』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「何だ主殿。簡単な事ではないか。娘の魔力を抑えるなら、主殿のスキル『支配ルール』を使えばいい」



「え……?」



 俺はサファイアが放ったその言葉に、驚きを隠せなかった。



「娘を完全に支配して、魔力を吸うなり、抑えつけるなりすればいい。それが出来るのが魔王の特権だろう?」



(そうか、『支配』か……。あ、でも今は使えないんだよな)



 ステータスを確認すると、先程まで500あったSPが今はもう0になっていた。



「あー、サファイアの言いたいことは分かった。だが、今はSPが足りなくて使えないんだよな」


「えすぴー? よく分からんが、それはどうすれば増やせるのだ?」



(……?SPが分からないのか?)



「えっと、確か……」



 俺の数少ないスカーレットのゲーム知識を掘り起こす。



(確かSPは、魔物を倒して稼ぐんだったか……?いやいや、でもそれは……)



 うーん、と何回も唸り、悩む。



(何か方法は無いか……?)



 そう思い、もう一度ステータスを見てみる。



 ステータスを確認した俺は、一つすっかり忘れていたことを思い出した。



(そういや、まだ『召喚・使役』が幸運化状態だったな……。幸運化状態……。もしこれが『支配』に移動できたら……?)



「なあ、ルイン。幸運化状態っていうのは、別のスキルに移動させたりとかは出来るのか?」



 俺は気になったことをルインに尋ねてみた。



「幸運化状態を、移動ですか? えーと、多分可能だと思いますが……。何をなさるおつもりで?」



 俺はルインのその答えを聞き、ニヤリと笑みを浮かべた。



「何、ってそりゃ『支配』だよ。お前も、お前の魔力も、魔物だって、全部支配してやるよ」


「主様……!」


「さあ、早速始めようか」



 まず最初は『召喚・使役』の幸運化状態を『支配』に移す。



 ―――移す。



(移す。…………やり方が分からん!)



「あ、あの、ルイン? 幸運化状態はどうやって移すんだ?」


「え。えっと、すみません、やり方までは知らないです……。申し訳ないです……」


「そうか……まあ仕方ないな。ルインが謝る必要は無いぞ」



(しっかし、どうしたもんかね……。何かやり方は書いてないか? 例えば念じてみる、とか? んーーー! 幸運化状態よ、移れーーー! いや、さすがにこんなんじゃ……)




▶スキル『支配』が幸運化状態になりました。




(えぇぇぇぇぇぇぇぇ! いやいやそんなのアリかよ! ま、まあなってしまったものは仕方ないな、うん仕方ない!)



「よ、よーしやるぞー! じゃあ早速『支配』発動だ!」



 早速ルインを対象にスキルを発動した。


 サファイアの時と同じく、衝撃波のような攻撃がルインを襲う。



「ううっ!」

「ルイン! 大丈夫か!?」

「は……はい。何とか……」



▶対象:ルイン が完全に支配下になりました。



 またステータスメッセージが現れた。

 ルインが……支配下に……。



(これで、魔力を抑える命令をすればいいん……だよな?)



「よし……いくぞ、ルイン」


「はい……!」



 ルインがゴクリとつばを飲み込み、静かに俺の次の行動を待っている。


 が、俺はそんな中、こんな事を考えていた。



(えぇぇえ、どうしようどうしよう、何て命令すればいいんだ……? だぁぁぁもう! いくぞって啖呵切っちゃった以上、もう引き下がれないぞ……!)

 


「ロールプレイしかないか……。魔王だしな……」



 ハァ、と溜め息を付きながら俺は言い放つ。



「ルインの中の魔力よ。我が命令により、その力を抑えよ!」



(ど、どうだ? こんな感じか……?)



「成功しているか……? どうだ、サファイア?」


「ふむ、完璧に抑えられているな。やはり魔王とは恐ろしい……」


「じゃあ、私は大丈夫なんですか!? もう雄に襲われないですか!?」


「まあ、大丈夫だろうな」


「わー! やったやったぁ! ありがとうございます主様!」



 飛んで喜ぶルイン。

 この姿を見ると、何だか頬が熱くなる……。



(俺がしたことで、相手が喜んでくれたことなんて、小学生以来無かったもんな……)



「うむ、礼には及ばん……。それより、そろそろ外に向かうか?」


「はい! そうですね!」


「我も着いていったほうがいいか?」



 とサファイアに聞かれた。


 さて、どうしようか。


 今の俺たちには拠点は無い。

 実質、この洞窟が俺たちの拠点のようなもんだ。

 ならここにいつでも帰ってこれるように、色々魔改造したいところだ。


 しかしこの洞窟、普通の魔物がうじゃうじゃ居るんだよな。


 あまり殺したくはないから……。



(やっぱり『支配』するべきだよなぁ)



 しかし、だからって俺が全部『支配』して回る訳にもいかないし、幸運化状態がいつ終わるかも分からんし……。



(何か道具を作れないか? この支配の力を込めれば、使えると思うんだが……)



「サファイア、一旦その話は置いといてくれ」


「あ、ああ。だが、一体どうして?」


「一つ聞きたい。お前、何か水晶とかそういうやつに、俺の『支配』の力を付与することは出来るか?」


「ふむ、なるほどな。我なら可能だ」


「よし、じゃあ早速頼む」



(話が早くて助かるな……。これで『支配』がいつでも使えるようになる。そしてそれを使って、サファイアにはこの洞窟を“支配”してもらう。この洞窟を俺たちの拠点にするんだ)



「よし、魔王殿、この宝玉にスキルを発動してくれ」


「わかった」



 言われた通り、俺はサファイアが差し出してきた宝玉にスキルを発動する。



「『支配』」


「あと少しだ……3……2……1……よしもういいぞ」


「もういいのか?」


「ああ。これでこの宝玉には『支配』の力が封印された。いつでもこの力を使えるようになったぞ。まあ名付けるなら、“支配の宝玉”とかか?」



(支配の宝玉……。やばい。これは…………かっけぇぇぇぇぇ!)



「主様、何だか目が輝いてます……」


「ま、まあな。あまり気にするな。それで、サファイア。お前に頼みがある」


「まあ、何となく予想はついてる。こんな物を作ったってことは……」


「ああ、そういうことだ。サファイア、お前にはこの洞窟を完全に支配して、魔物の王国を作るんだ。ここを俺たちの拠点にするぞ!」


「了解した。ではここでお別れということだな?」


「えっ? いや、せめて出口までは……」



 このまで言ったところで、一つの事実に気がつく。



「あれ、この光……もしかして外……?」


「ああ、外だ」


「いつの間に?」


「我が今転移させた」


「そうか……ってなるかぁぁぁい!」


「でも良かったですね主様! これで外に行けますよ!」



 ま、まあそれもそうなんだよな。

 細かいことをいちいち気にしても仕方ない、か。



「はぁ、何だかもうめちゃくちゃだが、俺はもうツッコまないぞ。よし、ルイン、行こう」


「はい! 主様!」


「サファイア、しばらくしたらまた戻ってくる。それまで頼んだぞ!」


「了解した。気をつけて行ってきてくれ」


「ああ。それじゃ行ってくる!」



 サファイアに手を振りながら、俺とルインは並んで洞窟を出た。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 【ルミナス】(三雲翔一)


性別:男


種族:半神ミディム


職業ジョブ:魔王


スキル:『支配ルール』『召喚・使役』


持ち物:無し


支配下……・ルイン:夢婬魔サキュバス

   ……・蒼玉竜サファイア


攻撃力:

防御力:

魔力:


―――全て測定不能。


SP:0

次回は月曜日夜!

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