case.8 裏切りと転生
夏休みスタートダッシュキャンペーン!
どんどん行きます!
『信用という概念は脆く儚い。』
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《ルミナス視点》
「帰ってきたな……」
「はい……随分と久しぶりな気がします」
ここを出発してから、もう3日くらい経っただろうか。
あれから、ルインと話しながら、“始まりの洞窟”(勝手にそう呼んでるだけ)に向かって歩いていた。
後ろからはまるでゾンビのように“転生勇者”パーティーがのろのろとついてくる。
そしてたった今、その洞窟に帰ってきたのだ。
「まずはサファイアと会って現状を確認する。それ次第では、ここを第一の魔族の国にするつもりだ」
「なるほど、です! 最初の私たちの国ですね!」
「ああ、そうだ。では行くぞ」
「はい!」
そうして、2人と3つのゴミが洞窟へと入っていった。
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ぴちゃん、ぴちゃんと上から雫が落ちてくる。
洞窟内の、上、横面は何も変化は無い。
だが床、下面の変化具合が異常だった。
「これは……」
「すごい綺麗ですね……!」
なんと、ボコボコだった地面がしっかりと整備されていたのだ。
さらに壁にはランプも灯っていた。
「サファイア……アイツがこれをやったのか?」
「もしかしたら魔物たちの力を借りてるかもしれないですね!」
「ああ、そうか……。でも、やけにこの洞窟静かじゃないか?」
「確かに……魔物一匹の気配もしないです……」
俺は、何か嫌な予感がしていた。
こういう時、俺の嫌な予感は大体当たってしまうから、少し焦る。
「おい、ルイン。少し走るぞ、サファイアが心配だ」
無表情で淡々と告げる俺。
「はい、私もなんだか心配になってきました」
そうして俺たちは、勢いよく駆け出した。
(この嫌な予感は何だ……? この洞窟に居た頃、いつもなら視界のどこかにはあのスライムが居たんだ。少し奥の方に行けば、スケルトンも居た。それなのに、今はなんにも居ない。……さすがに少しおかしいよな……? それともただの杞憂か……?)
考えながら、走るスピードを上げた。
「ルイン、すまない! 先に行かせてもらう!」
「は、はい! すぐ追いつきます!」
もし、もしサファイアがやられているような自体であるならば、相手は相当な手練だ。
そんな不確定要素の多い場所にルインを連れて行くなんて出来ない。
まずは俺が先に行って安全を確認する。
(もう、誰にもルインを傷つけさせない)
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《ルイン視点》
主様がとてもつもないスピードで駆けて行く。
(さ、さすがに速すぎるよ!)
実を言うと、まだ復活したばかりで、あまり本調子では無いのだ。
それでも自分のスピードは、他のどんな種族をも上回ると自負していたのだが……。
(やっぱり、主様には敵わないなぁ……)
頬を赤く染めながら、私はそんな事を考えていた。
それにしても、主様の感じた、“嫌な予感”って……。
多分、私にはなんとなく分かるのだ。
この洞窟に入った時の違和感。
それは。
(サファイアさん、何かやったよね……この感じ)
そう、あくまでも推測に過ぎないが、サファイアさんが何かやってるのは確かだと思うのだ。
そう感じた理由は、さっきも言った『洞窟内の異常な発展具合』、そして『一切感じない魔物の気配』。
あと……主様には言わなかったけど、洞窟の入り口のところ。あそこには侵入者用のトラップが仕掛けられていたの。
さっきの私は、サファイアさんがそういう設備を追加してくれたんだなぁ程度にしか思ってなかったけど、今は少し違う。
主様が言った違和感、それが一瞬で私の心を埋め尽くしたから。
こんな変な理由で、そんな事言うなって感じだけど、でも一言で言い表せないような感情が胸の中を埋め尽くしている。
(主様……どうかご無事で……!)
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《ルミナス視点》
「ハァッ……ハァッ……!」
さらに走るスピードを上げる俺。
やっぱり、この洞窟おかしいぞ。
絶対こんなに長くは無かったはずだ。
「クソ……もっと、もっと速くだ!」
今、自分が持てる最高スピードで駆け抜ける。
やがて、一つの大きな空間に抜け出た。
「ここは……?」
俺がそう呟くと同時に、暗かった空間内の、その壁にかかったランプが順々に灯っていく。
やがて全てのランプが灯ると、その最奥、真正面に、見知った顔が居た。
「サファイア! 無事だったか!」
「ああ、主殿か。……いや、その呼び方をするのも、今日が最後だな」
「は……? それってどういう……?」
「お前たち、殺れ」
竜の手で器用にも指を鳴らしたサファイア。
そしてその音を聞いた魔物たちがゾロゾロと現れ出る。
「おい、どういうつもりだ?」
「どういうつもり……? そんなの簡単な事だ。我々はこの世界を支配する。その為にはお前が邪魔なんだよ」
「この世界を支配……だと? 何故そんな事をするんだ!」
「“魔物”の国をつくる。それだけ言えば分かるか?」
「おい、あまり図に乗るなよ? 主に逆らうとどうなるか教えてやろう」
「そちらこそ、今自分が置かれている状況を理解しているのか?」
そう言うと、周りのゾンビやスケルトン、それに見たことのない魔物たちがにじりよってくる。
「お前こそ、忘れてないか? こっちにはスキル『支配』が……」
「悪いが、その脅しは通用しないぞ? お前からもらった“支配の宝玉”のお陰で解除するのは簡単だった。もちろんもう命令は受け付けない。いや、受け付けられない。それに……」
何やら含んだ言い方をするサファイア。
しかし、まさか『支配』が解除されるだなんて……。
「それに、お前はもう死んでいる」
「は……?」
刹那、俺の身体は綺麗に2つになった。
「転生勇者、この世界における最強の存在、その一角。彼が、この我に協力してくれてるからね」
その言葉を聞いて、俺の意識は途絶えた。
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《ルイン視点》
「ハァッ……ハァッ……!」
(やっと、やっとゴールかな?!)
何だか明るい、大きな空間に出てきたけど……。
「今度は魔族の娘か、久しいな」
「サファイアさん! ご無事だったんですね! それで、主様は?」
「ああ、それなら。ほらお前の足元に」
「あしも……と……」
視界が暗転する。
え……何これ……どういう……こと?
何で主様、身体が2つに……?
いや、何で……何で……?
「殺したの……?」
「ああ、死んでるぞ」
「お前が……オマエガッ! 主様を殺したのかッ!」
感情が昂ぶり、怒りは最高潮に達した。
―――もう、許さない。
やっぱり、無理してでも主様についていくんだった……。
主様……! くっ……うぅ……ううゔ!
こいつは、こいつだけは許さない!
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▶眷属:ルインがスキル『復讐』を手に入れました。
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ここは……?
俺は、死んだのか……?
ルイン……
ルインは大丈夫か……?
あぁ、心配でならない。
叶うなら、もう一度ルインに会いたい。
でも、死んだ人が生き返るなんて、そんな奇跡……
▶スキル『転生』を発動できます。しますか? →Yes/→No
『転生』……?
▶『転生』:使用者が死んだ場合、記憶・持ち物・能力全てを引き継いだまま復活できる。
対象は自分のみ。復活する時間軸は死んだ時間から、数時間前。これに伴い、全時空の時間軸を巻き戻す。
この効果を読んで、俺は。
「そんなの……もちろん、Yesだ!」
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【ルイン】
レベル:30
性別:女
種族:夢婬魔
スキル:『―――』
:『復讐』
持ち物:無し
攻撃力:112
防御力:83
魔力:167
次は15:00に!ブランノワール!




