帰還
かなり間が空いてしまいました。
申し訳ありません。
「お前は……ライガ…………なのか?」
『えぇ。そうですぞ!主』
進化だなんだと言ってたから……うーん………
「悪い。ちょっと見せてくれ。『眼』」
ライガ(召喚獣)Lv25
種族:百獣王〈聖獣〉
体力:1200/1200
魔力:190/190
筋力:250
魔攻:180
耐久:240
魔耐:210
敏速:315
器用:130
スキル
「百獣王Lv2」「聖獣」「獣王拳」
「光魔法Lv2」「オーバーカスタム」
特殊効果
「最強への宣誓」「会話」「空歩」
成長ポイント 125
たしかにライガみたいだ。安心したよ………ここで新敵なんて冗談じゃないからね。
それにしても、なんだこのデタラメなステータスは。バグ………いや、進化の影響か?もうシドラに匹敵するぞ。
HPが300、それ以外は100の上昇か。
それに、特殊効果……なんだこれは。
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最強への宣誓:
各ステータスの上限値が上がる
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会話:
プレイヤーと会話できる
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空歩:
空中を歩行できる
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ほう。便利な効果だな。
会話と空歩か……戦闘の幅が広がりそうだ。
それに、ステータスの上限値が上がるってことは、プレイヤーよりも強くなれるってことだよな。なら…………なんで、召喚士の人口は少ないんだろうか。
『……………?主、どうかしましたか?』
「いや、大丈夫だよ。やっぱりライガだったんだな」
『えぇ。もちろんですぞ』
「なんか、すごい強くなったな」
『主を守るために強さを求めたのですから、当然です』
なるほどな。きっかけは俺の瀕死だろうな。
レベルキャップにもすぐに届いたし、ゲームを始めて現実時間の1日程度で進化もしてしまった。
これはゲーム的に問題ないのかな。
「なぁ、シドラ。この成長スピードはどうなんだ?」
「なんだ、気になるのか。………そうだな、ちょっと見てきてやる」
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「どうだった?」
「問題ないっぽいぞ。1回目の進化は結構早いと契約屋?のおっさんが言ってたらしい」
そうか。あのおじいさんが言ってたなら、問題ないな。
「それなら安心したよ。『バグだったので進化前に戻して下さい』なんて言われたら、冗談じゃないからな。………そういうことで、改めてこれからもよろしく、ライガ」
『えぇ。よろしくお願いしますな』
かっこいいよな。召喚獣がライオンなんて。これからの進化も楽しみだ。
『時に主。おばあさんに豚肉を届けなくていいのですか?』
「あ!そうだった。肉………に………あれ?俺、豚肉ドロップしてないわ」
「ふっふっふ、大丈夫だ。俺は豚肉しかドロップしていない!」
うわ。わかったから。わかったからそんな悲しそうな顔でこっちを見るなよ。
「はぁ……いいよ。俺のブタズカリバーあげるから」
「何!……いいのか!?」
「ああ、いいよ。俺は大剣しか使えないから」
「ありがとな!おつる!」
そのあだ名で呼ぶな!
「よーし。『結合』」
そうシドラが呟くと、火炎の剣と、聖剣ブタズカリバーが光に包まれていく。そしてその光が1本の剣を形成していく。
「よっしゃ!成功だ!『聖火の剣』!」
なんだ、何が起きた。
「なぁ………いまのは、何?」
「ん?ああ、グローイングウェポンはそれと同じ種類の武器と『結合』することができる。成功すると、両武器の能力を受け継いだグローイングウェポンを獲得できる。」
へぇー。でも、成功ってことは………
「失敗したらどうなるの?」
「能力を失う。最悪の場合は、グローイングウェポンそのものを失うな。」
おー。一か八かじゃないか。
「まぁ、今回は成功してよかったよ」
「ああ。おめでとう」
俺たちが呑気に話していると、ライガが目で訴えてくる。
「おっと、そろそろ行かないとな」
「そうだね。『帰還』」
そう呟くと同時に視界が白い光に包まれた。
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俺たちは、おばあさんの元へ戻ってきていた。
「おばあさん。取ってきましたよ」
「取ってきたって、何を…………!!それは、栄光の超治癒大王金豚の肉ではないですか!?」
フルネームで言うんだ。それ。
「はい。そうです。取ってきましたよ!」
「いるはずがないと思っていました。………これがあればあの人の腕も、きっと……」
「えぇ。治せるはずです」
「ありがとうございます。こっちです。ついてきてください」
早足で歩いていったおばあさんの後ろを追うと、屋敷のような場所にたどり着いた。
「ここが、私たちの家です。上がって居間で待っていてください」
言われた通りに、居間で話をしながら待っていると、数十分程たってからおばあさんがやってきた。
「これであの人の腕を治せるはずです」
そう言っておばあさんが取り出したのは、黄金の緑がかった美しい液体だった。