豚祭
「取ってきてくれるのかい!?」
おぅ……YESを選択するとこう会話が繋がるのか。
少し強引な気もするが……まぁ、仕方ないかな。
「それで『ゴールデンビックピングー』は何処にいるんだ?」
あ、それ聞くの忘れてた。場所を聞かないと、クエストクリアできないよね。
「んー。あの人はなんと言ってたかねぇ?えーと、『ピングーの桃源郷で……』と言ってたかなぁ。」
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フィールドダンジョン:
ピングーの桃源郷 が解放されました
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お。新しいダンジョンだ!
「ねぇ、シド……………」
俺がシドラの方を向くと、シドラは目を見開いていた。
なんかあったのかな?
「?? どうしたの?」
「え、ああ。いや、少し驚いただけだ」
どういうことだろう?ますますわからない。
「んー……どういうこと?」
「普通、未発見のフィールドダンジョンっていうのは、そのフィールドダンジョンのどこかにある『ポータル』に触れることで、初めてフィールドダンジョンとして認められる。それまではそのダンジョンのモンスターの情報もわからないし、クエストも発生しない」
長いな!でも言いたいことは分かった。
「つまり、ポータルに触れていないのに、新しいフィールドダンジョンが解放されたのが、おかしいってわけだね」
「ああ。そういうことだ。それに、実際に行ったわけじゃないから、行き方がわからない。」
「そうか。それはまずいね。どうしようか………」
俺たちが困惑していると、おばあさんが心配そうに尋ねてきた。
「あの……どうかしましたか?」
マズい。ここでクエストを失敗させるわけにはいかない。
「いえ、大丈夫です。行ってきますね。」
「えぇ。よろしくお願いします。」
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「で、どうすんだ。クレイン」
うーん……どうやって『ピングーの桃源郷』に行こうかな………
「とりあえず、村を出ようか」
「それしかないよなぁ」
俺たちは村の門へ向かった。
『タトスの村を出ますか?』
おお……システム。久しぶりだな。ここはタトスの村っていうのか。初めて知った。
「はい」
『どこへ向かいますか?』
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ピングーの桃源郷
タトス大草原
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お!直接行けるのか!
「ピングーの桃源郷へ行きます!」
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パーティーを組んでいた俺たちは、一緒にピングーの桃源郷まで転移した。
「おお!ここはどこだ?」
「ピングーの桃源郷だよ。村を出るときに、選択肢に増えてたんだ」
「そうか。手間が省けてよかったな」
「うん。特別なフィールドダンジョンはこういう感じで向かうんだね」
「ああ。そうだな。それよりも、見ろよこれ!」
目の前の草原?はたくさんの赤と黄色の豚で覆われていた。
「『眼』」
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ピングー:Lv19
体力:120/120
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ゴールデンピングー:Lv19
体力:180/180
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ゴールデンビックピングーLv:19
体力:230/230
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うーん。詳しい情報はわからないなぁ。
「Lv19かぁ…」
「何?19?今のレベルキャップは25だぞ!」
嘘ぉ…超高レベルダンジョンやん。
「まぁ俺はLv25だけどな」
いや、黙れベータテスター。
俺はレベル1だし……戦えるかな?まぁ、だからといっていつまでもうじうじしててもしょうがない。
「よし!じゃあ金大豚の肉10個目指して頑張りますか」
俺とライガはまだLv19には程遠い。
「協力して倒そうか!」
『ガァ!』
ゴールデンピングーと対峙する。
「『ウィンドボール』!」
大剣をまだ入手していない俺はスキルの『大剣』が使えない。なので、ダメージディーラーはライガに任せ、俺は唯一使える風魔術の『ウィンドボール』で相手のリズムを崩すことにした。
「乱打!『ウィンドボール』!」
俺が放った四方から来るウィンドボールによって体勢を崩したピングーは、目の前に迫るライガにきずくことができなかった。
「今だ!ライガ、ぶちかませ!」
『ガァ!【首刈】』
ライガの放つ技が、ライガの頭の上に表示される。
いいなぁ…強そうな技があって。
『プギァァァァ!』
ライガの【首刈】によって体を真っ二つにされたピングーは消滅のエフェクトと共に消える。
「やったなライガ!」
『ガァァァ!』
「Lv19といっても、動きは単調だったし、体力も少ないからライガがいれば楽勝だな」
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金豚の肉×3
をドロップしました
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おお。しょっぱ。俺には使い道ないじゃん。
『料理』取ればよかった。
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レベルが12になりました
『風魔術』のレベルが2になりました
『風魔術:Lv2』により
『ウィンドカッター』『ウィンドガード』
を習得しました
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おお!経験値はうまいな。これなら倒しているうちに、レベルキャップまで届きそうだ。それに、攻撃の技も手に入った。これで俺も攻撃に参加できる。
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ライガのレベルが12になりました
『獣拳』のレベルが2になりました
『獣拳:Lv2』により
『回し刈』『瞬歩』
を習得しました
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おお。やったな!
これなら進化までいきたいな。
なかなかいいダンジョンじゃないか!
「よっしゃ!じゃんじゃん狩るぞ!」
そのまま俺たちは1時間程狩りを続け、金大豚の肉を10個獲得することに成功した。
「レベルキャップまで上がったし、スキルのレベルも上がった。もうおばあさんの所へ報告に行こうか、シドラ」
「ああ。いいんじゃないか」
俺たちはピングーの桃源郷を後にした。
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俺たちはタトスの村の門まで戻ってきていた。
「さて、おばあさんはどこかね?」
辺りを見渡してみるが、おばあさんらしき人物はいない。
「噴水前まで行ってみようぜ」
「そうだね」
噴水前まで移動すると、ベンチに腰をかけているおばあさんを見つけた。すると、おばあさんもこっちにきずいたようだ。
「おばあさーん!取ってきましたよ!」
「おやおや、ありがとう」
そう言って俺は金大豚の肉×10個を手渡した。
これでクエストクリアだな。
俺はそう思った。
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ここでクエストをクリアしますか?
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? この確認はどういう意味だ?
戦闘シーンが書きにくいですね。