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レスト・ワールド ~召喚士の活動記録~  作者: YUGE丸
プロローグ
4/7

ベータテスター『シドラ』

「ほぉ。そんな召喚獣は初めて見たわい」


へぇ、珍しい種族なのかな?見てみようか。

王成分を使ったし、俺の相棒なのだから強いと思うけど。……たとえ子猫だとしても。


「『眼』」


ーーーーーーーーーーーー

ライガ(召喚獣)

種族:パンサープリンス

体力:150/150

魔力:15/15

筋力:70

耐久:60

魔耐:30

敏速:70

器用:20

「スキル」

「パンサープリンス」「王獣」「光魔法」

「獣拳」

ーーーーーーーーーーーー


「パンサープリンスという種族らしいです。」

「最初から『王』を冠しているのか。将来が楽しみじゃの」


そうなのか、この子猫が。

でも、俺はそれよりもスキル欄に何やら強力そうなスキルが並んでいるのが気になるな。


「パンサープリンス」だの「王獣」だの強そうだし、筋力も俺より高い。……………あれ?俺より強くね?あれぇ………。


「して、おぬし。しっかりと8000G払ってもらうぞ。」


俺がしどろもどろしていると、おじいさんに声をかけられた。………今なんて言った?


「ちょ……も、もう一度言って」

「じゃから、ちゃんと8000G払うんじゃぞ」


いやいや、ちょっと待て。

今、俺の所持金は初ログインと同時に配られる、5000Gと運営に貰った名前についての迷惑料の5000G。合わせて10000Gだから…………


「8割持ってかれるじゃないですか!」

「そう言われても、契約前にちゃんと言ったしのぉ」


うぅ………そう言われると反抗できない。


「最初の契約から『成分』を100もつかうからじゃ。その上『王成分』なんてレアな成分を……」


そうか……100も使ったから……んん?


「え、でもおじいさんが100になるようにって」

「おや、言い間違えたかの。100『まで』じゃ」


嘘だろぉぉぉ!

ゲーム開始数分で所持金2000Gって……


「じゃったら『パンサープリンス』との契約を解除するかの?」

「いや、俺は……」


最初の相棒なんだ。簡単に捨てるわけがない。


「8000Gを払うよ」

「まいどあり。またよろしく頼むよ」

「はい。また今度」


次はお金に余裕を持ってから来よう。絶対に。


「じゃあ行こうか、ライガ」

『ガァ!』


あら。ガァ、と鳴くのね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


契約屋を後にした俺たちは屋台をぶらぶらしていた。


「鉄の大剣が3500G……買えないなぁ」


やっぱ8000Gの出費は痛かったかなぁ。

………。


「いや。8000Gの出費なんてすぐに取り戻して見せるさ!これから一緒に頑張ろうな、ライガ」

『ガァウ!』


ああ。可愛い。癒される。

俺がライガを愛でていると、一通のメールが届いた。


ーーーーーーーーーーーー

ロッソー:


噴水の前で『おつるー!』と

叫んでいる人がいるんだが、

もしかしてクレインのことじゃないか?

間違ってたらスマン。忘れてくれ


ーーーーーーーーーーーー


「あ。忘れてた。」


ロッソーさんにお礼の返信をして、俺は噴水前へ急ぐ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「悪い。遅れた」

「あ、おせーよおつる。あんだけ遅れんなって言ったのに」


龍司の見た目は、髪型はオールバックで黒色。

目の色は緑だ。

うん。元がイケメンだからな。中々かっこいい。


「というか、こっちでそのあだ名で呼ばないでくれよ。」

「しゃーねーだろ。プレイヤー名知らないんだから。」


あ、そうか。そういえばそうだな。

俺はプレイヤー名を教え、ついでにフレンドにも登録しておいた。

へぇ、こっちでは『シドラ』なんだな。


ーーーーーーーーーーーーーーー



「して、クレインよ」

「どうしたの?改まって」


珍しく難しい顔をしている。


「なんで『召喚士』を選んだんだ!『グローイングウェポン』を貰えない地雷職なのに!」


ライガを指しながらシドラが叫んだ。

周りの人の目が痛い。


『グローイングウェポン』はその名の通り成長する武器だ。初ログインのときに、選んだ職業にあった『グローイングウェポン』をひとつ貰える。


ちなみにシドラの『グローイングウェポン』はシドラの職業である『騎士』の初期装備『始まりの片手剣』を進化させた『火炎の片手剣』だ。


斬った相手に火炎ダメージが継続でつくらしい。


「俺も『グローイングウェポン』はいいと思ったよ。でも俺は『召喚士』が好きなんだ。」

「まぁお前にはどれだけ地雷職だと説得してもやめないと思ってたぞ。たしかに召喚獣は可愛いしな。」

「そうだろう?このライガだって………」


「黄金の毛が綺麗だねぇ」


「そうそう黄金の毛が………え?」


なんだ?誰の声だ?

俺が声のするほうを向くと、着物を着た綺麗なおばあさんが立っていた。

ネームタグがない。この人はNPCのようだ。


「あんたは『ピングー』を知ってるかい?」


おっと、話の切り替えが急だな。


「なぁ、ピングーって何?」

「豚だ。強さ的にはオークよりちょっと強いくらいだな」


俺が聞くと、シドラが小声で教えてくれた。


「えぇ。知っています」

「そうか。知っているか。なら、話は早い。私は昔食べた『ゴールデンビックピングー』の肉の味が忘れられなくてねぇ。できることならもう一度食べたいもんだねぇ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

シークレットクエストの発生を確認しました

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

金大豚の肉を求めて


クリア条件:

ゴールデンビックピングーの肉×10の納品

報酬:

???×1


を受けますか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「驚いたな……シークレットクエストなんて初めて見たな。クレイン、当然受けるよな?」


あー、これは『エリーゼの称賛』の恩恵だわー

……まぁ受けても問題ないな


「ああ。もちろんだ!」




シドラ、ロッソーはともにベータテスターです

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