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蛇の腹

作者: 宵月

 熱い炎の大玉がゆっくり海に溺れると、燃えた空に黒墨が一滴垂らされる。始めは鍾乳石を生み出すようにポタリポタリと落ちるそれは、やがて川の始まりのように流れ、その量を増し、そして何時しか大河となる。

 鋭い水の流れとなったそれは、空のみならず地を這う風までもを染め上げて、そうして人々に安寧と恐怖を齎すのだ。


 長い鉄の蛇の腹の中からぼんやりと地上の星明かりを意味もなく眺める。人々が己が為に造り上げた星。この星もいずれはあの蝋の羽の様に火の玉に近付きすぎてドロドロに溶けて消えてしまうだろうか。


 墨に(まみ)れた世界を蛇の中で通るのはいっそ愉快な程に恐ろしい。あの熱い紅玉が空に飾られていないというだけで、人の作った箱庭はガラリと、あまりに呆気なく姿を変えるものだ。

 紅玉の輝きを受けて鈍色の道が行き先を示していたのに、黒染めの中では人工的な灯りは北極星の様に道標にすらならない。人は道が見えなければ己のいる場所すら見失い、迷子の様に彷徨うことしか出来ないのに。


 蛇の腹から見る墨()れの箱庭は、確かな道標も目印も無く、ただ深淵を覗く時の様な背筋を這いずる寒さを寄越すだけ。凭れた内壁の冷たさがその震えを増長させ、息を詰めるとあっという間に呼吸の自由が奪われる。


 白い綿が地面に落ちて箱庭を真白に染めている時は、同じ様に道標が見えなくても恐ろしいなどとは思わないのに。それなのに若い木を見下ろす様に聳え立つ砂の塊が落とす影が少しずつ大きくなりながら喰らい合い、それらを纏めて夜の帳が飲み込んで。その中を突っ切る鉄の蛇の腹の中から外の様子を伺い、“黒”という色の果てしなさに身を震わせている。

 多様な明かりを通し、同時に薄く腹の中を写す鏡になった色の無い壁は氷の様に冷たいくせに、長く触れれば生温くなって酷く不快だ。逆さな己と手を合わせ、冷やりとした紛い物の鏡に熱を奪われて。そうしていると、ぬるりと動く蛇の動を感じているかのようだから。


 四半刻にも満たない、短いはずの時間の中で暇を潰そうと外を眺める。いつもと同じことをしているだけなのに、同じ道を進むように造られた鉄の蛇は従順に躾に従ってしか動かない筈なのに。



  今日もまた私は黒くなった箱庭で道を見失う。

 この話書いたきっかけとか感想とか。別に読まなくても大丈夫デス!



 特に冬、電車に乗るとあっという間に暗くなってて『何処だココ?』と窓の外を見ると結構な頻度で迷子気分を味わいます。

 窓が鏡みたいになってて自分の顔が映って邪魔で見づらいのと、窓の向こうが真っ黒なせいでいつも目に入るものが見えなくなってたりするせいです。


 ……いや、前にまだ陽が高いのに同じような事になってましたけどね?偶然いつもと反対側に座ってたってだけで。その時隣に座ってた人(;´-∀-`)ゞサーセン 寝起きでぼけてたところだったからもしかしてとんでもなく乗り過ごした!?と∑(O_O;)ビクッ!!な状態になったから驚いたかもしれない。しかも実際はまだまだ30分くらいなら寝られる所だったんだから、ホント、もう、ねぇ?(・x・)〈ソンナコトクチガサケテモイエネーゼ

 いつも通り過ぎる駅でも存外景色って把握してないんだなと痛感しましたよ。


 あぁいや、そんなことはいいんだった。それでまぁどうも駅と駅の間のたった数分で『ここは何処!?』ってなるのが嫌らしくて、夜電車に乗ってるのが凄い不安というか苦痛というか……ぶっちゃけイヤなんですよね。

 でもいつもの目的地が遠いから乗らざるを得ない。そんなジレンマでストレス溜まったから発散しようと書いたのがコレでして。めちゃくちゃ文章短いですけど、内容にしてはこれでも長い方だと思います。

 だって簡単に纏めると【夜電車から外見ると何となく怖い】で終わっちゃう……。


 書いた感想としてはまぁ短かったけど比喩表現考えるのが楽しかったよね!本当は色の言い回しにも凝りたかったんだけども断念。(。´-д-)疲れた。そして飽きた。


 こんなグダグダなshort storyなので、暇潰しにでもなれば幸いです。

 ここまで読んで頂き、ありがとうございました(*´˘`*)Thanks!!

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