魔法講座
書き溜めするのやめてみたてす
オカルトとかそういうようなジャンルには、あまり興味は無かったけど、なんて言うか感動だな。マジックとは違い、本物なのだ。
「それじゃ、アリスが先生だな」
俺がそう言うと、アリスも背筋を伸ばし、眼鏡を指で押し上げるような仕草をする。
「水瀬さんっ、アリスではなくアリス先生ですよっ」
俺もおどけて肩をすくめ、
「すみません、アリス先生」
と言って2人で大きく笑った。
「よしっ、まず初めに、魔法の説明をしまーす」
アリスによると、
魔法とは、「魔力」と言う媒体のエネルギーを使って、目的とする現象を確立する操作、と言うらしい。種類は16属性に分けられ、例外はないらしい。その段階は、合わせて4つのステップがある。
魔力とは、体内に存在するエネルギーの一種らしい。現在でも研究されているが、魔力について分かっている事は少ない。種族や個人によって量は様々であるが、魔法を使えない人でも微量ながらもある。そして、その4つのステップは、
1.魔力を体内で精製する
2.目的の現象に合わせた魔力の加工
3.形成される現象の具体的な像を確立
4.体外への放出
1はよく分からないが、魔力は常に発生されているわけではなく、意識的に作り出せるものようだ。2に関しては、火の魔法と水の魔法を使うには別々の手順があるようなものなのだろう。3は属性を決めた上でさらに具体的にどのように魔法を使うのかを決める作業だ。そして4、この手順を踏んでやっと魔法は完成する。
「それじゃ実際に魔法を使うよ?」
「ああ、頼む」
俺は念のために数歩後ずさる。アリスは集中するように深呼吸する。そして目を閉じて右手を前に突き出した。数秒、間が空く。
「「…」」
突然、アリスの手が薄い青白い光に包まれる。
「っ!!」
その光景に思わず釘付けになる。光は徐々に強くなっていき、完全に手が光に埋もれそうになる。が、次の瞬間にパッと消える。それと同時に手から多量の水の塊が現れ、凄い勢いで飛び出す。水は30m程先の地面に落ちて、盛大に音を出して形を崩す。
すごい…
起こった出来事に圧倒され淡白な感想しか出てこない。
「ま、こんな感じかな」
そう言ってアリスは一息ついている。そして、絶句している俺のところに近寄ってくる。
「どう?すごいでしょ」
「…本当にすごいな。感動したよ」
想像よりも反応が薄いのがご不満なのか、アリスはジト目でこちらを見てくる。
「もうっ、もうちょっと他にないのー?」
「あ、いや、本当にすごいなと思って。悪い、これくらいしか言えないんだ」
「す、すごいかな?えへへ、そんなことないよ〜♪」
頭をかきながら照れる。
「はい、アリス先生」
俺は手を上げる。
「ん、なにー?」
「イマイチ魔力がピンとこないんだけど、どう感じるんだ?」
素直に思ったことを伝える。
「あ、説明し忘れてたけど、魔力を誰かに自分の中に流してもらってきっかけがないと魔力は使えないんだよ」
「めちゃくちゃ大事だろそこ!」
「ご、ごめんなさ~い!」
アリスは肩を縮こまらせてたじたじになる。
「えー、えと…じゃあ、魔力を」
そう言うと小走りになってすぐそばに来る。俺の右手を両手で掴む。少し驚いたが、ギリギリ顔に出ない。
「準備、いい?」
「…ああ」
アリスの両手が一瞬、青い光に包まれる。そう思ったかと思うと、アリスの手を伝って、光が俺の体をも包もうとしてくる。光が俺を覆っていくに連れて妙な感覚を感じる。
…胸の奥が熱い
体の中で火が付いたようだ。だが、決して苦しくなる訳ではない。言うなれば、小さな蝋燭が芯で灯っているような感覚に陥る。これが、魔力なのか。その感覚は、時間が経っていくにつれて薄くなっていき、やがて蝋燭の火もフッと掻き消える。
「なるほど、これが魔力か」
「うん、これで魔力も目覚めたし、次はどれくらい魔力があるのかってことを確かめないとね」
「魔力って個人差あるって言ってたけど、どれくらい違うものなんだ?」
「うん〜とね、けっこう違うもんだよ?しかできない人もいるし、津波くらいの大きい水を創る人もいるよ」
後半のスケール大きすぎだろ…
「ちなみにアリスはそれで言うとどのあたりなんだよ?」
「うん、私は可もなく不可もなくって感じでフツーなんだけど…だいたい家くらいのサイズなら出せるね」
平凡でもそのレベルなのか。恐ろしや。
それはそれとして、魔力の量を測るんだったか。とりあえずさっきの感覚だよな。胸の奥で火が灯ったような……ん?こない?
「アリス、なんか魔力が全然来ないんだが」
「あれ?おかしいなー。もっかい試してよ」
俺は頷き、もう一度やってみる。また、ダメだ。
「つ、つまりこれは…」
「魔力が全くないみたいだねー」
まじか。あそこまで盛上げといてこれはないだろ…
一応、私の思う魔法のしくみを書いてみたてす。