ダレカ
(……ここは?)
『全くもって無様な奴だ』
(アンタ、誰だ。それと、どこだ?さっきまで俺はあの緑色の怪物と……)
『戦っていた?逃げ回っていただけにしか見えなかったな』
(……アンタが助けてくれたのか?)
『いいや、助けていない。まだお前はあのリーフメトラ種のドラゴンの赤ん坊に夕飯にされかけている最中だ』
(あれで子どもなのか……それよりアンタ知ったような口振りからして、見てたな?俺達のこと)
『ああ、近くでしっかり見物させてもらった』
(助けてくれ。殺される)
『おいおい、さっきあの金髪の小娘に大丈夫だと自分で言ったように聞こえたが?』
(そうでも言わないと……)
『2人仲良くお陀仏か?ふん、くだらない』
(どちらかは救わないといけないじゃないか)
『まあ、一理はある。だがそれによってお前は自身の死を選択した。それを後からやはり生きたいと望み、他力本願になるのか?』
(……)
『質問に答えろ』
(……死なんて選んでいない。俺はただ、諦めないだけだ。最後まで全力をだして他に手は無いかと探して、そこにアンタがいた。俺はこの人生こんなところで終わらせるつもりは一切ない。アンタが助けてくれなくても構わない。その時は自分1人でなんとかしてみせる。
けれど、もしアンタが助けてくれるのなら…俺はそれに頼る、それだけだ。
俺は死なない……最後までカッコ悪く足掻いてみせるさ)
『……ふむ、なんとも奇怪なことを言うやつだ。助けがほしいのなら泣いて頼めばいいものを…フッ、少しお前に興味が湧いた。いいだろう、手を貸してやるーーー』
(あ、おい、アンタの名前をまだ聞いーーー)