第五話 修羅場→喧嘩→メイド服
今回はしっとりめの話です。
初心者文章でもよい、という方は続きをどうぞ!
あー、あー、こちら空条透弥、妹の中学校で、修羅場展開中です。
「で? 本当はその娘だれなの? ひょっとして誘拐したの? うっわ、きんも死ね変態」
疑問と暴言を同時に浴びせる妹、さすが学校内で口喧嘩の鬼と恐れられたやつである。
「いや、違う、えっとこれはだな……」
目線を泳がせる、何かいいものはないか。
「そうだ、詩花の妹だ!!!」
何言ってんだ俺!! 木葉は詩花とは親友だ、こんな嘘すぐばれるはず。
「え、妹なんて……あぁいる、そういえばいたわ、さっきくらいからいた」
ナイス詩花。
「え、うっそ⁉ 詩花さんいたの! というか何で詩花さんがいるわけ?」
「あ、ああ、詩花の親が長い間家を空けるそうだから、家で預かる事になった」
「へぇ……詩花さんにこんな妹がいたとは……んん!!たまらない一緒にお風呂とか入りたいわ、そうね……この娘なら、ロリータはもちろん、制服、バニーガールそれからスク水だって似合うわね、今の今までなぜ世間に注目されなかったのかしら、あぁ寝撮りたい!!……」
「ちーがーう、あたしは正真正銘の空条透弥の娘の空条叶羽よ!!」
くっそ。
「あはは、こいつと今家族ごっこしててさぁ(くっそ空気読め、我が娘よ!!)」
「へぇ、家族ごっこしてるの……ってお兄ちゃんなんか嘘ついてるでしょ?」
ギクッ!!
「ははは、何言ってるんだよ、俺が何で嘘つかなきゃいけないんだよ、あは、あはははは」
「嘘よ、目が全てを物語っているわ」
「お父さん、なんで嘘つくの!」
「くっ……わぁったわあった!! 全部話すから! とりあえずここじゃあ都合が悪い、家に帰ってから話す」
「ふーん、田中さん家が吹き飛んで、そこから娘が現れて、挙句の果てのは、あたしの部屋をあさって服を強奪した、そして県内全域の怪奇現象は叶羽ちゃんがタイムマシンの座標を間違えたときに生じた、時空のゆがみで、この時代の情報や建造物が改ざんされてしまったと?」
「はい、全くその通りです」
「そんなことが信じられる?……未来のお兄ちゃんの家は放火された挙句、嫁は殺される、そんなズタボロな未来があっていいの?」
「それを回避するために、過去に来たんだろ?」
「まあお兄ちゃんはどうでもいいとして、そして次の問題、これはタイムマシンより重大な問題よ……お兄ちゃん、叶羽ちゃんとお風呂入った?」
「いいえ、入ってません」
「本当に?」
「はい、神に誓っても!!」
「叶羽ちゃん本当に一人でお風呂はいった?」
「はい、中学生にもなれば一人ではいれます!」
「ならよろしい」
なにか話がずれているので閑話休題、木葉は疑いながらも了承という形で良いという解釈でいいのだろうか? まあ叶羽が木葉好みで助かった、木葉は極度のロリコンだからな。
「ちょっといすか?」
「何だ詩花」
「今後の事について話し合わない? お母さんを探しに来たんでしょ?」
「そうだな、その……、俺の嫁の手掛かりとかないのか?」
「てがかりか……五年前の放火で写真は全部燃え尽きて、顔もおぼろげにしか浮かばない、わかっているのは、血液型がO型という事、それからお父さんと同い年でお母さんの方が二カ月年下という事くらい」
「名前は?」
「……分からないの」
「分からない?」
「お父さんは、何も話してくれない、お母さんと過ごした思い出、どんな顔をしていたか、そして名前、全てにおいて完全に無視、質問にも答えない」
「なんでこたえてくれないんだ?」
「わからないの……答えてくれないから、お母さんを助けたい、お母さんといっぱい話して、髪を撫でてもらいたい」
叶羽の顔はとても悲しそうだった、涙は流さないが、心からは叫び、孤独、あらゆる感情を押し殺した何かを感じる。
「何度も言うが、俺は彼女すらいないんだ、結婚もまだ出来る歳じゃないし、嫁さがしには長い時間がかかるだろう……でも忠告をしてくれたことはありがたい、忠告だけして、タイムマシン直して帰るとか出来ないのか?」
「そう簡単に言わないで、あたしだって死ぬ覚悟で来たんだから、規則を無視して勝手にタイムマシン使って、過去を改ざんするなんて、言語道断、時空法に引っかかっちゃうよ」
「そんなことして、お父さんが悲しむとは思わなかったのか?」
「後悔はしてない、それがお父さんが幸せになる最もいい方法だったから……嘘、実際は後先考えずに突っ走って、みんなに迷惑かけて……それでもお母さんには会いたいの!」
「だめだな、全然だめだ、ダメすぎて吐き気がして来た」
何言ってんだ俺。
「なんでそんなコトしたんだよ」
落ちつけ俺
「死人を生き返らせるとか、犯罪犯すとか絶対ダメだろ、未来でお父さん説得して、未来で最善の生き方すればよかったじゃないか!!」
「ひっ」
叶羽は音にならない悲鳴を上げて、涙を必死にこらえていた。
詩花と木葉は、気まずいといったような表情でこちらを見たり、うつむいたりと視点が定まらない。
「だいたい、お前は――――」
「ごめん……さい」
えっ?
「ごめんなさい、ごめん、なさい」
やっちまった。
かすれた声を必死に絞り出して謝る叶羽、人を泣かせてしまった、しかも自分の娘を。
「ちょっとお兄ちゃん言い過ぎ、叶羽ちゃんあたしの部屋いこう?」
「ごめんなさい」
木葉が叶羽を部屋に連れていく、しゃくりあげる声が、耳にずっと残って、離れない。
詩花と二人っきりになってしまった。
沈黙の中詩花は目を合わせず、バツが悪そうに言う。
「……確かに、言い過ぎだとは思う、でも透弥の言ってることは正論だと思う、熱が冷めたら、謝ろう? そしてこれからの事を話そう? いい加減話を進めなきゃヤバイ」
「すまん、つい熱くなった、反省してる……今夜にでも謝るよ」
「叶羽ちゃん、もう泣かないで、可愛い顔が台無しよ」
「ごめんなさい、あたし、とんでもないことを……もうダメ」
「ねえ、叶羽ちゃん……お兄ちゃんの話、してあげよっか?」
「話?」
顔を上げる叶羽ちゃん、上目使いがあざとい。
「そう、透弥はね、昔あたしが苛められてたのを助けてくれたのよ、いじめって言ってもささいな事よ、スカートめくられたとか、筆箱を隠されたとかそのくらい、でもお兄ちゃんは必死になってあたしを助けてくれた。お兄ちゃんは決まりやルールを守れないヤツはどうしても許せないらしいの」
「あたしが……ルールを破ったから、怒った?」
「察しがいいわね、そうお兄ちゃんは必然的に起こってしまう、叶羽ちゃんもルールを破ったから怒られた」
「ごめんなさい」
「でも反省した人には、とても優しく接しているの、お兄ちゃんは、あたしを苛めたやつも今ではすっかりお兄ちゃんに更生させられたわ、だから叶羽ちゃん……今夜にでも謝ろう? あたしも一緒に謝るから」
「……うん」
あらら、また泣いちゃった、可愛い。
「ほらほら泣かないの、それより……メイド服、着ない?」
「へっ!?」
あえて喧嘩させてみました、ヲサダここからは、この後の展開をどうするんでしょうか?(笑)
楽しみにしてます。