第三話 妹の服拝借回
はい、今回はなごし回です。
すごい面白い話になりそうです。
初心者文章ですが、それでもいいという方はどうぞ!!
えーっと……情報を整理しようか。
まず、俺の娘が未来から来た、証拠はないが、こんなかわいい女の子を娘に出来るなんて信じない手はない。
それから、コレが厄介だな、コイツの母親……つまり俺の嫁が未来で死んでいること、なおかつ俺の家が放火されてしまうという事。
「もっと情報を聴かせてほしい、その……タイムマシンか? あれ、未来はどうなっている?」
「ああ、あのポンコツね、そうね、タイムマシンと言っても過言でわないわ、ただし過去にはいけないの」
「過去に来れないのなら、なぜあんたはここに来れたの?」
無言だった詩花が少し強めの口調で言う、女の子こええ。
「過去に行けないなら、未来に行けばいい、という学者の逆転的な発想ね」
人差し指を立てながら得意げに話を続ける。
「話は変わるけど、今から2万6000年経つとどうなると思う?」
「未来の世界の猫型ロボットがこの世を支配してるとか?」
「ちっがーう、全然ちがーう、正解は今と同じ状況になるのよ、何の変哲のない今になるの!!この世は2万6000年周期で回っているのよ」
理論とウンチクを垂れる叶羽、それって未来の学者の受け売りだろう?
「それを利用して、未来の同じ状況に移動して来るのがあのタイムマシンなのよ」
「なるほど……理論は分かったが、話が複雑すぎだ、少しおいておこう、えっと……お母さんの話を詳しく聞かせてくれないか?」
「…………………………」
「話にくいか?」
「喉かわいた」
ズコー! さすが俺の娘、空気の読めなさが遺伝してしまったか!!
「まってろ、麦茶しかないぞ」
台所へ向かう、朝食べた卵焼きの皿を片付け忘れていたのに気付いたので、水に放り込む。
しかし、凄い状況になってしまった。俺の未来真っ暗じゃねーか、というかそれを回避するためにこの過去に来たのか。なんと親思いな娘、きゃわいいなぁ、おおっとキャラ崩壊。
「詩花も麦茶のむよな?」
「いらんわい」
なにをさっきからむすっとしているのだろうか、年ごろの女子はわからん、思春期の中学生がエロ本をあえて、普通の本棚に隠して、ママンがここまで探さないだろうという策略を立てるくらいわからん。
話がそれたな、妹も帰って来るし、これからさらにややこしくなりそうだ。
それから、せっかくだから話しておこうか、家は両親共働きで、父は出張中、母は夜遅くまで帰ってこない、これは幸い。
「待たせたな、んで……お母さんはどうなったんだ」
「未来でおかあさんは私を生んだ後何物かに殺された、他殺されて今でも未解決」
「ちょ、ちょっちょっとまて、他殺!? 家が燃えてさらに、妻も死ぬのか? 俺」
「正確には、死んだ後に、放火ね……そんな話はどうでもいいの!! お父さんの妻を死なないようにしてほしいの」
「妻ったって、俺は彼女すらいないんだ! 本当に!!」
「未来ではお父さんが18歳はモテまくりで大変だったって!」
未来の俺何やってんのおおおぉお! 見栄っ張りすぎるだろぉお。
「すまんな、見栄っ張りで」
「この人は」
叶羽が詩花を指差す。
「あ、あたし⁉ あたしはその、えっと――――」
「ただの幼なじみだ、嫁じゃない」
ものすごい形相で睨まれた。泣きそうにも見える。
「悪かったわね幼なじみで、どうせ透弥の彼女でも何でもないですわい」
「なんで怒ってるんですかぁ? もしかしてお父さんの事ぉ」
「な、なによ」
「何でもないです、それより話を戻しましょう、お母さんを死なせないようにしてほしいんです」
「それじゃ、タイムマシンでお母さんが死ぬところを守ればいいんじゃ?」
「そうしたいには山々なんですが……あたし、お母さんの顔しらないんです、だからお父さんがモテまくりでお嫁さんと付き合い始めた18歳の時期に来たのに、彼女なしの童貞だったなんて」
今娘にすごい事を言われたような、童貞って言われたぞ、娘に!!
「悪かった、未来の俺が迷惑をかけたな!」
「まったくです、タイムマシンも壊れて帰れないし! 彼女いないし、童貞だし!!!」
「だから悪かったって!! それよりその服なんなんだ?」
「これはタイムマシンを使うのに必須なスーツ、時空のゆがみやその他もろもろに耐えるいわば宇宙服みたいなものです」
「それ不自然過ぎるだろ、妹の服拝借してくるから気がえろ」
「あ、ありがとうございます」
もじもじ、言葉で表すならそんな感じ、いや気がえろってそういう意味じゃ……。
さて妹のクローゼットでもあさりますか。
さて妹の部屋につきました。別に寝起きドッキリとかじゃない。
「妹の部屋に侵入なんて、お父さんは変態のサラブレットだ!!」
「これはしょうがないことだ!」
「透弥……死ねシスコン」
もはや気にしない、妹の部屋をあさるのは初めて、逆はどうか知らないが。
侵入、女子らしいシャンプーの香り、内装は茶色と白のくまさんと黄色いひよこっぽいやつがたくさんいる、最近流行ってるよなこの……なんだ、リラックスしたくま。
「妹よごめん!」
クローゼットとタンス解放、きゃー乙女粒子が飛散してりゅー。
「これか、いや、これでもない、スウェットとかないんですか」
「このリラックスくまのキグルミパジャマとかどうでしょう?」
しょうがない、これでいいか。
「ハイ、妹には俺から話すから」
「ありがとう……その、下着は」
声がだんだん小さくなっていく、えっ?ノーパンデスカwktk
「はいてないの……か」
「タイムマシンに乗るにはスーツ以外の着用は出来ません」
「かぁあ」
さすがに妹の下着を拝借したら人生が終わってしまう。
「その……悪いがオレので我慢……出来な――――」
詩花のボディブローが直撃。
「けはっ!!」
声にならない空気の塊が空しく鳴る。
「か……かまいません」
「あんた本気で言ってるの!」
腹痛ぇ。
「さっさと着替えてくれというか風呂入れ、よく見たら土まみれだぞ」
顔が赤い、そりゃ娘も自分の父親のパンツをはくとは思ってもみなかっただろう。
詩花は別の意味でカンカンに赤い。
これからの俺の未来。どうなってしまうのやら。
風呂からあがったらもっと情報をきいてみようか。
――――これから俺はどうすればいいんだって
なごしです。本文がライトノベルのページ数に換算すると2ページくらいしかないんですね(汗)
もっと精進せねば……。
漫画感覚で読んで頂ければなと。
さて次回はヲサダ回!お楽しみに!!!