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We love PK!  作者: ケレンコフ
第一章。
3/11

人殺し達。

このお話は、PKなどがバンバン発生。

人死にがランボー並みにポンポン発生。

そして、皆楽しんで人を殺して行きます。


そういった内容が苦手な方は、ご注意ください。


また、私はかなり遅筆ですので、平にご容赦ください。

何処までも透き通るような青空の下、一人の男が命乞いをしている。

「ひぃっ!!止めてくれ!!俺には、俺には帰りを待つ妻と娘が!!!」



それを聞いて、もう一人の男が呆れた様な声で返す。

「あんなぁおっさん、だったらこんなトコで遊んでんじゃねぇよ。」


「頼む!助けてくぎゃ!!!」

男の命乞いも虚しく、その脳天に剣が突き立てられた。

剣が突き立てられる瞬間、一瞬男が白目を剥いたかと思うと傷口から徐々に光となって消えていった。


「よしっ、いっちょ上がり!しめて三十万円になりまーす。やー、苦労した甲斐があったわー!」

無慈悲に相手の命を奪った、もう一人の男は良い仕事したと言わんばかりの晴れやかな表情だ。






VRMMO【キリングフィールド】。

それは世界最大のオンラインRPG。

ゲームの中で死亡すれば、現実の世界でも死亡する。いわゆるデスゲームと言う奴だ。

そんな過激な内容にも関わらず、世界最大の規模を誇っているのはそのシステム故である。

キリングフィールド内での通貨は日本円。ゲーム内の通貨が、そのまま現実世界でも使用可能。

要するに、真面目に働かなくてもゲーム内でお金を稼ぐ事が出来る。

通貨が円なのは、単純に運営する組織が日本の政府だからと言うだけ。

噂が噂を呼び、今日も世界中の人間がこのゲームにログインしている。


このゲームでの金稼ぎの手段は、PKが推奨されている。

モンスター討伐などの通常の手段でも稼げない事は無いが、プレイヤーを殺した方が圧倒的に効率が良い。


故に、此処では人殺しは当り前の行為。


行きつけのキャバクラで遊ぶために、サラリーマンが人を殺す。

孫にプレゼントを買ってやるために、老人が人を殺す。

仕事を頑張った自分にご褒美を与えるため、欲しいゲームソフトを買う為、実家に仕送りをするため。

OLが、大学生が、派遣社員が。

殺しに殺して殺しまくるのだ。




そんな狂った一仕事を終えた男の耳に、聞きなれた声が聞こえてくる。


「ヤマザキー?そっちは、おわたカー?」


あやしげな片言の日本語を喋る美女が、長い黒髪を風に流しながら此方へやってくる。

その身を包むは、漆黒の旗包。いわゆるチャイナドレスだ。

誰もが羨むプロポーションを持つ彼女だが、今の彼女には誰も近寄りたがらないであろう。

その右手には、禍々しい大鎌が握られているからだ。



しかし、そんな彼女の格好に物怖じもせず言葉を返すヤマザキと呼ばれた男。

カーキ色の軍服を身にまとい、その手には先ほどの男に止めを刺した大きな両手剣。

「あー、軍麗(じゅんりー)さん。こっちは三十万でしたよー。そっちは??」


「んふっふー、こっちのおっさん、七十万もドロップしたヨー。やったネ、今夜は北京烤鸭(ペキンダック)ヨー。」


「いーなー。俺も食べたいなー」


「もうチョイ稼いだら、遊びに来るといいヨー。ヤマザキなら歓迎ネー。」


そんな、和やかな雰囲気の二人に更に声がかけられる。


「げ、そっちはそんなにしたのかよ。俺の所の兄ちゃんは八万ポッチだぜ?」


そう言って現れたのは、髭面赤髪の大男。

古代ローマ風の鎧をまとい、その手には抜き身のグラディウス。

男は通称ゲイツ。


正式には、びびる・ゲイツという。

ヤマザキ、軍麗の所属するギルド【MLF(マーダーライセンスフリー)】のギルドマスターであるアイルランド人だ。





彼らは、異常なこのゲーム内においても更に異端。


あくまで、楽しむために人を殺すと公言する快楽殺人者。


楽しいからという理由で、今日も彼らは人を狩るのだった。

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