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第9話 神では無く、、、友として

  

   男気ムンムン嫌すぎるww(・∀・)


 貴重なブルーシート1枚を使用した簡易テントに皆で身を寄せ合い暖をとり眠った。

 

 クッ 悔しいけど モフモフ (*´ω`*)

 

 息吹山五合目程度だろうか。

春先と言えど山は怖い。

冷える早朝、一斗缶を利用し火を熾す。

温かな食事と熱い野草茶で気力を奮い立たせる為に。


「はぁぁぁ~甘ぁ〜。」


ホウがメイプルシロップを大量に入れシナモンで味を調整した茶に頬を緩める。

貴重な甘味だが無理言って付き合わせた登山、今日くらいは良いかと皆と共に笑顔で茶を啜った。




 低木が疎らに生え、岩肌が目立つ。もう少しだと皆で声を掛け合い杖を突き立て登った。


「はぁぁぁ 着いたぁぁ。」


山頂付近、やりきったとばかりに声をを挙げ座り込むタン。ハクとセンはまだ余力ありと一息つくのみで稀人、マク、ホウもタンに続いて岩場に腰を降ろす。


 「いい、もんだな。」

 「だな。」


頂きから観る景色。森が見え狼人族の集落が見え広大な海の先に水平線が見える。

 初めて見た景色にハクとセンは胸奮わせる。




 「すごい臭い あ〜」

山頂の臭気にマクが顔を顰める。鼻の利く狼人族には辛いようだ。


「いい物 イパイ アル 皆、この石を拾ってクレ。大きい石が イイ。」


差し出された掌を皆が覗き込む。


「綺麗な石だけど これ?」


目的の物らしき石を見せられ首を傾げるタン。


「黒曜石 名前 オボエロ 持ち帰る 村の皆 ヨロコブ ハズ。」


 一族の為になると言われれば俄然やる気を出す五人、彼等一族の結束は固い。

皆手袋着用で探し始めた。

黒曜石探しを五人任せ稀人はビニール袋を取り出しシャベル片手に周囲の物を集める。


「エビス様 何を?」


尋ねるセンにニヤリと笑みを向け。


「この クサイ モト 集める これイイ物 硫黄と言う オボエロ 今は使わない 何時か大量に使う。」


師であり神が言うのであれば、そうなのだろうとセンは納得し。


「硫黄ですね。この臭いです忘れません。」


センもまた稀人にニヤリと笑み返した。


「うおっ辰砂かYo!?」


思わずでる日本語に皆が振り返る。

硫黄と水銀で出来た鉱物、辰砂。

今まで手付かずであった各種資源、持ち帰れる量はすぐに集まった。

息吹山は多くの物を稀人達にもたらした。

稀人と五人は火口に向かって二拝二拍一拝し祈りを捧げ下山する。






 玄関前。皆が集合する。

握る金槌と杭。稀人も初体験に緊張しながら。


「ミミ、ミウ離れて。ケガ する キケン」


留守番が寂しかったのだろうじゃれつく双子を遠ざけ作業を始める。


「ナナメ 叩く 綺麗に割れる これ 黒曜石 良く切れる ホウチョウ 鏃 ナイフ 槍 ホサキ になる。」


「「「「「おおおおおおおおお!!!」」」」」


無言で聞く女性陣に対しハク達の興奮は凄まじかった。

石刃にとって代わる資材黒曜石。

しばし皆で談笑しつつ弓矢の鏃、槍の穂先、ナイフの刃を作成する。



 一通り作業を終え喫茶にてくつろぐ午後。


「エビス様 狩りに行きましょう!」


ハクは早く黒曜石の武器を試したくて、うずうずしていた。

それはマク、タン、ホウも同様でセンは仲間を楽しそうに見ている。

 今日はもうのんびりしたい稀人だったが嫌とも言えず。

何より兎なり蛇なり狩れれば塩漬け肉や燻製も作れる。

喰わせていく家族が多いのだから。

 「いくか」






 木々生い茂る森の中、枝葉の隙間から陽光が零れる。

踏みしめる草の音のみの世界で横に立つセンが小声で静かに皆を促す。


「あの茂みの先、いる。」

「静かに 散開 囲むぞ。」


ハクも小声と共に皆へとアイコンタクトを送った。

 半円陣形にて槍を構え、弓に矢をつがえる。

近付くにつれ騒がしくなる葉擦れの音、もう少し、もう少し、そう考えていた瞬間、茂みから黒塊が激しい咆哮と共に立ち上がった。


「くくく くまぁぁぁぁ!?」


「逃げるな!背後をとられるぞ!」


狼狽するホウ、ハクが皆を叱咤する。

 ハクの力籠もる声がホウ、タン、マクを現実に引き戻し用心深いセンだけは最大限に引き絞った矢を射ち放つ。

 風斬り続くのは野獣の絶叫、近距離、重藤弓から放たれた黒曜石の鏃が熊の腹に深々と突き刺さった。


 いける。確かな手応えを皆が感じた。


「いけるぞ!続け!」


ハクの号令に皆が次々に矢をつがえ放つ。

 唯一人、稀人だけは現状の理解追いつかず槍を手に立ち尽くした。

矢を避けるかの様に身を捩る熊。身を捩った先にて稀人と熊の視線が絡み合う。


 時が止まる。永遠の刹那。

 来る 感じた

 死ぬ 思った

 無情で理不尽 悟った


ニケ、アイ、ミミ、ミウの笑みが脳裏を過った。


 あいつ等はどうなる

 俺が食わせてくんだろ

 守ってやるんだよ

 死ねるか

 生きてやる

 俺が家長だ!!



 駆け出した。

呼応するかの如く熊が立ち上がり威嚇する。

でかい、立てば身丈ニメートル。

振り上がる前脚。巨熊が吠える。

 稀人も己を鼓舞し吠える。


“ぐうおおおおおおおおおおおおおおお”


唯、無心 唯唯ただただ、黒曜石の槍を前へと突き出す。


 体毛を越え、皮下脂肪を越え、筋肉へと


   “ティエストおおおおおおおお”


 穿て臓腑、愚直に槍を突く。


流れ矢が当たるを心配し構え固まるハク、セン、ホウ、タン、マク。

しかし今この瞬間は違った。男の発する気迫に入り込むこと躊躇われた。

人族は狼人族に力で劣る。だから群れる。

目の前の男は違った我等狼人族に比肩する戦士。


 稀人と巨熊が拮抗し静止する。

ただ稀人の手元が柄をねじる。槍の穂先が向かうは心臓。

痛みに吠える熊、吠え声にハクは我へと帰る。


 息を軽くスッと吸った。

 弦を引き絞る。

 フッと軽く呼気一つ。

 この距離 外さん。


矢は吸い込まれるように熊のこめかみを射つ。


「うわっとととと」


崩れる熊の体躯。折れる両膝。

巨体の全体重が槍へとかかり稀人柄尻を大地に突き立てる。

 “メキリ”熊の巨体を支えきれず柄が悲鳴をあげた。


「あ」( °д°)

稀人の膝もまた崩折れ尻餅を着く。


「あ、、、無理 立てん。」


腰が抜け膝が笑い立つことままならず。

不様を取り繕うように今にもギギギと音を発てそに首を回しハクへと顔を向ける。


「み 見事にゃり」

白狼への称賛の言葉を盛大に噛んだ。




「お見事でした!エビス様」

大地に大の字で倒れる稀人を囲みハクを筆頭に皆が稀人を絶賛した。


「マレ   マレでいい。」


一度大きく息を吐き出た言葉に何をという表情の狼人の若者五人。

 


「俺の名前 マレ  マレ と 読んで クレ」

 

 マレは立ち上がる。


「手 だせ コッチ 向けろ」


ハク セン マク タン ホウが言われるままに掌を顔の横に出す。


 「俺達 今日 カラ キョウダイ」


       “パチン”

    「HEY BROTHER」


枝葉から木漏れる茜色。誰彼時、ハイタッチで手を打ち合わす音五つ。

マレが「HEY BROTHER」と力強く告げること五度。



 「俺達 キョウダイ トモニ アロウ 約束の言葉 HEY BROTHER 俺の名はマレ」


 やべ 歳かな泣けて、、、 (´;ω;`)


 泣き出すマレ もらい泣きする ハク セン  

 マク タン ホウ。




       「HEY」

      ハクが言った

  センがマクがタンがホウが続いた

       “BROTHER”




     この誓いは永遠

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