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Magicians Dream  作者: ransu521
第二部 新学年
86/139

63,決戦の幕開け

「……え?」


驚きの声は、間違いなく俺だけのものではなかったはずだ。

なぜなら、この教室の中にいる誰かが、今この場で銃を撃つことなんて考えられもしなかったからだ。

余計な真似をしたら、優奈が殺される。

そんな状況下におかれて、一体誰が銃を撃つというのだ?

その銃弾は、俺の頭に振り下ろされようとしていたナイフを弾き、遠くに飛ばす。

その瞬間を、ソイツらは逃さなかった。


「おとなしくしろ!」

「がはっ!」


鳩尾に繰り出される、一撃。

……何をしてるんだ、コイツらは。

まさか、人質がいることを分かっていないで……。


「や、やめろ! そんなことすると、植野の妹が……」


啓介がそう言って、たった今教室に乱入してきた連中に忠告する。

すると、満面の笑みを浮かべた……誰かが入ってきて。


「大丈夫だよ。人質は私達生徒会がちゃんと保護したから♪」

「さ、早乙女!?」


間違いない。

そいつは間違いなく、生徒会会長である、早乙女蜜柑その人であった。

けど、生徒会で保護したって……。


「言葉通りの意味ですよ。僕達が先ほど視聴覚室に向かい、人質を捕えていた数名と格闘、後に人質を救出したまでです」

「視聴覚室の中にいた人達は私達の方で確保しているよ。後はこの教室の中にいる人達全員を捕獲するだけ」

「……余計な真似してくれてんじゃねえか、生徒会の連中よぅ」


早乙女からの報告を聞いていたリーダー格の男が、怒りを全身で表現する。

肩がふるえ、表情は段々と怒りその物を表現するかのようになる。

……怒りを買っちまったみたいだけど、優奈が無事に解放されているとなると、話しは別だ。


「……おい、晴信。あの男をちょっくら倒してくれ。俺の身体に呪縛かけてやがるんだ」

「あ、ああ!」


晴信に俺はそう指示を出す。

すると晴信は、ファイアボールを繰り出し、その男に攻撃する。

攻撃は当たらなかったが、俺にかけられていた魔術の方は、集中力が切れた関係もあるのか、すぐに解除された。


「瞬一、大丈夫!?」

「瞬一君、どこか怪我とかしてませんか?」


葵と春香が、俺を心配するようにそう言ってくる。

それに対して、俺は笑顔で大丈夫と答えた後、真剣な表情で相手を見つめる。

そして、言った。


「さっきはよくもやってくれたよな……ここからは俺達の反撃の時間だ。覚悟しろよ、テメェら」

「……いいだろう。俺達はここで負けるわけにはいかないんだ。ここまで来た以上、もう引き返すことだって出来ない! 後は前に突っ込むだけだ……お前達と生徒会を倒して、俺達の正当性を訴えてやる!! そして校長に復讐を……この学園に復讐を!!」

「……復讐、か」


早乙女は、呟くようにそう言った。

その呟きは、もちろん小さなものであった為に、俺でもなかなか聞きとることが出来なかったが。

何だか寂しさを含んだような、そんな呟きだった。


「……行くぞ。覚悟は出来たよな?」

「もちろん……」

「いつでも構わないぜ?」

「優奈を酷い目に遭わせた分……私の怒りがどんどん蓄積されてるの。今すぐ晴らさせてもらうわよ!!」


大和・晴信・刹那が答える。

他の奴らも、言葉こそないけれど、みんなやる気だ。


「それじゃあ……行くぜ!! 大切な人達を、この学園を守る為にも!!」


そして戦いが、始まった。













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