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Magicians Dream  作者: ransu521
第二部 新学年
54/139

31,発言は考えてからしようぜ

さて、俺達は今部室にやってきている。

もちろん、アイミーも交えてだ。

……不覚にも、先ほどの『学園生活を楽しめ』と言われた発言には、グッときてしまった。

さすがは父親……娘のことを一番に考えているんだなぁ。

一応、今回アイミーが日本に来たのにはちゃんとした目的があるわけだが、その中でも最大限楽しむように言ってくれるとはな……。

仕事だけじゃあ心がもたなくなるってことを、きちんと分かってあげている証拠だろう。


「そんなわけで、アイミーも来たわけだし……何する?」


アイミーが来たからと言って、別に俺達は特別なことをするつもりもない。

だが、とりあえずは何かやらないといけないだろう。


「……瞬一先輩、その人が、三年A組に入ったって言う……」

「ああ。紹介が遅れたな。こちらはA組に転入してきた留学生、アイミーン・グレイブスタンだ」

「よろしくお願いします」


丁寧に、ペコリとお辞儀をするアイミー。

それにつられて、優奈達もお辞儀を返した。

思わず、丁寧過ぎる程に。


「アイミーンさんが……留学生でしたのね」

「ん? 知ってるのか?」


何やら知っているかのように話す千世。

気になった俺は、千世にそう尋ねてみた。

すると、


「ええ。うちのおじい様との関係上、グレイブスタン公国には何回か赴いたことがあるんですの。ここつい最近のお話ですが」

「はい。チヨとは何回かお話もしています」

「へぇ……」


意外なところで接点発見。

これは驚きだな……。


「……私達、王女様とお話してる」

「夢じゃないんですよ……お姉ちゃん」

「お~い、戻ってこ~い」


晴信が、若干トリップしている植野姉妹の顔の前で手を振る。

しかし、反応はなし。

よほど今回の出来事が衝撃的なことだったのだろう。


「な、なんで君が……この部活に……」


そして、この場所にアイミーが来ていることにかなり驚きを見せている、小野田。

よっぽど何も伝えられていなかったのがショックだったのだろう。

……って、よくよく考えてみれば、アイミーと小野田って同じクラスだよな?


「御免なさい……まさかコウヘイが同じ部活だとは思っていませんでしたから」


ああ……納得。

さすがに小野田まで同じ部活に入っているとは、普通は考えが至らないだろう。

何せ、小野田だし。


「お前……今さりげなく俺のことをバカにしてなかったか?」

「いや、別に」


面倒なんで、小野田にこれ以上何かを言うのを遠慮しておこう。

……アイミーを巡って対決しろなんて言われるのもいやだし。


「それじゃあ、アイミーンさんの力を見せてもらう、っていうことでどうですか?」

「お前……初っ端から遠慮なしの発言だな」


優奈の提案に、俺は思わず頭を抱える必要が出てきてしまった。

いきなりそんなこと言われてもなぁ……アイミーだって困っちまうだろうに。


「じ、実力って……もしかして、戦うってことでしょうか?」

「そうだね……何と言ってもうちの部活は、『魔術格闘部』っていうくらいだし」


葵の言うとおりだ。

この部活は、『魔術格闘部』という名前を冠っている。

それだけに、戦闘をしなければならないというのは明らかなる事実なのだ。


「それなら……構いませんよ?」

「え、いいのか?」


まさかOKをもらえるとは思っていなかったので、俺は少々驚いてしまった。


「それなら、相手として私がやってもよろしいですか?」

「え?」


そう言って名乗りを上げたのは、意外にも千世だった。


「うん……いいんじゃないかな?」

「え?」


さらに意外なことに、葵がそのことに賛成したことにも驚きだった。

他の人達も……同様の意見であるらしい。


「お前ら……本当に考えて発言してるんだろうな?」


ちょっと不安になったが、その後の流れからして、どうやらアイミーと千世が戦うのは決定事項となったのだった。

……確かに、アイミーンがどのようにして戦うのかは若干気になるな。

それに、千世の方も気になる。

そんなわけで、俺も一応賛成したのだった。

……あ、小野田は放心状態のままだったので、放っておいた。
















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