表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Magicians Dream  作者: ransu521
第二部 新学年
53/139

30,これからの予定

「……どういうことなんだ? 何でまたいきなりアイミーがこの学校へ?」


放課後。

俺達は部活に行く前に、A組に行ってアイミーを呼び出し、話を聞いていた。

俺達の記憶が確かならば、アイミーはグレイブスタン公国の王女だ。

だから本来ならば国で何かしらの仕事に追われているのを想像してたんだけどな……。


「実は、お父様に言われて、今回この学校に来たのです」

「お父様って言うと……レイブン国王のことだね」

「……はい」


大和が言った通り、アイミーの父親はレイブン・グレイブスタン……れっきとした国王だ。

すなわち、一国を治めている主というわけだ。


「国王がアイミーンさんに言って……この学校に来させた」

「けど、その理由って一体なんなの?」


葵が尋ねる。

……まぁ、確かに俺もそのことに関しては気になっていたので、ちょうどよいタイミングかな。

などと考えてると、


「……実は、お父様が言うには、またグレイブスタン公国が戦争の危機に追い込まれているみたいなのです」

「戦争の危機? それって一体……」

「詳しいことはまだ何も分かっていません。ですが、この国に何かしらの組織が立てられようとしているのは確かのようです。お父様もそう言っておられたのですから」

「新たなる……組織」


『組織』という言葉に反応したのは、大和と大地だ。

……しかし、グレイブスタン公国に戦争を仕掛けて、一体何のメリットがあるというのだろうか?

もし本当にそんなことがあるのだとしたら、何故奴らは狙いをグレイブスタン公国に絞っている?

……まだすべては憶測の段階に過ぎない。

けど、これがもし確信へと変わって行ったときに……出来ることならば手遅れになってないことを祈りたいものだ。


「つまり、今回王女がこの国にやって来た目的というのは……その組織が本当に設立され始めているのかの調査と、もしされているのだとしたら、それを自らの国に報告すること……で、合ってるかな?」

「はい、おおよそそんな感じです」


さすがは大和だ。

こんなにも頭の回転が速いとはな……友人の中にこういう奴が一人いるってのは結構便利だな。

まぁ、変な顔文字(『>^_^<』←こんな感じ)感情表現をしている北条はこの際置いておこう。


「なるほど……国王も多忙だから、次にそれが可能である王女を選んだということか」

「まぁ、それが妥当の判断だろうな」


アイミーなら信用して任せられると、国王はそう判断したんだろう。

信用されてるってこともあって、アイミーは喜んでこの国に来たに違いない。

誰かに信用されるっていうのは、気分がいいことでもあるし……嬉しいことだからな。


「さて、この話もこの辺にして、これから君はどうするんだい?」

「私ですか? ……実は何も考えていないんです」


大和がアイミーに今後の予定を尋ねる。

しかし、アイミーは特に予定とかを考えてはいなかったようだ。


「だったら、私達の部活を見学しに来ない? 可能ならば、入部しちゃっても構わないよ!」

「三年生を勧誘するな……三年生からの部活新規介入は不可能のはずだろ?」

「……そうだったね。だったら見学しに来るだけでも」


どうやら葵はアイミーのことを連れて行きたいようだ。

……そのようなので、一応俺はアイミーに確認をとる。


「というわけで、来てくれるか? 無理なら無理とはっきり言ってもらってもいいから」

「……行きます」

「い、いいのか?」


いくら予定がないとはいえ、こんなことをしている場合でもないだろうに。

そう思った俺は、アイミーにその旨を言おうかと考えたが、


「それに……どうせなら学生生活を楽しんで来いと、お父様に言われましたから」


その言葉を聞いて、俺は言葉を引っ込めたのだった。


















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ