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Magicians Dream  作者: ransu521
第二部 新学年
47/139

24,質問

葵からされた質問は、以下の通りだった。


「まずは瞬一(千世)に聞くよ」

「ああ、いつでもいいぜ」

「私の名前は?」

「細川葵だろ?」

「三矢谷瞬一はどこに住んでいる?」

「男子寮だ」

「弟か妹がいる?」

「弟がいるな」

「自分が頻繁に使ってる魔術は?」

「ライトニングだ」

「よく使う武器は?」

「刀」

「す、好きな人とかは……?」

「今はまだいない……ってか、そんなことも質問にするんかい」


前もって教えていた通りの情報が、葵より尋ねられる。

……うん、今の所は順調だな。


「それじゃあ……私とキスをしたことは?」

「なっ……!? あ、あるわけねぇだろ!」


……ああ、それはないな。

キスなんてしたことは、一度もないはずだ……多分だけど。

春香達は何故かほっとしたような表情を浮かべているけど、葵は『ちっ』なんて舌打ちをしている。

……心なしか、背後から黒いオーラが出ているような気もしなくもない。


「……次は千世(瞬一)ちゃんに聞くよ?」

「ええ、いいですわよ?」


今度は千世(俺)に尋ねてくる葵。

……よし、何でも来いや!!


「まずは貴女のお名前は?」

「石塚千世」

「彼の名前は?」


言いながら、葵は晴信を差し出してくる。

……晴信の名前は言うべきなのか?


「宮澤先輩ですわね」

「……こっちの先輩の名前は?」


今度は啓介を差し出してくる。

これは確か……。


「知りませんわ、そんなビーバーみたいな顔をした人なんて」

「ビーバーみたいな顔は余計だ!!」


啓介が怒っているが、この際気にしない。

気にしてたら話が進まなくなってしまう。


「貴女は誰の孫?」

「この学校の校長である石塚源三郎おじい様の孫ですわ」


千世からの情報によると、校長のことは『おじい様』と呼んでいるらしい。

本人はたびたび『ご主人様と呼んではくれぬか?』なんて変態染みたことを言っているが、その度に制裁を加えているとかいないとか……。


「そうね……次の質問は……」

「ねぇちょっと。もう一つだけ瞬一に質問してもいいかな?」


そこで発現をしたのは、織だった。

……しかし、織が一体、何の質問をする気なんだ?


「ん? 別にいいけど?」


さすがは千世。

自然な会話で何とかフォローしてくれたぜ。


「じゃあ質問するよ……ボクと瞬一君だけの、二人だけの場所ってあったよね?」

「あ? ……ああ」


……二人だけの場所だと?

そんなの、織と一緒に作った覚えなど……まさか!?


「……引っかかったね。ボクと瞬一君は、確かに幼馴染の関係だけど、二人だけの秘密の場所なんて、本当はないんだよ?」

「!?」


……瞬一(千世)が驚いたような表情を浮かべる。

そりゃそうだろ……バレたようなものなんだから。

いや、もうバレたのか?


「……なるほどね。違和感の正体がわかったよ……瞬一君の身体の中に、別の人が入ってるね?」

「「「何ぃ!?」」」


激しく驚く、晴信・啓介・刹那の三人。

……どうやらコイツらは最初から真相を探す気などなかったらしく、答えだけを聞いて驚いているのだろう。

まったく、少しは頭を使えよ……刹那はともかく、晴信と啓介はS組のメンバーだろうが。


「……もう隠す必要もねぇだろ、千世。そろそろネタばらしといこうじゃないか」

「……え?」

「千世ちゃんが……男の人みたいな言葉遣いを……って、まさか……」


今度は葵と春香が、驚いたような表情を浮かべる。

……そんなに千世の身体から男言葉が出るのが驚きなのか?


「そうですの。私と瞬一先輩は……」

「心と心だけ、入れ替わっているということだ」


そして俺達は、とうとうネタばらしをしたのだった。













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