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Magicians Dream  作者: ransu521
第二部 新学年
37/139

14,ある意味の恐怖

なんとか織を宥めた俺は、未だ俺の身体にひっついてくる月夜に困り果てながらも、何とか説明をした。


「……それで瞬一君、月夜ちゃんはどうしちゃったの?」

「さ、さぁな……俺が逆に聞きたいくらいだ」


本当にこの何日間かで何が起きたんだ?

……いや、そんなレベルの問題じゃない。

なんとなくだけど、もはや根本的なキャラすら変わってしまっているような気が……。


「何があったのか尋ねたいんだけど……当の本人がこれじゃあなぁ」


理由を聞いてみたいが、月夜はただいま会話出来るような状態にない。

……面倒だが、どうやらこの件は俺達だけで解決しなければならないようだ。


「……とりあえず、月夜ちゃんに離れてもらわないと……ボクも少し我慢ならないし」

「あ、ああ……」


一瞬織から殺気を感じられたというのは、この際置いておこう。

とりあえず俺は、月夜に離れてもらわない限りには……何も行動を起こすことが出来ない。


「なぁ月夜。そろそろ離れて……」

「……嫌」


即答だった。

あまりにピシャリと言われてしまったものだから、俺に反論の機会を与えてすらくれなかった。

けど、俺はめげない。

これも月夜の為なのだ、仕方がない。


「あのよぉ月夜。俺はちょこっと行かなければならないところがあるんだよ」

「……女の所?」

「ちげぇよ! お前の中での俺の認識は一体どうなってんだよ!?」


何故に俺が女の所に行かなければならんのだ!

……あ、保健の先生って、女の人か。


「とりあえず、俺は織とか葵とかと一緒に保健室行ってくるから……本当なら月夜にも来てほしい所だが」

「……保健室で、何するの?」

「何するのというか、ただ話しを聞きに……」

「……浮気は、許さない」


……へ?

何で殺気がこもったような感じで、月夜はこんなことを言ってくるわけ?

そして、ポケットの中に手を突っ込んだかと思うと、そこから出してきたのは……ポケットナイフ!?


「……浮気は、絶対に許さない。他の女にとられるくらいなら……私の手で、瞬一を、殺す」

「待て待て待て待て!! 何だかものすごく負のオーラしか感じられないから! そして一瞬にして俺の命が握られているような感覚感じてるから!!」

「しゅ、瞬一君……これも、何かが原因なんだよね? これが素の性格だなんてこと、ないよね……?」


織の顔には、恐怖の色がうかがえる。

……そりゃあそうだろうな。

ポケットナイフ持ちながら、ユラユラとこっち迫ってくるんだぜ?

……何このホラー映画?


「た、多分これは何らかの原因があるはずだ……きっとこれが月夜の素の性格だなんてことはないはずだ。何せ月夜は、大人しい奴だからな……」

「……ところで瞬一、横にいる女は、浮気相手……?」

「どういう解釈をしたらそうなるんだよ!! お前も転入したての時に紹介してもらっただろうが!」

「……そうだっけ?」


こいつ、都合のいいことだけは忘れているみたいだ。

……どうする、何か余計なことを言った瞬間、俺の命は完全にお陀仏となってしまうだろう。

つまり、これは発言に気をつけなければならないという……まさしく『M;I』シリーズ顔負けのミッションだと思う。

……ああ、三年生になっていきなりこんなミッションを背負うことになるとはな。


「と、とりあえず……月夜ちゃんも保健室に連れていこうよ。そうすればなんとか分かってくれるはずだから!」

「そ、そうだな!!」


織の言うとおりだ。

これ以上何か言い訳をする前に、本人を一緒に連れて行った方が、話も早いしな……。

その後、俺と織、途中から入ってきた葵達の説得もあって、何とか保健室に連れていくことが出来たのだった。

そして、保健室に連れてって、俺達が先生に言われたことは……。
















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