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Magicians Dream  作者: ransu521
第二部 新学年
34/139

11,お気に入り

「では、私から……行かせてもらいますわよ!!」

「うわっと!」


ギン!

鈍い衝突音が響く。

鉄と鉄がぶつかりあったのだ。

こんな音が響いて当然だろう。


「くっ……!!」


俺は右から攻撃を加える。

だが、石塚はその攻撃を、いとも簡単に弾き返してくれた。

そして、反撃。


「おっと!」


ギリギリのところでその一突きをかわすと、迷わず俺は反撃に出る。

反撃の反撃なんてなかなか出来ないが……左に身体を捻った力をそのまま利用して、回転する。


「無駄です……わよ!!」


ガキン!

刀が……弾き飛ばされて、何処か遠くの方へ飛んで行ってしまった。


「つ、強い……」

「あの瞬一が……押されているなんて……」


遠くから、葵と晴信のそんなやり取りが聞こえてくる。

他の奴らも唖然とした表情で此方を見てくる。

……俺が押されているのって、そこまで珍しいか?


「これで……終わりですわよ!」


石塚が、この攻撃で終わらせようと考えているらしく……一気に心臓部分を突き刺しにかかる。

……けど、甘いな。


「勝負がそう簡単についちまったら……つまらないだろ?」

「もうじき決着がつきます……わよ?」


俺の言葉に耳を貸すことなく、石塚は最後の攻撃をしようとした。

……だが、出来なかった。

何故なら。


「……くっ!」


真上より落ちてくる、一本の刀。

それは紛れもなく……俺の刀であった。

先程飛ばされた時に、あらかじめ転移魔術をかけておいたのだ。

石塚は俺に対する攻撃を止め、すぐさまその刀対処に移る。

その辺りの動きは……流石としか言い様がなかった。


「転移魔術か……やりますわね」


そんなことを呟いているが、俺としては戦うので必死だ。

……この攻撃は避けられるとは思っていたが、こうも簡単に避けられてしまうのもちょっとな……。


「ですが……その程度の魔術では、私を倒すことは出来ませんわよ!!」

「……どんだけ余裕なんだよ、お前は」


まったく、石塚はこんなにも身体を動かしたというのに、息を荒くしていないなんて……。


「それは瞬一君も同じだよ……」


……あれ?

織の言う通り、俺もそんなに息が荒くなってない?

おかしいなぁ……結構身体動かしたような気もしなくもないんだけどなぁ。


「……貴方、気に入りましたわ。ようやっと私と渡り合えるような、そんな人とめぐり合うことが出来ましたのね!!」

「……あの、勝手に話を盛り上げないでくれません?」


勝負の最中だというのに、瞳を輝かせる石塚。

……忙しい奴だな、本当に。


「ただの変態だと思っていましたが、そうではなかったのですね?」

「……変態とは、心外な」


本当の変態は、小野田や晴信のことをさすのだろう。

……俺はそこまで変態じゃあない。


「さて、そろそろ決着をつけましょう……私は最後まで剣で勝負しますわよ?」

「……しゃあねえ。俺も転移魔術しか使わねえよ。コレ以上はフェアプレイに反するからな」

「その心遣い……やはり貴方は本物ですのね?」

「何についての本物かは知らないけどよ……褒められていることに変わりねぇんだろ?」


だとしたら、俺は素直に喜ぶべきだろう。

……そして同時に、この戦いに決着をつける必要もあるわけだ。


「行くぞ、石塚……」

「ええ、行きますわよ……!!」


互いの得物を構え、そして……。


「「ハァッ!!」」


ガキン!!















そして俺と石塚の決着は、ついた。
















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