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Magicians Dream  作者: ransu521
第二部 新学年
33/139

10,力と力のぶつかり合い

……ただいま、俺はものすごく面倒なことに巻き込まれています、はい。

目の前には、一人の少女が立っている。

その少女は……ひどく笑顔を見せていた。

得物であるらしい剣の刃先を俺に見せつけながら、不敵な笑みを浮かべている。

……何だろう、この絶対的な自信は。

コイツのこの自信は、一体どこにあると言うのだろうか。


「瞬一……正直言って、この戦い、負けても構わないぞ?」

「……ありがとよ、晴信」


まさか、晴信に優しくされる日が来ようとは。

……俺は今日というこの日を絶対に忘れないだろう。

ある意味で、印象深い日でもあるからな。


「正直言って……ソイツ、強いぞ」

「さっきのお前との対決を見てりゃあ分かるって。いつも弱いお前がかなり弱く見えたからな」

「余計なお世話だ!!」


小野田にそう言い放つと、俺は石塚と向かい合わせの形となる。

……相手は剣を持っているのに、こちらは手ぶら。

それじゃああまりにもわりに合わないので、


「……ん?」


俺は右手で刀を握ると、それを両手で握り直した。

俺の武器は……この刀だからな。

幾度もの死線を乗り越えてきた刀だから……今回も期待してるぞ。


「へぇ……貴方もそういう武器をご希望ですの?」

「まぁ、今までも刀ばっかり使ってたからな。たまに銃とかも使うが……相手が剣なのに銃を使うのは、あまりフェアじゃねえだろ?」

「へぇ……貴方、なかなかに心遣いが効きますのね?」


何やら嬉しそうに、そんなことを言ってくる。

……まぁ、さっきの小野田に至っては何でもありだったからな。


「けど、刀だけで勝負する気はさらさらねぇからな。必要になったら……魔術だって使用するぞ?」

「分かってますわよ。私もその気でいますから」

「そうかい……なら、遠慮はいらないってことでいいんだな?」


俺は構えをとりながら、石塚にそう尋ねる。

すると、石塚は、


「……ええ、いいですわよ。ただ、貴方が全力で来たところで……私には勝てないと思いますが」

「ほぅ……言ってくれるじゃねえか。後で泣いても知らねぇからな?」

「その言葉……そっくりそのまま貴方にお返しいたしますわ?」


……売り言葉に買い言葉ってな感じで、俺と石塚は会話を繰り返す。

……コイツ、今まで戦ってきた中でも強敵に部類する奴だな。

さすがは校長の孫娘と言うべきだろうか……小野田の戦いを見てきて分かったことだが、単純な剣術だけなら、北条といい勝負になるだろう。

そして、魔術込みなんて言ったら……大和にも匹敵するかもしれない程の実力の持ち主だ。

……後で大和の奴に紹介してみようかねぇ。


「な、何だか……眼がマジだよ?」

「す、少し怖いです……」


遠くの方では、織と春香がそんな会話を繰り広げていた。

……別に怖がる程の眼じゃねえだろうに。

真剣になってるだけなんだからよ。


「……それじゃあ、勝負内容を確認するよ?」


これは一応部活なので、審判として葵がつくことになっていた。

そして、葵がその内容を確認する。


「勝負は制限時間なし・攻撃制限なしの一本勝負。相手を降参させた時点で、その人の勝ちとする……それでいいよね?」

「もち」

「よろしいですわよ。ですから、さっさとお始めなさい」


さすがは石塚……部長であっても容赦はなしか。


「……それじゃあ、勝負」


スッと、葵が右手を挙げる。

……いよいよ始まってしまう。

俺と、コイツの戦いが……。


「はじめ!!」


そして、俺と石塚は、同時に地面を蹴った。
















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