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Magicians Dream  作者: ransu521
第一部 光の器と闇の軍勢
3/139

3,女神様

モテラスさんに連れられたまま、私はとある場所までやってきた。

……そこは、何かの神殿みたいな場所。

まるでRPGの世界にでも紛れ込んだかのような……豪華で、しかし派手過ぎない神殿。

周りには女神をモチーフとした銅像等が建てられてあって、入口の前には、やはり背中に羽根を生やした少女が二人、門番の役目を果たしていた。


「……モテラスです。細川葵さんを連れてきたので……」

「……新たな聖光者だいてんしの候補生ですか?」

「……ええ、そんなところです」

「だいてん、し……?」


また聞きなれない単語が飛んでくる。

聖光者だいてんしって、一体何……?


「さ、行きましょう」

「あ、は、はい……」


門番をしていた少女二人は、私の姿を確認すると、何やら不思議そうな表情を浮かべながら道を空ける。

……なんだか、品定めをされているような気がして、あまり気分がよくない。


「では……いよいよ女神アルカ様と御面会する時です」

「……」


緊張してきた。

この世界を統率している神であり……私に光の器(てんし)の力を授けてくださったお方が、はたしてどれほどの人なのだろうか……。

よほど貫禄がある人なのかもしれない。

『女神』と称されているのだから……女性であることに間違いはないだろう。

神殿の中に入ってからは、一直線の道であった。

中はあまり装飾は施されておらず……外よりは地味な風貌をしていた。

それでも……神が居座るだけあって、私の身体に伝わってくるプレッシャーは……外にいた時よりも全然違うものであった。


「つきましたよ、葵さん」

「あ、はい」


モテラスさんがその場に立ち止まる。

ということは……女神アルカ様がいる場所まで到達したということになるだろう。


「……うわぁ」


そこはとても広い空間。

まるで教会を思わせるような……そんな感じ。

道を挟んで左右に均等の数だけ座席が用意してあり、目の前に十字架が立てかけられている代わりに……大きな椅子が一つ、用意してあった。

その座席は……空白だった。


「あれ……女神アルカ様は留守ですか?」


私は思わずモテラスさんに尋ねる。

するとモテラスさんは、


「いえ、そういうわけではありません」


と言いながら、コツコツと前に歩き出す。

私も遅れないように、その後ろをついていく。

やがて、大きな椅子の目の前くらいまで到達した時、


「……女神アルカ様、細川葵を、無事天上界エンジェルフィールまでお届けいたしました」












―――うむ、ご苦労でした。モテラス、ソナタはもう下がって構いません……引き続き、サマラの方の治安を守るようお願い致します。












「!?」


どこかから声がした。

まったく姿は見えないのに……声だけは聞こえる。

いや、聞こえるじゃない……響いてくるという方が正しい。

耳から脳に伝わるという回路を無視して……直接頭に訴えかけてくる。

そんな感じの……声だった。


「はっ。分かりました」


モテラスさんはそのままその場を去って行ってしまった。

……私はどうすればいいのだろう。

とりあえず、女神アルカ様が到着するのを待っていた方がいいのだろうか……?


『ふむ。そのままだとソナタが困ってしまいますね……それでは、目の前に姿を現すことにしましょう』

「あ、はい。その方が、私としても嬉しいです……」


姿が見えないまま話だけするのは、何だか私としても戸惑いを隠せない。

だから……女神アルカ様のその提案を、私は素直に受け取った。

すると……。


「うわっ!」


カッ! と椅子が光り出す。

思わず私は、目を閉じてしまう。

……すぐにその光は収まり、私はそっと目を開けた。


「……あ」


そこにいたのは……背中に羽根を生やし、金色で長い髪の毛の、瞳の色は吸い込まれるようなスカイブルーで、肌の色は白い……絶世の美女だった。













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