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Magicians Dream  作者: ransu521
第二部 新学年
24/139

1,新学期

新学期となった。

……唐突に始まるけど、本当に新学期になったのだから仕方がないことだ。

春の陽気が、俺の身体を優しく包み込む。

そんな今日は、始業式から一日経った次の日となる。

始業式の日と言えば、クラス分け試験があった日ということになる。

毎度おなじみ四人サバイバルを戦った俺の身体は、少しの疲れと眠気によって完全に支配されていた。

しかもとどめの春の陽気。

こんなにも暖かい日は、授業中に眠ってしまうのが風流ってものだ。


「ったく、何でクラス分け試験の次の日も学校なんてあるのかね」


こんな理不尽な日程配分を考えたのは、はたして誰なのだろうか。

言うまでもない……うちの学校の校長だ。

二年生の時から随分と校長に振りまわされた気がするが、こんなところまで仕組まなくてもいいのに。

というか、少しでいいから俺に休みをくれ……。


「よっ! 瞬一」

「……晴信か。おはよう」

「うわぁ、今日は一段と眠そうだな、おい」


背後からやってきた男子生徒は、俺の友人その1こと宮澤晴信。

黒い瞳に茶色い髪。

背は俺よりも小さいくらいで、首からは親からもらったという十字架のネックレスをぶら下げている。

……ちなみに、俺の名前は三矢谷瞬一。

短くて黒い髪に、晴信と同じ黒い瞳。

そして背は平均的……言ってて少し虚しいが。

とにかく、俺のことを覚えているだろうか?

覚えていなかったとしても……多少無理もないだろう。


「まぁな。昨日の疲れがまだとれてねぇんだよ……にしても、晴信は元気だな」


こんな時、晴信のような奴がいやに羨ましくてしょうがなくなる。

そんな俺の言葉を聞いて、晴信は笑顔で答えた。


「あたぼうよ! 今日はクラス発表の日なんだからよ!!」

「……お前、前は一クラス落ちたじゃねぇか」

「そういうことは言わないの!!」


確か、晴信は二年生の三学期になって、SクラスからAクラスに落ちたはずだ。

……今回もSクラスに入るのは難しいのではないだろうか。

ちなみにSクラスというのはその学年における最高クラスのことで、最低クラスはG。

各学年8クラスあるというのが一般的だ。


「そういう瞬一もいつ落ちるか分からねぇぞ? 落ちた時の悔しさというのを経験しておいた方がいいぜぇ?」

「いや、遠慮しとく。そんなの経験したところで仕方がないからな」


落ちることを経験してどうするというのだろうか。

晴信は……そこから何か学びとれたと言うのか?

さて、そうこうしている内に学校についてしまった。

校門を抜けてすぐのところに、でかい掲示板があって、そこには新しいクラス表が貼られてある。

……一年前は自分の名前がないなんてパニクッてたんだっけ。


「さて、今年はどのクラスに入るのかねっと……」


俺は人で埋め尽くされている掲示板の前に何とか入りこみ、クラスの名簿を見る。

と、その時。


「お? 瞬一、お前の名前を見つけたぞ?」

「……それは何処のクラスだ?」

「Cだな。ちなみに俺はSクラスに上がったぜ!」

「なん……だと」


あり得ない。

俺が晴信より下のクラスになるなんてあり得ない……!!

これは何かの間違いだ!

いや、晴信が見間違えているだけかもしれない……!

そう思った俺は、C組の名簿を見てみた。















『C組 ミヤッタニーシュンイチ』















「……一辺死んでこい、晴信」

「ぷぎゃっ!」


本当に、ただの見間違いだった。

しかも一年前とまったく変わらないことであった。

……唯一変わったことがあるとすれば、『一』が『イチ』になってたことくらいだろうか。

……アホくさ。

ちなみに、この後俺が掲示板を見てみたら、俺の名前はS組の中に入っていた。
















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