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Magicians Dream  作者: ransu521
第一部 光の器と闇の軍勢
19/139

19,覚醒

カァッ!

突如光りだす、私の身体。


「な、突然、光出して……」

「……聖なる光よ。彼の者の闇を消し去れ!!」


右手を突き出し、呪文を詠唱する。

すると、目の前に魔法陣が出現して、そして……。


「ぐはっ! ……油断した。まさかこの期に及んで力を発揮させるなんてな……」

「……で、出来た」


今まで出来なかったのに。

今この時になって……ついに完成した。

これが、光の魔術……光の器(てんし)の力。


「……迅君、ここからは、私も反撃します」

「……いいじゃねえか。こんなタイミングで本領発揮ってところかよ。まったく、遅すぎる本領発揮だぜ……」


楽しそうな笑みを浮かべながら、迅君がそう言う。

そして、


「その意気だ。その意気だぜ寺内! さぁ今宵は長い。この漆黒の舞台の上で……踊ろうぜ!!」


さも楽しそうに、迅君が言う。

……迅君にとっては、殺し合いすらも楽しいのだろうか。

私は殺し合いなんて本当はしたくない。

……けれど、迅君と今からやることは、殺し合いなんかじゃない。

どちらかが勝って、どちらかが負ける……いわば格闘ゲームみたいなもの。

そこに、敗者は生まれても、死者は生まれない。

互いにどこまで加減をすればよいかわかっている……けれど、全力で挑む。

そんな、最高の舞台なのだ。


「はい……踊りましょう! 今夜は私達を照らすのにちょうどいい月の光(スポットライト)もあります。ですから……私達は踊り子なんですから!」

「いいぜいいぜ! ノッテきたぜ! こんな日が来るとは俺も思っても見なかったことだけどよ……あの日と同じように、この舞台で華麗に踊ろうぜ!」

「はい! あの日と同じように……今宵は本当に、楽しい舞台です!」


そして私達は踊り始める。

私達にとってはこれが最後。

これが……最後の殺し合い(ラストワルツ)















Side葵


「くっ!」


駄目だ。

相手が多すぎる。

あの後作戦実行のために、精霊山にやってきた私達だったけど……今私は敵に囲まれていた。

数が多い。

これだけの数を相手にしなければならないなんて……なんて大変なことなのだろう。


「数が多いな……これじゃあキリがない」

「そうだね……きゃっ!」


私は背中合わせの状態で、同じ部隊の男の人と話していた。

すると、横から黒い玉が飛んできて、慌ててそれをしゃがんで避けた。


「……危ない危ない。って、え?」


慌ててよけたかと思うと……いつの間にか目の前まで敵が迫ってきていた。


「うわっ!」


その敵は、私に剣を突き刺そうとしてきた。

なので、背後にいる男の人にも言って、それぞれ別の方向に逃げる。

そうしたことで……今まで保たれてきた平衡が、脆くも崩れ去ったのだった。


「くっ! ここは一旦退くぞ! ……がはぁっ!」

「!?」


逃げようとしたところを、敵の銃弾が襲う。


「くぅ……せめて光の力が使えればいいのに」

「ご、ごめん……私が力を使えないばっかりに」

「いいや、いいんだ。俺の力が及ばないというのもあるし……第一、来たばっかりの奴に光の力を使えったって無理な話しだしな……誰の責任でもないさ」


……本当は、分かってる。

こんな状態に陥ったのだって、私の責任だってことを。

……私が何もできないばっかりに、こんな状況を作ったりして。

結局私は、誰も守ることができないのか。

このまま……私は帰れずに、倒れるのか。


「……そんなわけには、いかない」


ここで倒れたら、瞬一と会えなくなる。

そんなの……絶対に嫌だ。

そんな人生、真っ平ごめんだ!!


「私は……勝つ。勝って、元の世界に帰るんだ!!」

「!? ……こ、これは!?」


叫んだ瞬間。

私の身体を、謎の光が包み始めた。

















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