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Magicians Dream  作者: ransu521
第一部 光の器と闇の軍勢
14/139

14,タイムリミット

鍛錬をすること、およそ数時間。


「ハァハァ……出来ない」

「ハァハァ……これ以上は、無理、です……」


結局、私達は光の力をうまくコントロールすることが出来なかった。

それはおろか、引き出し方すら理解出来なかった。


「全然駄目です……使い方も分からないんじゃ、コントロールのしようがないです……」

「本当に、光の力ってどうやって使うんだろう……」


思わず座り込んでしまう私達。

けど、これだけやっても使い方が分からないんだもの。

先は随分と長くなりそうだ。


「……ハァ。このままじゃ私、元の世界に帰れないよ……」

「が、頑張りましょうよ! きっと私達でも出来ますって!」

「……うん。私達にはその力が身体の奥底に眠ってるんだもん。出来ないわけがないんだよ……けど、方法も教えてもらってないのに、一体どうやって力を引き出せって言うんだろう……?」


せめて教えてくれるような人が身近にいればよかったんだけど……。

アルカ様に聞くのが一番早いんだろうけど、多分アルカ様は教えてはくれないだろう。

それも試練ということで……アルカ様は一切関わってくれないと思う。


「困りました……どうすればいいんでしょう?」

「う~ん……誰か身近の人で聞ける人がいればいいんだけど……」


悩む。

今の私達に出来るのは、それしかないのだから……とりあえず、この後どうするべきかを悩む。

だが、時間はそう待ってはくれない。

どんどん時間だけが流れていく。


「……駄目だ。何も思いつかないよ」

「……今日はとりあえず戻りましょう。そして仕切り直しです」

「そうだね。それが一番だと思うよ」


私達は一旦塔に戻って、ゆっくり休んでからまた明日訓練をしてみることにした。















Side由雪


「さて、攻め込む日時の確認は結構か?」

「……ああ、別に問題はねぇぞ」

「相変わらずだな由雪……その返事はどうにかならないのか?」

「別に」


ったく、面倒くさい。

何が攻め込む日時だよ。

やるならとっととやる、やらないならとっとと引き上げるとかしてくんないと……この世界の光に当てられてどうにかなっちまいそうだ。

それに、この世界にも夜は一応あるが……ここの夜は駄目だ。

光が混じった闇なんて、もはや闇なんかじゃない。

薄らと、夜の中に光を感じるのは……とてもじゃないが気分がいいものではない。

ここの夜は、月があまりにも綺麗過ぎる。

その光を抑えることを知らないのかよ……まったく。


「お前は別働隊として……というか個人的に行動してもらう。お前の力は強大だからな……個人で動いてもらった方が効率がよいだろう。他の者を連れてけば、そいつが足手まといになるからな」

「……助かるな、そっちの方が。俺は今更、お前らと仲良くやる気はねぇからな」

「……作戦実行は翌日の深夜だ。それまで各自身体を休めるように」


いくら堕落世界ダークサイドに堕ちた奴らとはいえ、元は人間。

つまり、俺が嫌いな奴らばかりということになる。

他人は……他人が近づくことを俺は好まない。

今が一番いいのだ……俺にとっては、こちらの方が心地がいいのだ。

けど……ひとつ心残りがあるとすれば。


「……寺内」


寺内がいるこの世界を奇襲しなければならないということだ。

俺にとって寺内は……あれ、一体何なんだ?

唯一の拠り所? ……違うな。

俺には拠り所なんて必要ないからな……そうじゃないのか。

けど、何故なんだ?

普段の俺なら、誰が死のうが生きようが関係ないというのに。

どうして……どうして……。















寺内の時だけは、生きていて欲しいと感じるのだろうか?

















そして時は静かに動き出す。

世界と世界の存続をかけた、大きな戦いが、始まる。
















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