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Magicians Dream  作者: ransu521
第三部 アンジック・ウイルス
137/139

28,満身創痍

「そんな攻撃……私には効かないよ!」


飛んできた鎌を、葵は作りだした光の剣を使ってはじき返す。

……だが、はじき返した瞬間。


「!?」

「鎌が……粒子になった?」


呟く瞬一の声が響く。

鎌は葵がはじき返したと同時に、黒い粒となったのだ。

その黒い粒は何個か合わさり、やがて数個の黒い弾が誕生した。


「鎌など所詮はこの攻撃の為の布石にしかすぎぬ。これだけだと本当に思うたか?」

「……」


葵は何も言わない。

その間にも、黒い弾はどんどん数を増していく。


「喰らえ……ヘルズボール!!」


瞬間。

その黒い弾は、葵目掛けて……いや、葵達を目掛けて飛んできた。


「こっちにも飛んでくるぞ!!」

「各自で何とかして!!」


大和の叫び声が聞こえてくる。

その指示に従って、瞬一達も、自分達の方向に飛んできた黒い弾をなんとかそれぞれで対処する。

一方葵も、光の壁を作りそれらを回避していた。


「ほう……我の攻撃をかわすか」

「今度はこっちの番だよ……いつまでも防戦一方だけだと、私が光の器(てんし)の力を解放した意味がなくなってしまうからね!!」


残り時間は後2分。

それまでに葵は決着をつけなくてはならないのだった。


「一気に決着をつけないと……!!」


葵は一気に相手との距離を詰める。

そして、剣を思い切り振りかぶり、


「喰らえ!!」


横から、一閃。

しかし相手も剣を出してきて、その攻撃は防がれた。


「はっ!」


今度は距離を離して、剣を……投げた。


「む? 武器を放棄するとでも言うのか?」


勝弘はその剣を弾き飛ばす。

だが……攻撃はそれだけでは終わらなかった。


「なっ!?」

「……今のはフェイク。こっちが本命!!」


ダァン!

葵は……いつの間にか創り出していた銃を使い、勝弘の腕を撃った。

撃たれた勝弘の腕からは、血が吹き出る。


「ちっ……」

「形勢逆転……だね!!」


ダァン!

二発目の銃声が響く。

今度は足を狙っての銃弾だ。

しかしその攻撃は、何とか復帰した勝弘にかわされてしまう。


「かわされたか……」

「ほら、どこを見ている?

「!?」


よそ見をしていた瞬間に、背後から勝弘の奇襲を受けてしまう。

背中から剣で斬られ……葵は背中に走る痛みを感じざる負えなかった。


「くっ……けど、このまま倒れるわけにはいかない……!!」


痛みに耐え、葵は勝弘を見据える。

満身創痍……今の葵を一言で表現するなら、恐らく一番正しい言葉だろう。

血塗られた天使は、もはや輝きを失いつつあった。

満身創痍は、勝弘にも当てはまる言葉でもあった。

つまり、互いに残された時間もあまりないということだ。


「どうやら次の攻撃で最後となりそうだな」

「……そうみたいだね」


二人は、自分の限界を知っていた。

だからこそ告げる……次の攻撃で最後なのだと。


「……いくよ」

「ああ……こちらからもいかせてもらおう―――!!」


合図などなかった。

しかし二人は同時に動いた。

互いの心臓目掛けて、自らの剣に込められる最大限の魔力を注ぎ込み、そして……。



















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