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Magicians Dream  作者: ransu521
第三部 アンジック・ウイルス
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20,きっかけ

「お前達が……お前達が今回の事件の首謀者ってわけか?」

「そういうことになるな……そしてリーダーの命令で、お前達を消去することとになった。感謝するんだな。俺達のリーダーは、お前達のことを敵として認識してくれたんだぜ?」

「何……?」


男達が、不敵な笑みを浮かべながら、瞬一達に対してそう宣言する。

瞬一達は、四方から近寄ってくる男達に対して、警戒心を見せていた。

そんな時、瞬一の携帯がなる。


「どうした? こんな時に……!!」

「……いいだろう。電話に出る余裕くらいは与えてやるよ。同じ条件じゃないと、戦ってもつまらないだろう?」

「……ちっ。余裕かましてられるのも今のうちだけだぞ……」


言葉ではそう言っておきながら、内心助かったと考えていた。

なので瞬一は安心して電話に出ることが出来た。


「もしもし?」

『もしもし瞬一君? 私だよ!』

「早乙女か? どうした!」


電話の相手は蜜柑だった。

その蜜柑の声も、どこか慌てている様子であった。


『相手の情報を掴もうと東京都内を歩いてたんだけど……周りを敵に囲まれちゃった! こっちに人を回せる?』

「そっちもか……悪い、こっちもはさまれてる。四人にだ」

『え!? ……分かった。こっちは私達だけで何とか対処する。敵の情報についてはまだ三馬君からの連絡がないから、何もつかめてないけど……他に分かったことがあったら、連絡するから!』

「あいよ!」


電話はそれで終わった。

そして同時に、男達は笑いながら言う。


「遺言は済んだか?」

「なぁ、もうこっちは暴れたいところなんだけど……構わないか?」


男達は、早く戦いたくてうずうずしているらしい。

そんな男達に対して、瞬一が貶すように言った。


「へっ……まるで言うことも聞けない駄犬みたいだな、お前達」

「そんな世迷言を言ってられるのも今のうちだけだぞ? ……三矢谷瞬一。かつてクリエイターを追い詰めた男よ」


一瞬、瞬一の顔がゆがんだ気がするが、構わず瞬一は話を続けた。


「倒したのは俺じゃない……クリエイターもスクリプターも、確かに俺達の前に現れて戦ったが、いずれにしろ止めを刺したのは俺じゃない。スクリプターに至っては、倒した奴まで死んでしまっているという始末だ」

「知ってる……クリエイターを倒したのは『組織』の連中で、スクリプターを倒したのは……悪魔と契約した、由雪迅だってこともな」

「じ、迅君を知ってるの!?」


これには葵達も驚かないわけにはいかなかった。

知るはずのない人物の名前を出されて、驚かないわけがないだろう。

だが、男達は由雪迅のことを知っていた。

それどころか、かなりの接点があるのだった。


「俺達と由雪は……かつては戦ったこともある者同士だからな。互いの信念をぶつけ合って……こちらも被害が出たっけな」

「た、戦ったことがあるだと!?」

「……奴のことならお前達以上に知っている自信はあるな。奴がどういった理由で戦っていたのかも、な」

「……」


これには瞬一達は何も言えなくなってしまっていた。

なぜなら……彼らは何故由雪が悪魔の力を手にしたのかといったような、理由を知らなかったからだ。

ただ一人……葵だけはその真実を知っていた。


「……昔、由雪君は友人を失った。かつて私の身にも起きた……光の器(てんし)の力の暴走のせいで」

「!?」


その言葉に驚いたのは……瞬一の方だった。
















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