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Magicians Dream  作者: ransu521
第三部 アンジック・ウイルス
123/139

14,生徒会室での交渉

「……開けるよ?」


大和が全員に確認を取る。

瞬一達は、反対意見など持ち合わせているはずもなく、首を縦に頷かせる。

それを認めると、トントンとノックをし、


「失礼します」


大和が扉を開き中に入ると、瞬一達も続いて生徒会室に入る。

中には、生徒会のメンバーが全員揃って会議をしている所だった。


「どうしたの? 今はまだ会議中なんだけど……」


蜜柑が笑顔でそう言うが、構わず晴信が蜜柑に近付いていく。

そして、


「調べて欲しい事件があるんだ! というか、協力して欲しいことがある!」


ダン!

机を勢いよく叩き、晴信は蜜柑達生徒会メンバーに訴えた。


「……えっと、とりあえず落ち着こうか?」


何のことやらさっぱり理解出来ていない蜜柑が、晴信に優しくそう告げる。

そんな蜜柑に、瞬一が更に言葉を繋げた。


「……最近起こった科学製品工場襲撃事件のことは覚えているか?」

「ああ。それなら覚えています。確か日本全国の科学製品工場が何者かに襲われた事件ですよね?」


メガネをかけた少年―――三馬光利が答える。

蜜柑も、光利の言葉を聞いてようやっと思い出したようだ。


「けどよ、それがどうしたんだよ? 別に俺達と何の関係もないだろ?」


重沼将太が、そのことに関して否定をする。

だが、今度は大和が言葉を繋げる。


「その後で起きた、校長先生が倒れるという事態と、更には僕達のクラスの春香が突然倒れてしまったこと……しかもこの二人には、とある共通点があった」

「共通点? それって何?」


蜜柑が気になる様子で、尋ねてくる。

今度は葵が答えた。


「それはね……二人ともアンジック病の患者だってことだよ」

「「「!?」」」


三人とも、驚いたような声をあげる。

アンジック病と聞くだけで……事態がどれほど重いものなのかが理解出来るからだ。


「アンジック病って……かかった奴は魔力を消費して魔術を使用したとしても、本来なら戻ってくるはずの魔力が戻らず、魔力がなくなってしまったら、やがて生命力の方にまで影響が及ぶという、あの病気ですか?」

「その通りだ……二人ともその影響で倒れたんだ。だがここで気になることがある」


メガネをクイッと上げながら答える光利に対して、大地が更に続きがあることを告げる。

そんな大地の言葉を引き継ぐように、真理亜が言った。


「校長先生は前に一度アンジック病にかかったことがあって、しかもその時治療薬と称された何かを飲んで、治ったかのように思われていた……」

「……だけど実際にはそうじゃなかった。病気は再発し、倒れてしまった」


月夜が更に言葉を繋げた。

蜜柑は、二人の言葉に疑問を持つ。


「あれ? アンジック病って治療薬は存在しなかったはずじゃあ……」

「前に保険室の先生として所属していた吉沢茜は、その病気に関して何かを知っている様子だった。だから治療薬みたいなものを開発することが出来たんだろう」


さすがに吉沢茜が前の事件の首謀者でしたとは言えず、その部分は隠して瞬一は言う。

言った後で、更にこう繋げた。


「……これらの事件は、それぞれが繋がっているようにも思えるんだ。決して偶然なんかじゃないって俺達は思ってる。だから……生徒会の力を貸してくれないか?」

「……うん、いいよ」


蜜柑は、瞬一達のお願いを、聞き入れた。
















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