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Magicians Dream  作者: ransu521
第二部 新学年
109/139

86,その後

次の日。

あの幽霊騒動がまるで夢の中での出来事であったかのように、俺達ははしゃいでいた。

……練習をとりあえず午前で終了させ、午後から海で泳ぐという計画にしたおかげでもあるのだが。


「いっやっほ~う!!」

「テンション高いな、おい!」


昨日とは打って変わって、小野田のテンションが最高潮にまで達している。

コイツ……幽霊騒動の時はもの凄く身体をガタガタ震わせていた癖に、こんな時に元気になりやがって……。


「にしても、まさか本当に幽霊が現れるとは思ってなかったな……どんな奴だったんだ? 瞬一」

「ん? 聞きたいのか?」

「ちょっと興味があってな」


晴信なら分からなくもないが……。

とりあえず俺は昨日の幽霊について話してみる。

実は優しい奴だったこととか。

死ぬ時まで一人きりであったとか。

誰か人を求めていたこと……とか。


「そうか……そいつは孤独だったんだな」

「みたいだな……けど、俺と空の目の前で成仏しちまったから、多分もう会えないと思うけどな」

「……少し悲しいような、成仏されて嬉しいような」


なんとも複雑な気分なんだよな……。

これで使用人達がもう幽霊に悩まされずに済むんだという安心感と、あのままあの幽霊を成仏させて本当によかったのだろうかという疑問が俺の頭の中を渦巻いているんだよな。


「多分これでよかったんだと思います」

「空……?」


その時。

白いワンピース型の水着を着た空が、俺のところに歩み寄ってくる。

……うん、やっぱりこうしてみると可愛いな。

けど、俺的にはビキニの方が……って、何考えてるんだ俺は!?


「あの人はきっと、救われたと思います……昨日まではあのまま成仏させて本当によかったのか悩んでいましたが、最後に私達に言ってくれた言葉を思い出して、それは違うと思いました」

「……『ありがとう』か?」

「はい」


最後に俺と空は、『ありがとう』といわれた。

つまり、感謝されたのだ。

たった五分足らずの会話だっただろうけど、まさかここまで感謝されるとは思っていなかった。

しかも最初は倒す気でいたわけだし……まぁライトニングが当たらない時点でもう俺達に勝ち目はなかったけども。


「……まぁ、そうだよな。本人が満足してるんだ。きっとこれでよかったんだよな」

「……はい。私はそう思います」

「ん、俺もだ」


笑顔で答える空に、俺も笑顔で答える。

すると、空は少し顔を赤くして、


「お、お姉ちゃん達のところに行ってますね! ……///」


恥ずかしいのを隠すかのように、空は慌てて葵達のところへと向かう。


「……さすがはフラグ王。今日も元気に回収中ですか?」

「……沖縄の海に沈するぞゴラ」

「さーせん」


謝る気0の謝罪の言葉を聞いて、俺は一応許してやることにする。

……まぁ、事件を一つ解決したことで俺も気分がいい。

今回ばかりは何もしないで許してやるとするか。


「さて……俺達も参戦しますかね!」

「だな……」


そろそろ休憩と話は終わりだ。

俺達も……葵達と一緒にはしゃぎますか!!


「瞬一~! 早くこっち来なよ!!」

「晴信先輩~!! 早く来なさい!!」

「「……行くか!」」


葵と刹那に呼ばれて、俺達は海のなかではしゃいでいる葵達のところへと向かう。

……太陽の日差しが眩しい中、今日も元気に頑張りますか!!












第二部、完。













こんにちは、rannsu521です。

というわけで、次回から第三部『サイバーテロ』編に参りたいと思います。

この第三部にて、『Magicians Dream』は終わります。

……恐らく50話以上は続くと思いますが。

それでは今回はこの辺で。

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