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Magicians Dream  作者: ransu521
第二部 新学年
107/139

84,出現

Side晴信


「異常なしだったけども……他のところは?」


帰ってきた俺達は、とりあえずみんなにそう尋ねてみる。

……全員いるらしいからOKってことか?


「……私達の方は異常なかったよ」

「僕達も異常なしだよ……小野田君の方は……放心状態みたいだね」


小野田はもはや動けなくなってしまっていた。

それほどまで怖かったか……夜の別荘内は。


「それじゃあこれで別荘内探索は終了ってか?」

「……ちょっと待ってください。シュンイチ達がまだ帰ってきてません」

「え?」


アイミーンからのそんな言葉。

瞬一と空ちゃんが帰ってきていないだと?

……一応メンバー確認をする。

アイミーン・啓介・小野田・葵・優菜・刹那・織・春香・俺・月夜・千世・その他使用人の皆様方。

……使用人達を抜いて、この場にいるのは11人。

やはり2人足りない……まさしく瞬一と空ちゃんが足りない。


「瞬一と空……まさか幽霊に!?」

「秀実、無線機を貸しなさい!」

「はっ、お嬢様」


千世が使用人の一人から無線機を奪うと、それに向かって大声で怒鳴った。


「二人とも、聞こえる! 聞こえたら返事をしなさい!」

「……どうなの?」


月夜が千世に向かってそう尋ねる。

千世は無線機から離れて、首を振りながら、


「ダメですわ……ノイズの音しか聞こえてきませんし、返事もありません。恐らく二人に持たせた無線機は壊れてしまっていますわね」


おいおい……それってまさか。


「幽霊の仕業……なんてことじゃねえよな?!」

「「「「「「!?」」」」」」


女子組全員が驚く姿が目に映る。

……小野田はあまりのショックに気絶してしまった程だ。

ていうか男のお前がまっさきに気絶するなよ。


「そんな……それじゃあ瞬一君と空ちゃんは、幽霊にやられてしまったってこと!?」

「落ち着け織! 瞬一がそんな簡単にやられるわけがないだろ!!」


そうだ。

空ちゃんも瞬一も……そう簡単にやられるわけがない。

アイツらだってきちんと魔術を扱うことが出来るんだ……瞬一程ではないが、空ちゃんだってある程度の魔術なら扱えるはず。

何せ葵の妹だぞ?

ある程度の才能があったっておかしくないはずだ!


「とにかく、今は二階に行ってみますわよ! 全員で瞬一達を探しますわよ!」

「「「「「「「「「はい!(ああ!!)(ええ!!)」」」」」」」」」


俺達は瞬一達を探す為に行動を開始した。

……無事でいてくれよ、瞬一・空ちゃん。















「……お前、まさか」

『……』


無言で立つ、謎の男。

ただならぬ気配……尋常じゃない程の寒気。

コイツは、まさか……。


「ゆう、れい?」

「……かもしれないな」


空の呟きに、俺は答える。

コイツがこの屋敷に住む幽霊……数年前に殺されたという、幽霊なのか?


『こんな部屋に来客が来るなんて久しぶりだな……なんだい? 君も犠牲者になりたいのかい?』

「犠牲者……? それって一体どういうことだ?」

『俺はこの部屋で殺されたんだよ。とある事件の影響でね』

「知ってる……この別荘を買い取った奴から話しは聞いてるからな」

『おやおやそうだったか……だったら話しは早い』


ユラユラと、その男は俺達に近づく。

無意識の内に、俺は空を後ろに隠す……空には絶対に被害を出させやしない。

男の身体は若干透けていて、後ろにあるものとかがよく見える。

……それがこの男が幽霊であることを余計に強調させた。


『ここで君達には死んでもらうよ……!!』

「!? 来る!!」


そして、幽霊との前代未聞の戦いが、今始まったのであった。
















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