登場人物紹介
◆ マユラ・グルクリム(マユラ・レイクフィア)
20歳 ミルクティー色のふわふわな髪 光の加減で赤く見える鳶色の瞳
高名な魔導師の家系レイクフィア家に生まれた魔力なし。
爵位や金と交換にオルソン・アルティナ公爵に嫁いだが、嫁いだその日の夜にオルソンが義妹のリンカと浮気をしているところを目撃する。
妻扱いはされず、ぼろぼろだったアルティナ家の家計と領地であるヴェロニカの街を立て直して四年。
リンカが身籠ったためにオルソンから離縁を言い渡されて、一人で自由に暮らすために王都に向かう。
どうやら錬金術の才能があるらしい。
触れたものの魔素の量がわかる。魔物の声を聞くことができる。魂の記憶を見ることができる。
◆ アルゼイラ・グルクリム(師匠)
528歳 猫のぬいぐるみ 角のはえた青年、黒髪 金の目
マユラの借りた家、呪いの屋敷の錬金釜の中に潜んでいた、呪殺屋敷妖精のようなもの。
528年前に人の体から魂を猫のぬいぐるみにうつした。
今まで屋敷に訪れた者を呪殺していたが、十年程前に錬金釜のある研究室の扉に聖なる封印の護符がはられて閉じ込められる。
あまりにも人死にが重なるために、かつて屋敷にいた高名な魔導師の呪いかもしれないと考えられて、お祓いが行われたからである。
四年前、アンナと夫が住み始め、アンナが部屋の封印をといて自分の夫を殺すようにアルゼイラにお願いをした。
マユラが来た時も呪殺しようとしていたが、マユラがあまりにも魔導師としてぽんこつだったために、彼女の師匠になることにした。
全盛期時代は、錬金術にも魔導にも精通していた。選択的独身を貫いている。恋愛は苦手。
家の中では自由に動ける。呪殺魔法も使える。
だが外に出ると多少動けるものの、ただのしゃべるねこのぬいぐるみである。
◆ オルソン・アルティナ
三大公爵家のひとつ、アルティナ家の公爵。
金目当てでマユラを娶った。義妹を溺愛している。義妹が身籠ったためにマユラに離縁を告げる。
◆ リンカ・アルティナ
オルソンの義妹であり、妻。オルソンの子を身籠ったあと、マユラを追い出したと思ったら、襲来したユリシーズによって腹の子に呪いをかけられる。
◆ レオナード・グレイス
24歳 金色の髪 空色の瞳
三大公爵家のひとつ、グレイス家の長男。だが、婚外子。
レオナードと亡くなった父、そして義母以外はそれを知らない。弟に家督を譲るために仕官し騎士団に入り、ルクスソラ―ジュ王国騎士団の騎士団長となる。二十一歳の時にトラブルに巻き込まれてしまい騎士団を除隊、以後は傭兵ギルドに所属して働いている。
方向音痴。人の顔の区別がつかない。動物も大雑把に認識している。身体能力が高い。魔法は使えない。
◇大山犬の『イヌ』が傭兵ギルドから支給されている。イヌのほうがよほど道がわかっている。
◇グレイス家は弟のナルシェルが継いでいる。
◆ ユリシーズ・レイクフィア
25歳 銀の髪、青い瞳
レイクフィア家の長男でマユラの兄。王国最強の魔導師で、天才と呼ばれている。
オルソンの口利きで、レイクフィア家は男爵位を手に入れた。ユリシーズはレイクフィア男爵であるが、爵位などくだらないと本人は考えている。
魔力のほとんどないマユラが強く生きることができるようにというレイクフィアの父の方針で、マユラにつらくあたっていたが、シスコン。
マユラが自立した今はもう、シスコンを隠さなくていいと考えている。むしろ結婚したいと望んでいる。
お化けやグロテスクなものが嫌い。絵心がない。
◆ アンナ・リディング
夫と浮気相手に殺されて、未練が残っているために成仏できなかった幽霊。
マユラの世話を焼くのが生きてはいないけど生きがい。マユラがいないときは店番もしている。
◆ ルージュ
レオナードが助けた極楽鳥の小鳥。錬金術店の店番をしている。
◆わだつみの祝福亭
グウェル:元ルクスソラ―ジュ騎士団所属、レオナードの上司だった。腕に魚のマークの紋様を入れている。
エナ:わだつみの祝福亭の女店主。グウェルに料理を任せて、最近は菓子作りに嵌っている。
ニーナ:グウェルとエナの娘。よく店の手伝いをしている
◆べルグラン傭兵ギルド
ベルグラン:傭兵ギルド長。レオナードの上司。
マユラと専属契約を結んだ。頬に傷。獅子のたてがみのような黒髪。
レックス:精悍な顔立ちの筋肉質な男。レオナードの同僚。
アルマ:銀の髪で物腰が柔らかい男。レオナードの同僚。