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苦渋500パーセント  作者: なかの世界観
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6月4日

6月4日

 こんなに書いてたのに別人だったのかな。すげー疲れた。いや一か月くらい意識トンで他のかもな、書き忘れても誰もどうしたのって教えてくれないから書けなかったよ。

 元カノがピンサロ嬢どころかもっと先までやってるんだって。それで鬼ほど病んで死にたくなってたよ。だからあんな別れ方したんだね。きっと君からしたらどうでもよかったんだよ。ホストの方がいいんだよね。川崎行ったんだよ。それを確かめたくて、そしたら初めて入るお風呂屋さんのパネルによく見覚えのある顔があった。めっちゃブスで、貧乳で、ぽっちゃりで。あーなんでいるんだよって。あいつのこと忘れたくて今の彼女と付き合い始めたのにこんな感じだったら忘れられない。

 「どうしますか?今の時間なら16000円ぽっきりでいいですよ」「○○ちゃん、テクニックあるんですよ」うるせーわ、なんで俺の好きだった人がそんな値段で売られてんだよ。おかしいだろ。テクニックあるってなんだよ。研修でおっさんやったんか。きもい。みんな死ね、。

 「あ、えっと今の手持ちが15000円で1000円足りないのでおろして来てもいいですか?」俺は葛藤した。一応多めに5000円おろした。いくか?いや確かめたからいいだろ。体感で2時間たっただろうか、実際には5分もたっていなかった。携帯の充電は既に切れて道もわからなく、店の前を避けてなんとなくで帰った。

 「全然つかないぞ。」

 見知らぬ川崎の町で僕は完全に迷子になった。最後の煙草を吸って諦めかけていた時、目の前に浮浪者のようなワンカップを持った老爺がいた。まるで将来の自分みたいだなって思って、ふと声をかけた。

 「あ、あの川崎駅はどっちですか?」

 「若造よ、こっちをまっすぐ進めばつく」え、まじで若造とかいう人いるの?という衝撃よりも安ど感の方が強かった。この違和感に気づいたのは家について今日の一日を反芻している時だった。

 正直知らない浮浪者のような老爺の言葉など普通ならば信じられないが、この時の俺はスマホの充電もないし、何よりも気が動転していたから彼の言葉には信じるしかなかった。いや自分を感じたからこそ簡単に信じられたのかもしれない。

 


誰も何も言ってくれないから不貞腐れて腐っちゃったよ。

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