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第一王子の肩書を持つ僕の朝はとても早い

6時になるとメイドが僕を起こしにきて身支度をし、7時から食堂で家族みんなで朝食を食べる




「わあ!今日はガレッドだあ!」



そう目を輝かせながら言ったのは2つ年下の第二王子のファルトレク、僕の可愛い弟だ

容姿は僕にとても似ていて金髪にエメラルドの瞳をしている

ただファルは目が真ん丸で、直毛の僕とは違って髪の毛がくるくるの天然パーマだ



「お行儀が悪いですよ、ファル」



お母様はとても美人でふんわりとした雰囲気をしているけれどやはり王妃という国を背負う立場にいるからなのかとても厳しい

 


「お母様、ファルおはようございます!お父様はまだですか?」



「おはようみんな、待たせたね。さぁ朝食の時間だ」



そう言いながら最後に入ってきたのは国王陛下だ

銀髪にエメラルドの瞳、確か35歳を越えていたはずだがそれを感じさせないきれいな顔立ち


僕とファルはきっとイケメンになるんだろうな



「ところでルド、昨日はドレッド公爵のお嬢さんと顔合わせだろう?」



「あ、はい!次は王宮のバラ園を見に行く約束をしました」



「あぁ、相性は悪くなかったんだね。じゃあこのまま話を進めようか」



「そうですわね。家柄も問題ないですし、他の高位貴族とのパワーバランスを考えてもドレッド公爵との婚姻が一番いいですからね」



「…お父様、お母様、このまま進めるっていうのは?」



「婚約の話ですよ、婚約者候補の顔合わせだと言ったでしょう?」



そうか!そうだ!コンヤクシャ!

馴染がなさすぎてちゃんと理解していなかったけど、婚約者を決めるためのお茶会だった



いや、でも、昨日のキャスリーン嬢とは話が盛り上がらなかったし正直今はまだ結婚とか考えられないし、あの感じだとキャスリーン嬢も僕と結婚なんて嫌なんじゃないかな




「顔合わせなんですよね?だったら僕、他の候補の令嬢ともお話してみたいです!」




そう言うとお父様とお母様の表情は変わっていないけど明らかに空気感の温度が下がったのがわかった



「ルド、理由はあるのか?」


「理由ですか?」


「他の令嬢と顔合わせをする理由だよ」


「…え、会ってみたいから…じゃだめですか?」


「厳しいことを言うよ。ファルは王族だからファルの結婚相手は未来の王妃様という想定をしながら決めなきゃいけない。

明確に王妃の条件があるというわけじゃないけど、爵位は必要…というか高くなければならなかったり、前王妃と同じ家から輩出したら貴族のパワーバランスが崩れてしまったりするだろう?」


「あっ…」


「他にも理由はあるんだけど、諸々考えた上でドレッド公爵のお嬢さんが一番王妃に適しているんだ。次の候補のお嬢さんが婚約者になるということはドレッド公爵のお嬢さんより王妃として劣るということだよ」


「…はい」


「ルドの婚約者候補はみんな同じじゃないんだ。下を選ぶならそれなりの理由が必要だ。もう一度聞くよ。他の候補の令嬢と顔合わせをする理由はあるかい?」


「ありません」



分かってくれてよかったよ。とお父様は微笑んだ


前世で政略結婚なんて聞いたこともなかった、恋愛結婚が当たり前だったから当たり前のように全員の婚約者候補の令嬢と会って一番相性のいい令嬢と婚約すれば…なんて思っていた


政略結婚を理解していなかったな…

というか女の子を集めて僕の意思で婚約者を決める、だなんて失礼にもほどがある


最低…だな

それでもお父様とお母様は僕とキャスリーン嬢の相性を見てくれたんだ


特にキャスリーン嬢のほうは拒否権なんてない状態で昨日わざわざ王宮に来てくれたというのに



よし、決めた

今はまだキャスリーン嬢のことを好きなわけじゃないけど婚約者なるんだから、こんな僕と結婚してくれるんだから必ずキャスリーン嬢を幸せにしてみせよう


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