紗夢高校入学そして
高校に入学してすぐに、クラス編成が行われました。
午前中は通常のクラス編成で、一般的な高校の授業を受け、午後は進路に応じた科目を重点的に学ぶ、一日八時間授業というハードなスケジュールです。
このため、午前中と午後でクラス編成が異なります。私は理系コース選択したので、午後は数学、生物、化学を重点的に学びます。
一年に一度、午後の授業のクラス分けが行われ、レベルによってA、B、Cの三段階に分かれます。Aが最も高いレベルで、Cが最も低いレベルです。一年次は入学試験成績でクラス判定されます。私はAランク判定でした。
二年以降もAランクにいないと、K大学に進学するのは難しいため、必死に勉強しました。
クラブ活動は土日にしか行えない制約があるため、部活に参加する生徒は少く、勧誘が非常に熱心でした。
しかし、私は遺伝子に関連する部活動が見当たらなかったため、帰宅部を選びました。代わりに、土日に先生が趣味で補習をしてくれるので、それに参加することにしました。
私は前世でも数学が得意だったので、数学の授業にはそれほど苦労しませんでしたが、生物には力を入れていませんでした。そのため、現在は生物に本格的に取り組み、一生懸命勉強することにしました。通常のクラスでも、現代国語、日本史、英語に焦点を当てることにしました。他の授業も軽視するというわけではなく、受験に合わせて重点を置いているということです。
そのため、星蘭ちゃんと会う機会も減り、友達の彩華ちゃんのお見舞いに高校に入って一度も行けませんでした。
そうこうしているうちに、一年も終わりに近づき、学年末考査が始まりました。そして、二年もAクラス判定を得ることができました。
春休みを迎え、星蘭ちゃんと待ち合わせて、彩華ちゃんのお見舞いに行くことにしました。
彩華ちゃんはここ一年入退院を繰り返し、進学先の高等部の進級も出席日数が足りないため留年することが決まったそうです。その話題を避けるように星蘭ちゃんとも話し合い、病院に向かいました。
病院に近づくと、交差点を渡ろうとしたとき、赤信号を無視した車が突っ込んできました。
「紗夢ちゃん、危ない!」
星蘭ちゃんが私に向かって叫びながら飛びついてきました。私は驚き、星蘭ちゃんの方を見ると、ゆっくりと私に抱き着いた星蘭ちゃんと、私めがけて突っ込んでくる車が見えました。
『ドン!』
その瞬間、衝撃を感じ、その後、私たちをはねた車が走り去っていく様子と、私たちに駆け寄ってくる人たちの叫び声が聞こえました。
血まみれの星蘭ちゃんはすでに意識はなく、そして、私の意識も薄れていきました。
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うっすらと意識が戻ったとき、手術台の上に寝かされていました。そばには見覚えのある人物がおり、私に向かって。
「これからお前の髄液を取り、その遺伝子を置き換えて再移植してやる。」
「人で試すのは初めてだから失敗するかもしれないが、その時はこの研究をしたお前の父親を怨むんだな。」
その言葉に、私は混乱しました。
『この人何言ってるの?』
『星蘭ちゃんは無事なの?』
不安と疑問が頭に浮かびました。しかし、麻酔が効いてきたのか、再び意識が薄れていきました。