第32話 ジレイグ=オルテサンド
俺の名はジレイグ=オルテサンド 異世界ヴィオレにて勇者をやらせてもらっている。この世界に転生したときの名前は…………いかん。記憶喪失だ。とりあえず異世界ヴィオレで生きていく上で必要なことだけを最低限憶えておいてあとは適当に生きている。この世界の常識として覚えていることは三つくらいかな。まずこの世界のランクについてだがこの世界には二つのランクが存在している。それぞれ六つの属性を表す数字がついていることから火・氷・雷・水・風・土・光の七種類のランクに分けられているそうだ。基本的に二つ以上に分かれていることはないそうだが例外もある。過去には三つのランクを持つ者もいたとかいう噂もあるが俺は聞いたことがない。まあ、その話は置いといて…………もう一つのランクについてだがこれはいわゆる称号のことで基本的には誰でもなることが出来る。例えば、冒険者ギルドに行けば誰もがなれるということだ。冒険者はみんなこのランクを名乗っていることが多い。冒険者のランクと一緒なのでこのランクはSSS,SS,S,A,B,C,D,E,Fの順に上がっていくそうだ。ちなみに今の俺は冒険者でいえばAランクといったところになる。
ちなみに勇者というのは特殊らしい。普通の人間はこの両方のランクを持っていることはほとんどなく、持っているのであればそれは特別な人物だと周囲から認知されることになる。そのため、一般的には勇者とは称号の一つだといわれている。そもそもこの世界で真の勇者が生まれるというケースはほとんどないらしくほとんどが仮の称号であるとされている。だからこそ今の俺のような存在がいるわけなのだが…………一応、他に特別なことをしているわけではないし異世界から来たってだけのどこにでもいるおっさんだけどな。
次に知っている情報といえば…………魔物、魔獣などと呼ばれる生き物はどこの世界にも生息していて人里離れた場所で暮らしていることが多いので普段はあまり目にすることはない。ただ、たまに人の住んでる地域に紛れ込んでしまうこともあるがごく稀なことでめったに遭遇することがないため、その存在を認識できている人はごく少数だということも事実。だが、稀にその魔なるものたちは他の生物を取り込むことによって強化されていくという特徴を持っており、取り込まれた生物はその魔に取り込まれた状態になってしまうようで魔の力に取り込まれた状態で討伐された場合通常の数倍の経験値を得ることができるため積極的に狩られてしまったりするようだ。また魔は強い力を持った者が近くにいたりするとそれを捕食しようと躍起になったりすることもある。ただし、そのような事例は稀でほとんど起こっていないというのが現状のようだったが俺の前に起きた事件ではあるので完全には否定できないような状況だったと言わざるおえない。
そんな感じでざっとは把握できたので一先ず満足することにした。まだわからないことが結構多いけどそこはおいおい知っていけばいいかなと思えるくらいにはまだ頭がすっきりしていないが気にしないことにした。ちなみに、俺は今までこの世界で一度も腹がへったとか思ったことはない。なぜか知らんが飯を食わなくても生きていけるようで別に食べる必要を感じないのだ。食う必要はないとはいえ味を感じることはできるしなんなら美味いものを食べた方が幸せな気持ちになれることは分かっている。だからたまには食事してみるのもいいかと思っている今日この頃だ。




