第28話 黒髪の女
私が言うのもなんだが、彼女は何かを隠しているように思えてしょうがなかった。何かを焦っているように見える。それも当然だった。ジレイグは今や神となりつつある存在であり、本来であればこのようなことが許されないということだったからだ。しかし今のこの状況は普通ではないということだけは理解できたし、彼女の願いに応えることが何よりも大事だと思った。そこで彼女に協力しながらジレイグを助ける方法を探すことにしたのだ。そして私は、その方法をついに手に入れた。
(…………ありがとうございます。あなたがここまでやってくれるとは正直意外です)
(あら、失礼ですね。これでも神ですよ)
(それでは、さっそくはじめましょうか)
(ええ、いいわよ)そう答えた時だった。(ぐあっ)頭の中で強烈な苦痛が流れ込んでくる感覚があった。(なにこれ…………苦しい…………)
私は思わず膝をついて苦しみに耐えていたが突然目の前に白い光が広がっていった。
(ちょっと、大丈夫ですか!?)
(うっうーん)頭がぼやっとしている中、誰かの声が聞こえてきた。聞き覚えのある声だが誰の声だろう。
(もう目を開けても大丈夫そうね)目がはっきりと見えるようになった頃、最初に目に入ってきたのは見覚えのない一人の女だった。
黒髪の女、いや女というよりは女性といったほうが似合っているかもしれない。美人ではあるが少しきつい印象を受けた。黒い瞳で私のことをじっと見つめてくる。その視線からは何か得体の知れない圧力のようなものを感じる。




