第27話 この女神にはどこかおかしいところがあるらしい
私の目の前に立っている少年は私にとってとても大事な友達だ。私の前世はいわゆる"お姉さま"というもので、私の周りにはかわいい妹や弟たち、頼りがいのある幼馴染がいたのだが中でも彼のことはよく覚えている。なぜかって? そんなの決まっているではないか。この子は両親がいないせいなのか小さい頃から苦労しているのだ。家事は自分がすべてこなしていたし買い物にも行っていた。夜中にトイレに起きた時など暗闇の中に小さな背中を見つけて何度か泣いたこともある。朝早くから近所の公園などで一生懸命剣を振り回していたり、学校の教室で一生懸命勉強したりしてみんなが遊んでいる中、自分よりも周りの人たちを優先するような人だった。そしていつも元気いっぱい笑顔を浮かべていた。私も彼に何度も助けられた。その度にお礼を言うと決まって(いやー俺は全然気づいてないし、気にすることなんかないぜ)と言っていたがきっと感謝していることに気づいてくれたのだと思う。私と彼の間に特別な絆ができたのは自然なことだったと思う。
だから彼がいなくなった時は本当につらかった。(私には彼を生き返らせる責任がある)そう思って必死になった。幸いなことに彼は死ぬ直前に強い意志の力を残したらしく、その意思が彼の中にあるということがわかった。その思いの源をたどると一人の女神様がいることが分かったのだが…………どうやらこの女神にはどこかおかしいところがあるらしいのだ。
ある日、(ジレイグが目を覚ます前にもう一度あの子たちを救ってほしい。お願いします)と言い残し消えてしまったのだ。そしてその数日後、私は精神の中に閉じこめられた。
(あの子たちにひどい仕打ちをしているんじゃありませんか?)




