第10話 しまってあるもの
しかし検査の結果は全て男性であったため心療内科に行くことになった。処方された薬を飲み続けること半年、両親の勧めで大学付属の高校を受験し合格することができた。高校生になると学校内にも私と同じ性の人が何人かいたのだが正直今の自分の姿で普通に接しろと言われても難しいものがあった。今まで見た目について誰にも指摘されたことはなかったけれど男の人と付き合うというのはやはり精神的にも体力的にも厳しいものがあるのは確かだった。でもそれはきっと彼も同じだと思った。なぜなら彼女……いや彼はこの見た目のせいで女性とは付き合ったことはないそうだ。そう思うとなんだか気が楽になり、なんとかうまくやっていけそうな気がした。そんなわけで無事卒業することができ私は国立大学の医学部へ入学し現在は医師を目指して勉強中だ。……ただ今は四月の中旬であるにもかかわらず暑いせいか受験の疲れが残っているのか体調を崩してしまった。体が怠くて起き上がることもできず今日は家で一日ゆっくりすることに決めていた。しばらくベッドの上でボーっとしていたが何かしらすることを見つけようと立ち上がりクローゼットへ向かった。クローゼットを開けると奥の方にしまってあるあるものを取り出した。そう大昔お父さんの部屋で見つけた古い本だ。昔おじいさんに見せてもらったのだけれどもよくわからなかったためそのまま部屋のどこかにしまってあったはずなのになぜ今こんなものが目の前にあるのか不思議だったがとりあえず開いてみた。




