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第九十一話 女王陛下として

 生誕祭の前日!


 「!!」

「如何した?」「またSOSか?」「今度は誰ぞ?」


 流人に強く!そして悲しい思いが伝わって来る!

 

 「どこでしょうか?」っと言ってその場所付近に転移した!


 大豪邸の屋敷の中に転移してしまった流人!

慌てて何処かに隠れようとするが隠れる場所もない為に、

SOSを発信している元へ向かう。


 「この部屋の中でしょうか?」

 重い部屋の扉を開けると直ぐに!

「誰だい!?」っと老女の声が聞こえた!


 「初めまして、流人と申します。」

「不審者が自己紹介をするとは珍しいね、それとも迷子かい?」

 「失礼ながら貴女様に呼ばれて来たのだと思います。」

「私にかい! 呼んだ覚えはないけどね!」

 「何か強い悲しみを纏っている様に見えますが?」

「・・・」

 「その悲しみを少しだけ私に分けて頂きたいと思い来ました。」

「お前さんに私の悲しみを分けて如何するんだい?」

 「貴女様の気持ちが少しは楽になりましょう?」

「私の為と言うのかい?」

 「悲しむ女性の存在は私が辛いのです(笑)」

「翔んだ口説き文句だね! 私には夫がいるよ!」

 「旦那様にも打ち明ける事の出来ない事でしょうか?」

「そうだね、他人には尚更話せない事だよ!」

 「左様でございますか・・・」

 そーっと流人は鑑定して老女の悩みを見つけた!


 エリ◯◯ス・アレ◯◯ンドラ・メ◯リー・ウ◯◯ザー

 :1926年4月21日生まれ

[身 長] 162cm

[髪 色] 白髪

[眼 色] グリーンアイズ

[肌 色] 白


 第4代女王にて連邦王国の君主。

世界に多くの王が居るが代表的で女王としては絶大的な立場、

孫達との意思疎通に悩まされている。


 「孫達?」

「あぁ〜! ウ◯◯アムとヘ◯リーだな!」

「特にヘ◯リーの方だろう?」

「問題児だからな」

 「詳しいんですね(笑)」


 三賢者から色々詳細を聞き、孫達の事で悩んでいる事を理解した。

 

 「それでは、私の話を少しだけ聞いていただけますか?」

「お前さんの話! 私がかい(笑) なんでだい?」

 「実は・・・」


 流人は自分の悩みの様に老女に悩みを伝えた。

 「明日は私の誕生日なんです。」

「それはおめでとう。」


 「それでね、沢山の人達に祝って頂けるのですが、

 私は人と接する事が苦手なんです。」

「そうは見えないけどね(笑)」


 「身近な、親しい者達に祝って頂けるのは嬉しいのですが、

 その場に私欲や社交辞令的に参加を申し出て来る人達がいまして。」

「それは大変だね」


 「傷つきますけど他人の行動や発言なら我慢は出来ます。

 然し、 親しい人や、愛しい人に誤解される事は耐えられないんです。」

「・・・」


 「大人ですから、世間体や立場ってのも理解していますが、

 私は大切な人達を大事にしたい、大切にしたい、誤解を解きたい。」

「・・・」

 

 「その思いが伝わらない時、ひとり部屋に籠もって悲しんでいるより、

 その人達の元へ行って、思いを爆ぜてみたいと思うのですが・・・

 勇気がないのです。」


 流人の言葉に段々呑み込まれ聞き入る老女、


 「大勢の前で大々的に発言する勇気はあっても、親しい人の前で・・・

 大切な人達に向き合う勇気がない私は如何したらいいのでしょうね?」


 流人の言葉が自分の言葉なのだと悟った老女!

思い詰めた感情を払って言葉を発した!

「失いたくないのなら、勇気を持ちなさい!」

 「大丈夫そうですね♪」


「貴方は何者だい!」

 「流人、 異国で楽しく過ごしております。」

「異国?」

 「日◯って国、知ってますか?」

「(笑) 知っているもなにも、私の国は友好国だよ(笑)」


 「おや♪ そうでしたか、♪

 我が国にも貴女様の様に、

 民の為に尽くし過ぎているお方が居られるのでね♪(笑)」


「天◯だったかね?」

 「はい、奥方様を大切に成される純粋なお方でにございます。♪♪(笑)」

「会った事がある様な言い回しだね?」

 「はい♪、何度か、贔屓にして頂いております(笑)」

「変わった子だね(笑)」


  部屋の様子、笑い声などから異変を感じた者達が、部屋に入り込んで来た!

「女王陛下! ご無事でしょうか!」

 衛士達の先頭に立って部屋に入って来たのは、孫のウ◯◯アム王子だった!

「おばぁ様! ご無事でしょうか?」


 流人はウ◯◯アムの鑑定をして見ると、素晴らしいスキルと才を持っていた!


「不審者を取り押さえよ!」

「は!」

 流人を衛士が取り囲み取り押さえようとする!


「お待ちなさい! なんだい私の客人に対して失礼だね!」

「おばぁ様!?」

「ウ◯◯アム、心配して来てくれたのかい? ありがとう。

だけどね、この子は私の友人なんだよ♪」


 優しく丁寧に孫に接していた姿は、祖母の姿そのままだった。


「流人よ! すまないね、騒ぎになって」

 「よい機会が出来て何より♪ お孫様とお話なさいませ♪♪」

「(笑) そうだね♪」


 呆気に取られ事情が掴めないウ◯◯アム王子、

ただおばぁ様に危険はないとだけ理解してほっとしていた!


 流人が懐から一粒のオパールを取り出し小さな巾着にいてれ老女に渡す。


 「我が国のお守りと言うアイテムです、お持ち頂けたら幸いです。」

「可愛い袋だね、頂いて置きましょう♪」

 お守りを受け取ると不思議と悲しい気分が消えてゆく!

 

 「それでは、次に会う時は、間違われない様に、

 正式な招待状を頂いてから参りたいと思います(笑)」


「招待状かい(笑) 用意する時が来る事を楽しみにしているよ(笑)」


 一礼して、一歩後方へ下がり転移して消えた!


「消えた! おばぁ様!」

「♪♪(笑) 面白い子だったねウ◯◯アム!(笑)」

「え!・・・そうですね(笑)」



 後日、陛下経由で手紙を渡された!

 

 差出人は、大◯王国女王陛下とあった!


 中には感謝の言葉と孫達との溝が少し埋まった事が書かれていた。

 「よかったですね」

「然し流人よ!」

 「なんですか?」

「女王陛下達の前で転移したのは宜しくないのではないのか?」

「そうだったなぁ、次に会った時なんと問われるか?」

「そうだぞ! 不注意であったぞ!」

 「また会う時がありましょうか?(笑)」

「流人! オーストラリアはのぉ、あの女王陛下の傘下国じゃぞ!」

「あの女王陛下が君主の国じゃ!」

「分かっておらんかったであろう?」

 「・・・如何しましょう?」


「「「知らん!」」」



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