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第九話 地脈の流れと神々。

 数日眠り込んだ流人、

お腹が空いて起きだすと心配した顔の二人

「お寝覚めですね、流人様!」

「おぉ〜!心配致しましたぞ流人様!」

 「黒天に紅丸、おはよう。」

「「おはようございまう、流人様。」」

 「お腹空いた」

「直ぐに膳の支度を致します。」

「流人様のお好きな物を作りまする。」

 

 黒天と紅丸が食事の準備に走りだす。


 「三賢者?」

「「「栄養素が足りんから寝てる」」」

 「そうだ、多重魔法を一気に使ったから魔力切れた?」


 若返り、魔力も漲っていた筈なのに、

気を失った自分に不思議な感覚を覚えていた。


「「流人様、お食事の支度が整いました。」」

 「ありがとう、今行きますよ。」

 立ち上がろうとすると少しフラつく!

「「流人様!」」

 黒天と紅丸が咄嗟に支えに着く。


 「大丈夫だよ、変なんだよね身体?」

「まだ御不調のご様子が?」

「もう少しお休みにいただいたほうが宜しいのでは?」

 「うん、だけど大丈夫お腹減ったぁ〜」


 椅子に座り料理を見る!

牛と豚と鶏の肉が多種多様に変わっていた!

「ランク5と言う和牛なる牛の肉を大蒜と一緒に焼いてみました。」

 「うん、いい匂いだね。」

「なんとかXと言う豚を生姜と大蒜醤油で炒めた物に、

キャベツなる葉物を千切りに致しました。」

 「うん、美味しそうだね。」

「鶏のもも肉をぶつ切りにして長葱と一緒に煮込み、

味付けは塩と胡椒のみに抑え優しい味付けにしてみました。」

 「うん、懐かしい優しい感じだね。」


 200グラム程あるステーキ肉を4〜5枚一気に食べ尽くし、

次に鶏のスープを飲み干す。

 「うん美味しい、ご飯欲しいね♪」

「「御意、直ちにご用意致します。」」


 大きな丼に山盛りのご飯が渡される。

一気に半分程頬張って、スープを流し込み、豚の炒め物を食べる。


 まるでTVの大食い大会の様な食事の光景だ。


 次々とお代わりを用意して、運び込む黒天と紅丸、

食事を続けていた流人の脳内で三賢者が目覚める!

「おぉ〜エネルギーが!」「栄養素が戻って来たぁ〜」「復活じゃぁ〜」

 「おはよう三賢者!」

「流人、無事か?」「どうじゃ具合は?」「大事無いか?」

 「身体が少し変なんですけど、異常は感じられません。」

 食事を続けながら流人は三賢者に状態を説明する。


「やはり阿保じゃ!」「だな」「真の馬鹿じゃな!」

 「何ですか急に??」

「当たり前であろう」「そうじゃ、急にあの様な連続魔法」

「それも慣れない身体でじゃ、無理もなかろう?」


 「そう言われれば・・・ですね。」


「それよりも先ずは喰うぞ!」「そうだった喰うぞ♪」「儂も喰うぞ!」

 流人が寝ていた数日間、流人を庇い養分を脳に放出し続けていた三賢者

睡眠を取らないと維持出来ないほど飢餓であった。


 食事を済ませ一呼吸付き、地下の秘密部屋へ向かう

 「土地神様大丈夫ですか?」

「おぉ〜目覚めたか?」

 「はい、おはようございます。」

 流人の回収した亜空間は、自宅の地下の秘密部屋に繋がっていた。


 「土地神様の御体調は如何ですか?」

「ここは良いのぉ〜、水も土も清いのぉ〜」

 「魔法で浄化した水と土ですので汚れは御座いません。」

「魔法か、便利な物よなぁ?」

 「この世界の人間は保っていない様ですね?」

「昔はのぉ、神通力や天道力と申して力が使えた者もいた様だが、

文明と科学の発展で失った様じゃな。」

 「そうですか、昔は魔法が有ったのですね。」

 魔法を捨てる文明に、始めて会った流人は少し複雑だった。

 

 「新しい場所を見つけますので、それまで此処で我慢して下さい。」

「ありがたいのぉ。」

 「何処か希望がありますか?」

「希望?・・・地脈の上なら何処でもよい。」

 「地脈?」

「知らんのか? 地脈とは・・・」

 

 地脈とはこの世界の陸地に流れる活動気の様な物で、

人間の血流に近い働きをしている場所を地脈と呼んでいる様です。


 「地脈ですか?」

「そうだな、儂ら土地神は、土地の安堵を司る神なのでな、

地脈から大地の異常が伝えられると人々にも知らせ易いのじゃ。」

 「あんな事されても未だ、人の為に?」

「それが儂等の務めじゃからな。」


「流人、地脈を調べた」「凄いぞこの国は!」「そうだ地脈だらけだ」

 「地脈だらけ?」

「あぁ〜凄いぞ!」「「西の山を中心に大きな地脈が流れているなぁ」」

 「西の山?」

 流人の西の山との声に土地神様が反応する

「あぁ、富士の御山は地脈の霊山だな」

 「富士の御山?」

「此処一帯は、あの御山の分脈になっているで、

地脈はあの御山に向かって流れているのだ。」


 「三賢者!良さそうな場所見つかった?」

「有ったぞ!」「少し遠いが、同じ地脈だから問題無いだろう」「大丈夫だろ」

 「先住の神様は、居ないでしょうね?」

「分からん!」「田畑であるから問題なかろう」「雑木林だ!大丈夫だろ」


 「行ってみますか?」

「「お待ち下さい流人様!」」

 「如何したんですか?黒天、紅丸?」

「病み上がりの流人様はお待ち下さい」

「我等が下見をして参りますので。」

「そうだな」「今の流人では空も飛んであろ?」「無理するな」

 「そうだね、それじゃぁ〜頼んだよ黒天、紅丸。」

「「承知!」」

 すぐに消えて現地へ向かった二人を見送り、自分の身体の状態を確認すべく

手足、指の感覚を確かめながら魔力を流し症状を確認していた。


 「このミルクティー甘くて美味しい・・・」


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