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第四話 再出発です。

 不動産屋に直行した後、三賢者が求めていた物件を購入、

何故此処が良いのか?

 儂には全く分からんのだが、三賢者の燥ぐ気分を感じ満更でもない。


 不動産屋で手続きをしている最中、ず〜っと不審に思わられていた様だ

儂は気付かんかったのだが、三賢者の言う事には容姿と年齢が違い過ぎる様だ。

 

 当たり前だ!

実の儂は、500歳を越え!実年齢など遥か昔に忘れているのだから、

白髪に長い髭を伸ばして19もなかろう。


 そこで秘術を使い、若返る事にしたのだが、

この禁術は、7日掛かってしまうのじゃ!


 野宿では安心して魔法を掛けられぬし、宿では別人と思われても困る。

そんな思いを分かってか、三賢者も家を望んでいた様だ。


 購入した物件は、メイン通りから一本外れ、

周囲はオフィスビルばかりの昼間は賑やか、夜は閑静な場所じゃ!

治安が少し心配だったが、斜め前に交番が有り治安の心配も無用じゃ!


 地上四階、地下一階の築50年の建物じゃ!

周りが全部高層階で、此処だけ浮いている気がするのだが、

諸事情が有って此処だけは、これ以上高層に出来ないらしい、

なので安く購入出来たのだ・・・安く?

 「9億6千万じゃぞ!」

「うん、安いね」「お手頃」「そうだ贅沢言うな!」

 「売値の8億に、手数料など込み込みでこの値段!どこが安いのじゃ!」


 すると三賢者が周囲を見渡すよう説いながら、

「因みに隣の高層ビル、お値段260億以上」「「安いであろう!」」

「向かいの高層ビル320億以上」「「安いだろ!」」

 「・・・はい。」

 っで、言われるままに手続きを幾つか行い、

やっと秘術が使えるまでに環境が整ったのです。


 「儂はこれより秘術を行い若返るでな、後を頼むぞ三賢者よ!」

「任せておいて」「心配ない」「目覚めた時は、快適な生活だな!」


 「何やら親の留守に悪さを企てている子供の様な言い回しじゃが、

 まぁ〜頼んだぞ・・・。」


[禁断魔法・再現(わかがえり)] :禁断の秘術魔法

肉体の細胞を再構築活性化させて若返る魔法

不死への欲が開発した秘術で成功率は能力者の魔力と能力次第

神の意志に背く行為である為、禁術とされている。

※流人が信仰している神々は黙認放置している為、背徳には当たらない。


「眠りについたな」「それじゃ〜始めるかの」「7日迄に終わらせるぞ」


・・・。


 7日後。


「起きろ〜!」

「お〜い!」

「起きて貰わんと困るんだよ!」

 ・・・zzz

「今起きたであろう!」

「二度寝するな!」「脳に電撃(らいげき)を落とすのだ!」

 「や!やめい! 起きた!起きたぞ。」

「成功した様だな」「若返ったな」「体調は如何だ?」

 「体調を気にするなら、もう少し起こし方を考えたまえ!」


 手足の確認・・・OK

 指の感覚・・・OK

 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、・・・OK

 魔力・・・お〜強さが戻っておるぞ!


 身体の確認と魔力の調整を慎重に確認、秘術は成功した様だ。

 「これが新しい儂か?」

 鏡で自身を確認すると、張りの有る肌に皺が少ない

 髪は伸びたままの白髪だが髭が全て抜け落ちていた。


 「髭が抜けてしまったなぁ」

「19では、まだ生えぬであろう」「そうかな?」「如何だったのだ昔は?」

 「覚えておらん、まぁ〜その内生えるであろう」


 「筋肉は・・・やはり無いな」

「運動してないからな」「脳筋にでもなるのか?」「貧素は昔からだな」


 ピンポ〜ン!

「来たぞ!」

「待ってた物が来た!」「起こして正解だった!」


 外から呼び出しの音が鳴るので出口へ向かうと

「異界さ〜ん?」

 「はい(ぼく)だけど?」

「書き留めです、判子かサイン頂けますか?」

 「判子で良いですか?」

「はい、じゃ〜、ここと、ここと、ここに押して下さい。」

 三通の書留に判子を押して封筒を受け取る。

「はい、ありがとうございました〜。」

 郵便屋さんが帰って行った。


「来たぞ」「来たな」「待ってたぞ!」

 「なんでしょうね?」

 一通目の封筒を開けると中から書類とカードが出て来た。

「お〜合格じゃ!」「通ったの」「良かったの」

 「なんですか?これは・・・」

 書類に目を通すと、

 「クレジットカード?」

「そうじゃ」「これで現金は要らんぞ」「紙は使わんで良い」

 黒いカードが一枚、入っている。

 「それより、(ぼく)、文字読めるんですけど?」

「脳内学習の成果じゃ」「ってか黒に驚け!」「そうじゃ黒だぞ!」

 「なんですか黒って?」

「最高ランクの証じゃ」「そうじゃ最高じゃろ?」「黒だぞ♪」

 「ちょっと待って下さい!年会費42,000円!」

「その位当然だろ?」「そうじゃ最高ランクだぞ♪」「黒だからな♪」

 「金を使うのに金を払うのか?」

「金では無いカードだ」「そうだ黒のカードだ!」「黒だぞ♪」

 「その黒とは何なのだ?」

「最高ランクじゃ!」「限度額無しじゃ!」「使い放題じゃ♪」

 「使い放題?ただなのか?」

「後日支払うのだ!」「銀行で自動引き落としだ!」「便利だぞ♪」

 「では銀行に金を入れる必要が有るであろう?」

「それは心配いらん!」「そうだ無用だ♪」「安心いたせ♪」

 「如何言う事だ?」

「次の封筒だ、見てみろ」「そうだ次だ」「分かるだろう」


 二通目の封筒を開けると中から書類が数枚入っていた。

 「この度は当証券会社に口座を開設して頂き有り難う御座います、

 利用確認を行います様お願いいたします。」

「おおぉ〜ぉそれじゃ!」「それが泉じゃ♪」「そうじゃ♪♪」

 「泉?」

「金が湧く泉じゃ♪」「スキル無しで出来る稼ぎだ」「そうだぞ♪」

 「証券会社・・・株式って事か!」

「そうだぞ!」「既に開設して取引も行っておるのだ」「そうだぞ!」

 「行っているって! 寝てたんだよ?」

「この世界は便利でな、電子取引が可能なのだ」「我等でも可能だ」「そうだ」


 一般なら証券会社へ出向いて、対面で注文売買を行うのだが、

電話での注文取引や、PCや携帯でも取引を行う事がようです。


 「待って下さい、家には電話は有ってもPCや携帯は無いですよね?」

「必要無い」「そうじゃ儂等に必要無いぞ」「そうだ魔法が有るからな」

 電話回線に侵入して証券会社の流人の口座から取引を行えば、

端末は必要では無い直接操作すればよいと説明を受けた。

 「犯罪?」

「分からん・・・が、問題は無い」「そうじゃ魔法が無い世界なのだから」

「概念自体が存在し無いぞ」


 「確かに違法操作したりすれば直ぐに見つかり対応されるはずだけど、

 やっていい事なのかな?」

「これも金の時と同じじゃ」「そうじゃ商売だからな」「やり方の違いじゃ!」

 「そう言われると・・・。」


 最後の一通を見てみると!

マイナンバーカードの受け取りの為に区役所へ来いとの知らせであった!

 「マイナンバーカードって頂きましたよね?」

「それはナンバーだけだ」「そうだカードでは無い」「身分証にならん」

 「そうなんですか?」

「そうだ、だからカードを受け取って来い」「安泰じゃ」「再出発じゃ」


 言われるままに区役所へ出向き、マイナンバーカードを受け取る

 「わ〜!私の顔が写ってますよ!」

「そうじゃ、それが身分証だ」「そうだこれで安心だ」「無くすなよ」


 帰宅中ず〜っと気になる視線が、

 「何でしょうね?」

「あ〜流人の服装が変なんだ!」「変人だからな」「夏なのにコートって!」

 

 えぇ〜ぇ・・・!



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