表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
373/2665

第三百七十三話 御来光への願い

 一応まだ未成年の希ちゃんは初日の出まで仮眠して頂き、

残ったメンバーでトークを続ける流人達、


 掘り炬燵にのんびりと入りながら、今年の抱負などを順番に聞き

日の出の時間まで繋いでいた・・・。


「流人の抱負はよ?」


「「聞きたい」」

「今年は何するねん?」

 

 「今年ですか?・・・」

 

 目標をあまり考えた事がない流人、

思った時に思った事をする様にしていた為直ぐには思いつかなかったが!


 「一応、今年はドラマを何本かやります。」

「おぉ!」

 

 RN配信局でドラマを制作するので、

色々な方々にお願いをしているが中々良い返事が頂けないと愚痴る!

 

 「色々権利が大変そうです。」

「それは、仕方ないやろう?」

「ウチらもその権利で守られているところもあるからなぁ」

 「そうですけどね・・・」


 数少ない協力的な作家さんや脚本家さんと共に、

話を纏めて作品に出来ればと考えていた。


 「女優は色々繋がりがあるので確保出来そうなんですが・・・」

 俳優との繋がりが薄く、

また優秀な役者さんは劇団や監督が囲っている為使えないと嘆いていた。


 「本当! ちょっと不愉快過ぎてムカついてます!(怒)」


 ウチに役者を使うならと若手も起用する様に求められたり、

ウチの看板ですからと配役の役割を求められたりして、

流人自身使いたいと思わなくなっていた。


「我がままやからなぁ〜 役者は(大笑)」

「いい物作る為には妥協も必要だよ。」

 「質を落とす様な妥協はしたくないんですよね(怒)」

「「「そうだけどさぁ・・・」」」


 相変わらず頑固だなぁっと思っていたら流人が北大地を口説く!

 「サブちゃんってドラマ出ないんですか?」

「いやぁ、昔は出てたよ(大笑) 最近は呼ばれなくなっただけだよ(笑)」

 「じゃぁ〜事務所に申し入れすれば考えてくれます?」


「・・・オレかぁ?」

 「はい♪」

「構わないけど・・・オレでいいのか?」

 「はい♪」


 若者や青年層の配信番組は整いつつあるけど、

年配層やお年寄り層は殆ど・・・全く無い!

そこでドラマはまず年配層向けを作りたいと考えていた流人、

協力者達と話し合いも纏まり出して制作出来そうなドラマが時代劇だった。


 女優中心に起用する事でなんとか出来そうだが、

重要なポストでどうしても俳優が必要なのでそれを北大地にお願いした。


 「サブちゃんには、架空の要職で組頭相談役を演じて欲しいんです。」

「組頭相談役?」

 「はい♪♪」


 城下町の火災などを見回る火消組、

各所を担当する火消の組頭達を纏めるご意見番としての相談役、

元組頭で隠居し無類の人望からご意見番として相談役の要職に就いた人物


「あれ? サブちゃん火消の組頭、前にやってたよね?」

「おぉ〜め組の辰五郎だ!(大笑)」

「ええじゃないいですか(笑)」

「♪♪(大笑)」


 主人公のお嬢様が城下で色々騒動に巻き込まれたり首を突っ込んだり、

各火消組の若い衆達がお嬢様の代わりに悪党を退治する話と説明した。


「まぁ〜よくある話だよな」

「年配には単純明快でええんとちゃいます?」

「難しいのは、頭使うのは大変だからな(笑)」


 「一応主演のお嬢様は雅子に演じて頂きます。」

「お願いします。」

「おおぉ、よろしく♪」


「えぇえなぁ〜」

「ワシらも使えって言うねん! こらぁ〜」

「そうやぁ流人〜」


 「(笑) ♪♪ 今の撮れたよね?」

「!!」

「まずい! コイツ本気にした!」

 「ありがとうございます♪♪」

 

 将軍御用達商家の孫娘、

御転婆で明るい主人公が城下を歩き回ると事件が起こる!

それを陰から見守り助ける一人がサブちゃんだと伝え、

話の設定上よく使う定食屋に出入りする与力と同心が必要と、

流人が説き、尼崎の二人を見つめていた!


「同心と与力って・・・」

「既に決まってたヤツやん!(笑)」

 「オファーしますんで・・・拒否無しですからね(笑)」


「おまえ!最初から・・・」

「言うなって!」

 「(笑)」


「ハゲは?ええんかいハゲは使わんで?」

「ハゲって言うなよ!(笑)」

 「師匠は・・・ねぇ?」

「俺は、 お笑いだから・・・」

「何言ってますねん! 映画に出てたじゃないですか?」

「そやぁ! このハゲ! ケンさんと共演しとったやんか!」

「(笑)」


 撮影の目処が見えた時点で真っ先に声を掛けた流人、

笑いを目指す立場としてシリアスな演技は芸風に関わると否定的だった。 

 「出たくない人に無理強いはいけません。」

「別に・・・」

 「お! エリカの真似ですか?」

「私の? !!」


「そう言う意味じゃないよ、本当だよエリカちゃん!

別に・・・内容を聞いてたら・・・出ても・・・」


 「無理しなくていいですから(笑)」

「無理じゃねぇ〜って! 俺だけ仲間外れは寂しいだろう!(笑)」

 「仲間外れってね・・・?」

「そうやぁなぁ、出たぁ〜ないなら仕方ないでんなぁ(笑)」

「(笑)」

「浜ちゃん! そこは味方するだろう普通よ?」

「痛!」


 東村が浜本の二の腕を抓って協力を強要していた!

 

「ほら、 役柄が・・・」

 「全然ありますよ♪」

「あるの?♪」

「あるんかいな(笑)」


 重要な役柄として主人公の祖父や、定食屋さんの主人など

抑えたい役柄は沢山あると流人が説く!


「俺なら・・・どっちよ?」

 「定食屋主人でしょうかね?」

「決まってたのかよ?」

 「変わりが中々見つからなくて(笑)」


 元義賊の飯屋の主人、に助けられて引退し、

表向きは飯屋の主人として客から情報を得て、

必要なら夜な夜な忍び情報活動をしては、

主人公の祖父の情報源として活躍していた。


「いいじゃねぇ〜の♪♪」

 「そうするとね・・・祖父役が見つからないんですよ・・・」

「「確かになぁ・・・」」


「流人! お前はよ?」

 「祖父役? 見た目で無理でしょう?」

「そうじゃなくて! 出んのかい?」

 「主人公の父役で、ぼんぼんの気ままな旦那様役♪」


「「「なんやそれ?」」」


 自由気ままな血は父親譲りと言う設定なので、

流人の役柄は諸国を遊び回っている役で、

祖父と奥方がしっかり者と言う設定と言う。


 「最悪、設定を祖母に変更する事も可能だと思うんですけどね?」

「祖母なら誰かおるんかい?」

「難しいで?」

 「さゆりちゃんでいいでしょう?」

「さゆりちゃん? ◯永?」

 「違いますよ! 石◯♪ さゆりさんです♪♪」


 年齢的には祖母って言う年齢ではないけど、風格と雰囲気がいいと流人が言う

 「歌祭りの時、凄いオーラを感じましたし適任だと思いますけど?」


「「「・・・」」」

 全員が役者を想像していたけど、流人は演歌歌手から抜擢して来た、

流人が不信と感じた者達は全て関わらなくなる、一部の役者に不信を感じた結果

全ての俳優をリストから消す、

そして代わりとしてモデルや歌手、タレントから抜擢する。


 大胆と言えば大胆な行動だけど、あやゆい行動とも思え、

流人を知らない人達なら弱点として、傲慢我がままなど批判して責めるが、

流人を知る者達ならそんな罠には引っ掛からない。


 我がままを通すだけの強力な力を持っているから・・・

友里達は思う、流人が本当に必要なら優秀な俳優(じんざい)を揃えるだろう、

明菜や雅子の様に・・・


 無名でも才能があれば十分、

プロジェクトRと言う巨大組織が支える以上

あっという間にトップへ立つ事も不可能ではない。


 それはエリカを見れば理解出来る、

移籍してたった数ヶ月で演技力も表現力も見違える程に向上した!

今なら誰もが認めるエリカ様と言う地位を彼女は完全に手に入れている。


 どんな手段を取れば可能になるのか興味があっても聞けない

聞く事が怖い程のオーラを感じ、

その放つオーラを自分達も持っているのか?自身がない。

 

 流人に気に入られて今の場所を手にしたのだから失いたくない、

その努力だけで精一杯でいる自分達の実力の限界を理解していた。


「「「おはようございます♪」」」

「おはよう♪ けんちゃん♪」

 

「!! 優香!」

 「来ましたか?」


 新年から生放送があったり仕事で忙しいメンバー達が、

流人と初日の出を拝む為に早起きしてスタジオに向かって来ていた!


「けんちゃん♪ おでめとう♪」

「おめでとう♪」


「サブちゃんもおめでとうございます。」

「おぉお、おめでとうさん(笑)」


「なんだよ! ちゃんと挨拶するのかよ(笑)」

「♪♪(笑)」


 岡部さんに綾さん、恭子さんと事務所のメンバーで登場した。

 「あれ? さとみちゃんは?」

「あの子海外に行っているから後日挨拶に来ると思う。」

 「皆さん頑張ってますね♪」


「おはようございます」

「おめでとうございます。」


 次々と集合してくるメンバー達、 態々晴れ着を着て来た子もいた

 「着物は・・・いいですね♪♪」

 「そうだ! お年玉引いてください♪」


「「「「「いただきます♪」」」」」


 御重からお年玉の袋を選んで1枚ずつ貰い中を確認する・・・が!

全員1万円だった様子です。


「・・・お金?」

 「どうしたん恭子?」

「私・・・お金じゃないみたい?」

 「紙なら出して見てね?」

「10番?」


 何かの間違えで紙が入っていると思った恭子、

直ぐには言えずに流人達の説明を受けて告白していた。


 10番の目録を受け取り中を確認する・・・

「コラボ限定グッズ  ぬいぐるみ!!」

「ぬいぐるみ?」

 

 スタッフが台車に乗せて大袋を運んで来る!

「これですか?」

 「開けて見てください♪」


 大きい巾着袋の紐を解くと中に大きなぬいぐるみが!!

身長96.5cm 体重10.4kg の実物大ミッキ◯◯ウスが入っていた!


「おっ 重いぃ〜(汗)」

 「(笑) それ今回のコラボ限定の中で目玉商品ですよ♪」


 ミッキ◯◯ウスがsocietyRの服を着ている限定モデル、

シルバーバックのプリントの入ったフード付きハーフコートを着ていた。


「上着だけって! ど変態やん(笑)」

「変質者やん!」

 「尼崎さんは◯◯ランド出禁でしょうかね?」


「「(汗) 嘘! 嘘!冗談やん!(汗)」」


 「限定1個ですから♪ おめでとうございます。」

「「「「「1個!」」」」」


 流人の要望で実物大の大きさにしたが、大きく重いので子供には持てない、

その為◯◯ニー側から苦情が来て試作品だけで販売はしないと言う。


「超〜レアやん!」

「世界で一つって! マジか?」


「良かったね恭子ちゃん♪」

「うん・・・重〜い」


 汚れるから床に置きたくない恭子、

必死に抱き抱えているけど10kg以上の重さは苦痛だった。


 スタッフが預かり恭子の移動車に運んで置くので預けてホッとする恭子、

スタッフからそろそろ移動を促され流人達は屋上へと向かう!


 既に明るくなっている空! 

建物で太陽が見えないけど流人は気にしていない。


 「そろそろでしょうかね?」

 東の空から、建物の間から太陽が登って来た!


「「「「「おぉ〜お♪♪」」」」」

 「新年初のお日様ですから、健康を祈りましょう♪」


「「「「「はい♪」」」」」


 健康で一年無事に過ごせます様に・・・願う流人達でした。 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ