第三百五十九話 仕切りは大切です。
時間も2時間程過ぎ明菜が歌の為退室、
隣の撮影スタジオへ移動している間に次々と合流して来たメンバー達、
特に未成年の参加者が多く雅子達もびっくり!!
毎年恒例の忘年会は泊まりなので未成年達、特に親御さんの承諾が難しく
本人が参加したくても事務所的に許可が出なかった。
そんな未成年組のメンバー達が今回参加しているので、
派閥を管理している友里も困惑する!
特に今回から初参加と言うつばさちゃんや、ふみちゃんの二人、
人見知りで緊張しているつばさちゃんと、
物怖じはしないけどデビューしたばかりで緊張しているふみちゃん、
つばさちゃんのフォローを絢ちゃんや夏歩ちゃんが、
ふみちゃんのフォローをエリカがしていた。
「沖縄出身で、内さんと同じ事務所の子でモデルと女優をしている子」
「◯◯堂ふみです。」
「「「宜しくね♪ ふみちゃん♪♪」」」
「つばさちゃんは、モデルなんだけど・・・・」
「流人さんのお気に入りです!」
「え!」
「「「え!?」」」
夏歩ちゃんの言葉につばさちゃん本人が驚く!
その様子にメンバー達も驚いていた!!
「前に一回、花火を見る会に参加してたよね?」
「はい・・・あの時は流人さんに強引に誘われて・・・」
「なるほど♪ 宜しくねつばさちゃん♪」
「よ、宜しくお願いします。」
「「「宜しくぅ♪♪」」」
別に流人と何か関係がある訳ではないけど、
流人と知り合い、流人の我が儘に付き合う関係なのだと友里が直感で理解し
この子も間違いなくメンバーなんだと理解した。
「ってか、二人とも若くない?」
「あ! 私、15です。」
「私は・・・13です。」
「「「「「13!!」」」」」
「大丈夫なの? 子供だよ?」
「大丈夫でしょう(笑) ねぇ?」
「はい! ・・・よくわかりませんが(笑)」
「「「(笑)」」」
「大丈夫よ♪ 何かあったらお姉さん達に言いなさい(大笑)」
参加者が増えたので改めて乾杯をする事になったのだけど、
明菜が不在なので雅子にっとなる筈だったのだけど雅子の強い要望で、
「エリカさん、お願いね♪」
「私ですか・・・w」
「それじゃぁ、 未成年はお酒は駄目だぞ!って注意はしましたよ♪ 乾杯♪♪」
「「「「乾杯♪♪(笑)」」」」
「(大笑)」
「「乾杯?」」
もえと観ちゃんが料理を増やす、
後から参加して来たのんや希ちゃんも手伝っていた。
初参加のつばさとふみちゃん、
何をしていいのか分からずにおどおどしている。
「新人は、度胸よくなんでもフラれたらやる♪」
「「はい!」」
「それ以外は、子供なんだからいっぱい食べて♪♪」
「「はい♪」」
出演者が増えると如何しても纏まらず放送事故ギリギリの放置状態に!
そんなだらだら状態だったスタジオに流人が登場した!
「こらぁ〜! MCはちゃんと仕切りなさい!」
「「「「「流人!」」」」」
「なんよぉ?(笑)♪♪」
雅子もエリカも、明菜が不在になった途端、
何をしていいのか分からなくなって真っ白に、
そんな状況下に流人が現れ安堵した♪♪
「おぉ〜♪ ばっさーお久ぁ♪♪」
「まさか流人が居ないとは知らなかったので・・・」
「なに? 私が居ない方がよかったの?」
「そんな! 来ていただいてよかったです。」
「この子、漫画とゲームが大好きだから♪ 色々教えてあげてね(笑)」
「「「教える? 私たちが?」」」
「教えるのはお仕事の事ね(笑) ゲームは教わりなさい(笑)」
「「「あぁ」」」
「あれ? ふみちゃんは? どこいった?」
「ここに居ます!」
料理の手伝いをしていたふみちゃん、人参などを一口大に切っていた。
「あの子は女優として表現者として魅力的ですから♪
その辺のフォロー宜しくね♪♪」
「「「表現者?」」」
「写真とかファッションとか?」
「「「「あぁ」」」」
「宜しくお願いします」
キッチンの方で頭を下げて挨拶しているふみちゃん、
「ふみちゃん、危ないから包丁は置きましょうね(笑)」
「あ! すみません。」
「「「宜しくね♪ ふみちゃん♪♪」」」
「お願いします。」
流人が冷静に周りを見渡す・・・
「友里、 料理こんだけ? もっと食材あったでしょう?」
「うん、台車にまだ沢山あるよぉ♪」
「見栄えがあるでしょう? じゃんじゃん作りましょう♪」
流人が台車の方へ向かう、
食材の中から肉と魚を取り出しスタッフの方を見つめると、
スタッフの方も空気を読んで専用の調理場をセティングしていた。
「雅子! 桂剥き出来るでしょう?」
「桂剥き?」
「お刺身の下に敷いてある大根です、見た事あるでしょう?」
「あぁ、出来る! 任せて♪」
「友里とエリカ!」
「「はい!」」
「今日のゲストのファッションなど色々聞き出して!」
「「あ! はい!」」
「行くよエリカちゃん♪」
「はい!」
友里が水を得た様に軽やかに動き回る!
最初にのんや希ちゃんに、そしてつばさちゃんやふみちゃんにと、
友里のセンスで問う順番を決めていた。
流人が寒鰤を捌く!
「夏歩ちゃん、土鍋を用意して昆布出汁を入れてもらえるかな?」
「はい! 土鍋に昆布出汁♪」
「誰か? 寸胴用意してください、あと大根もね♪」
「寸胴?」
「大根・・・まだあったかな?」・・・スタッフの慌ただしくなって来た!
鰤の腹身を薄造りにして大皿に盛り付ける、
背の方も少しだけ薄造りにして脂の乗具合と食感の違いを楽しんでもらう。
「流人お刺身じゃないの?」
「これはね、 鰤しゃぶしゃぶです。」
「しゃぶしゃぶ?」
あっと言う間に鰤を解体、
頭や中骨は鰤大根に使い、お刺身としゃぶしゃぶの二種類を完成させた。
次に大量に用意された伊勢海老を片っ端から剥いていく!
身を氷水に晒して締めて刺身に、残った殻を寸胴に入れて海老出汁を取る。
「やっぱり流人が居るとスピードがち違うわぁ(大笑)
つばさちゃんとふみちゃんはこっちに来て食べなさい(大笑)」
「・・・いいんでしょうか?」
「みなさん働いているのに?」
「いいのよぉ(大笑) 邪魔にならない様に料理の感想を言う大役だからね(大笑)」
「「料理の感想?」」
和っ子さんが鰤しゃぶを試し食べる!
「おいしぃ〜♪」
その仕草をカメラが撮っている、
作る担当も必要だけど視聴者に伝える為に、
食べる担当も必要なんだとつばさもふみも理解した。
伊勢海老の殻から出汁を取る地味な役割を代わってもらった流人、
次に肉料理にかかろうと思ったが、
もえ達がローストビーフを作っていると言うので予定を変えて豚モツに・・・
アク抜きを何度か繰り返した白モツを大きい寸胴鍋に全部投入、
酒と砂糖と生姜を入れて煮込みはじめ、
蒟蒻に隠し包丁を入れて適度な大きさに切って鍋に投入して水を入れる。
赤味噌とニンニクのすりおろしを入れて煮込み続ける・・・
「もえ! 鳥唐作って欲しい。」
「鳥唐?」
「クリスマスだからチキン食べたいでしょう?」
「分かった♪」
「絢ちゃん!」
「は!はい?」
「ザンギの作り方聞いて来た?」
「はい! 作れます♪」
「じゃぁ、もえと一緒にザンギも作ってください♪」
「はい♪」
「ザンギってなに?」
「北海道の鳥唐です、 醤油ベースの甘辛ダレに漬け込んだ唐揚げです♪」
「へぇ〜♪ 美味しそう♪」
「(大笑)」
和っ子さん達の食べる担当の中に何故か? まさみも入って食べていた!
流人もザンギに興味があったので絢ちゃんの作り方を見学している・・・
鶏肉を一口大に切り砂糖をまぶしてよく揉み込む、
大きなボールに醤油、生姜、大蒜、酒、胡椒を入れてよくかき混ぜる。
砂糖で揉み込んだ鶏肉をボールの中に入れてさらに揉み込む、
鶏肉に醤油の色が染まり出すまで揉み込んだら小麦粉をまぶして揚げて完成♪
「手慣れてますね絢ちゃん?」
「流人さんに言われてから3回練習の為にザンギを作りましたから♪」
「なるほど・・・通りで手慣れている筈ですね(笑)」
「♪♪(笑)」
伊勢海老の殻から出汁が出たので生パスタを茹で始め、
海老出汁に生クリームと塩、胡椒を入れて味を整え、
茹でた平面パスタと絡ませて完成♪♪
「ほい♪ 伊勢海老の生クリームパスタ♪ お食べなさい(笑)」
「「「美味しそう♪♪」」」
少しずつ取り分けて全員が食していた。
「贅沢だよね(大笑)」
「伊勢海老・・・全部使ったんですものね(汗)」
「クリスマスって感じだよね(笑)」
「これでプレゼントがあればね(大笑)」
「あ! 忘れて来た!」
「「「え!」」」
流人が慌ててスタジオを出て行く!




