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第三百四十一話 流人の失態と女の覚悟

 どのくらい流人は彼女(エリカ)を抱きしめていたのか・・・

エリカが泣き止むまで、エリカの思いが流人に伝わってくる、


 幼少期から虐めや不幸が次々と襲い、

逃げる様に芸能界へ入って来た。


 この世界ならハーフでも虐められない、

この世界なら私を普通に見てくれると努力を重ね、

大人達に好まれる様に頑張り続けていたのに裏では・・・


 信じていた人達に裏切られた、どこかへ逃げたいけど当てがない、

一般人として戻れる自信もないし、親友の様に知識もスキルも何もない


 自暴自棄に入っていたエリカが賑わうお店の中へ、

ドラックストアの雑音が心を無に変え騒動的に買い込んだ・・・


 「一般人に戻れますか?」

「・・・無理。」

 「ですよね♪ それにもったいないですよ♪♪」

芸能界(このせかい)はもっと無理! 出来ない!」

 「・・・困りましたね・・・」

「ごめんなさい。」

  

 「これから如何しますかね?」

「・・・ママにも迷惑掛けるから帰れない・・・」


 地中海レストランを経営しているエリカママ、

エリカが帰ると当然マスコミが邪魔するので帰れないと情けない答えが・・・


 「母親が、実の娘より店を気にしますかね?(怒)」

「私が気にするの!」

 「ありゃ(笑)」


 今までは、暗黙のルールでエリカママの店に張り込むマスコミはいない、

一応親でも一般人として対応しているが、エリカが帰れば確実に群がるだろう


 「引退すれば、一般人になれるんですかね?」

「・・・わからない。」


 過去、引退宣言してもいまだに追い回されている芸能人は多く、

事務所の力が無ければマスコミにモラルなどなく、

その事務所が今回の対応ではエリカがの望む様な援護は期待できなかった。


 「困りましたね・・・」

「ごめん」

 目を真っ赤に腫らしながら、それでも笑顔で謝るエリカが愛おしく、

つい無意識に流人はエリカに口づけしてしまう・・・!!


「!!」

 「ごめん、つい無意識で・・・」


 驚くエリカだったが様子が違った・・・

 「エリカ?」

「流人・・・眷属ってなぁに?」

 「え!」


 エリカを鑑定すると・・・流人の眷属 (仮)と表示が!

 「如何して? 三賢者?」


「儂も分からん! いや、流人と何度も肉体関係があれば・・・」

「契約は可能と言うことか? 初めての事じゃな?」

「 (仮)とは如何言うことじゃ?」

 「私が聞きたいですよ!(怒)」


  (仮)なら取り消せるのかと思うが取り消し方が分からない、

慌てる流人にエリカが笑顔で伝える、

「眷属でもなんでもいいよ(笑)」 

 「全然良くないですよ!」

「なんで良くないの?」

 「それは・・・」


 諦めてエリカに全てを話す・・・

異世界から呼ばれて来たことや眷属の契約の事を・・・


「いいじゃん♪♪ 私、流人の眷属になる、なりたい♪♪」

 「簡単に言いますけどね、永遠なんですよ永遠(怒)」

「いいじゃん♪ 永遠の契って素晴らしいでしょう?♪♪」

 「主従関係ですよ? 生涯奴隷ですよ? 永遠にですよ?」

「流人だったら・・・奴隷でもいいよ私は♪」


 「なんでぇ・・・?」


 何度も何度も説明を繰り返す流人に、エリカは反対に論破して行く


「反対に聞くけど、私が眷属になって流人が損することあるの?」

 「・・・」

「H出来なくなるとか?」

 「それは大丈夫です。」

「だったらいいじゃん♪」

 「なんでH出来ればいいじゃんみたいになるんでしょうかね?」


「(笑) だって流人には彼女が居るんだから(笑)」

 「眷属になったらエリカとは結婚とか出来ませんよ?」

「・・・する気も無い癖に(笑)」


 眷属として流人の心が見えるエリカ、

抑々ニュースで知った彼女に勝てる気がしなかった。


「明菜さんも、雅子さんも眷属なんでしょう?」 

 「そうですけど・・・」


 同属としての情報がシンクロしてエリカにも伝わり秘密を全て知ることに、

「私も流人の為に頑張りたい♪」

 強い思いをぶち当てられ流人は反論出来なかった。


 「生身の人間に眷属としての務めは大変ですよ?」

「そっかぁ、私は普通なんだよね・・・」

 チャンスと思った気持ちを透かさず察知したエリカ、

不利な環境でも負けないと宣言して流人に迫る!


「負けないから・・・今度は流人だもん、裏切らないよね?」

 「本当に大変ですよ?」


「大丈夫!」

 そう決意を述べてエリカが流人に口づけすると (仮)の表示が消えた!


「Erika・Rq だって♪」

 

 「完全に私の眷属になってしまいましたね。」

「やったぁ♪ よろしくねご主人様♪♪」

 「Erika、その呼び方はやめてください!」


 いつもの冗談のつもりで放った言葉を否定した流人、

凄い罪悪感に追われ全身が震え立っていられない・・・


 「分かりましたか? 主従関係って意味が(笑)」

 流人が笑うと恐怖が消える、何が起こったのか理解出来ないErika、

流人の感情が直接伝わるので流人の意思が思いが分かる代わりに怒りや憎悪が

耐えられない程の恐怖となった。


 「もう戻れませんよErika?」

「・・・面白いじゃん♪ 流人の心、ハッピーにすればいいんだから♪♪」

 「その前に、その貧弱な身体を鍛えないとね(笑)」

「え!」

 体型維持の為にジムに通い鍛えていたエリカ、

貧弱と言われてもこれ以上は無理だと思っていたけど、

明菜や雅子のイメージが伝わってくる・・・


「私に出来る?・・・やる!♪♪」

 「期待してますよ♪♪」

「はい♪♪」

 流人の言葉がこれ以上にない程心地よく聞こえた!


 「クロウ!」

 流人がクロウを呼ぶと、エリカに構わず姿を表す!

「お呼びにございますか、流人様?」


 「エリカをウチで引き受けますので、事務所に了承を貰ってください、

 なんだったら・・・」


「承知いたしました。」


 す〜っと消えるクロウ、眷属としてエリカの心に流人の気持ちが入ってくる

「流人・・・」

 「大丈夫ですよ、クロウなら上手く解決するでしょう(笑)」




 夜には緊急会見が行われ、涙ながらに謝罪を続けるエリカの事務所会長、

「今回の件で私共の誤解により致命的な誤解を招いた事を深く詫びたい。」


 記者達からは、なんの事か?理解出来ていなかったが会長が続けて・・・

「私は彼女を庇う立場であり、叱責する立場ではなかった。」


 誰もがエリカの無期限謹慎は自業自得と思っていたが、

それを過ちと否定した会長・・・


「今回の件で大切な逸材と信頼関係が崩れ誠に申し訳ないことをしてしまった。」


 テレビで見ている流人の側にいるエリカに対しての謝罪会見だったと

この時初めて理解した。


「もう一度関係完全を願いたいが、出来た溝は私の想像以上に深く、

今回断腸の思い出、エリカの移籍を承認いたしました。」

「「「え!」」」


「プロジェクトRへ移籍しても、現在受けている仕事は継続出来る様、

当社が責任を持ちまして各企業に挨拶、説明をしたいと思います、

また、今後当事務所が、エリカに協力出来る事がございましたら、

全力で協力させて頂くことをここで発表させていただきます。」


 「まぁまぁですかね♪」

「まぁまぁって・・・」


 テレビを見ている流人の機嫌が良くなっているのが伝わるが、

事情を知らないエリカは不安でたまらなかった。

 

 「会長にね、トイレの出来事を教えたんですよ(笑)」

「え! 知ってたの?」

 「はい(笑)」


 クロウからICレコーダーを聞かされ、

声の主が誰なのか直ぐに理解した会長!

 直ぐに問い詰めようとしたが、その前に自分がクロウや紅丸達に問い詰められ、

事態の重さに崩れ落ちていた。


「どうすれば・・・?」

「◯◯を解雇したところで、なんの意味もないでしょう?」

「我々の怒りが治まる事はございません。」


「飼い殺し・・・」

「(笑) 徹底的にお願いしますね?」

「呉々も、societyのメンバーに害のない様に、

それが事務所としてのけじめでしょうかね(笑)」


「エリカは・・・」

「当社(プロジェクトR)でお預かりいたします。」

「エリカに・・・申し訳ないと伝えてくれ・・・」


「会見でどうぞ(笑)」


 って事があった事をクロウからエリカへ伝えると、

なんだか可哀想な気持ちがエリカの中で芽生えていた・・・


「会長を許してあげて流人!」

 「許すもなにも、今回の件はあなたが中心ですから(笑)」

「だったら・・・」

 「これ以上は何もしませんよ♪」

「本当に?」

 「あの事務所にはね、私のお気に入りが沢山所属しているんですよ、

 本気なら、全員引き抜いて、事務所を潰してますよ(笑)」


 夏歩や栞里ちゃん、絢ちゃん、ばっさーが所属する事務所、

会長が無能ならこんな会見すら行わなかったと流人が説く、


 「今回の件で、所属タレントは安心するでしょう? 

 自分達を大切に思っているてね・・・一人を除いてね(笑)」


「流人・・・」

 「他人の心配より自分の心配をしなさいErika・Rq!」

「私・・・はい。」


 貧弱な肉体では眷属は務まらない、

主人(るーと)の感情の変化に精神が付いていけず、

このままだと人格破壊を起こす恐れがあると流人が告げる。


 「廃人となっても眷属として屍として仕える事になるんですよ?」

「・・・どうしたら・・・」

 「私も昔は貧弱な人間でしたから、問題ありません♪」


 流人が通って来た鍛錬をエリカが辿ればいいと簡単に言う

 「出来るんですよね?」

「やる!」

 「いい表情です♪♪」


 マスコミからエリカの所在を問われている黒天達、

「当所属タレントのプライベートを何故お知らせしなければならないのです?」


 その一言で、会見は終了し、エリカバッシングも無くなった。



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