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第三百二十四話 初、冠番組ですか

 三月下旬の都内、

辺りは選挙で騒がしいが、

流人の自宅ではメンバーを迎えて花見を行っている。


「まさみちゃんは?」

 「ドラマの収録で忙しい様ですよ、Aちゃんも欠席でしょう?」


 4月からの連ドラに出演している二人、

毎日毎日忙しい様子で、番組宣伝があるので遊ぶ時間がないと嘆いていた!


「流人は?」

 「私?」

「新番組やるんでしょう?」


 4の局長から強い要望で断れず、

深夜帯だけど流人がMCの30分番組が4月から放送される。


 「あれ録画ですから(笑)」

「そうだろうけど、収録は?」

 「毎週行う予定ですよ、ただ放送は中旬なので、

 来月に入ってからの収録です。」


 深夜帯なので視聴率は気にしなくていいと言われている

それを鵜呑みにしている流人だが、企画はかなり真剣に考え、

既にセットも組み常設して収録に備えてある。


「一番最初のゲストって誰を選んだの?」

 友里が恐らく、東村さんか尼崎の2人と思い流人に聞いていた!


 「誰でしょうね(笑)」

 流人の笑みに覚えがあると直感した友里が焦る!

「嘘でしょう?」

 「感が宜しい様ですね友里さん(笑)」

 

 流人が最初のゲストに招いたのは友里達だった!


「ちょっと待ってよ! 私たちも?」

「なんでよ! エビだけでいいでしょう(汗)」


 京子さんともえも驚いを隠せない様子だけど、

流人は友里ともえ、そして京子の3人を初回ゲストとして招いていた。


「モデル3人なんて深夜なのに豪華だな流人?」

 「はい♪ どうしてもね3人と話したくてね(笑)」


「話ならここでいいじゃないの?」

「ってか如何して私たち知らないのよ?」

「スケジュールに書かれてなかったよぉ?」

 「内緒の方が・・・楽しいでしょう(笑)♪♪」


「「「最低(怒)」」」

 「(笑)」


「っで流人よぉ、どんな番組なんだ?」

 「そうですね・・・」


 深夜枠なので居酒屋風のセットを組み、店主役を流人が、

常連客のゲストを迎えて色々トークを広げる


「俺の番組と似てねぇか?」

 「あれを企画したの私でしょう?」

「そうだったっけか?(笑)」

 「師匠の番組とは笑いが少ないのでかなり違った雰囲気になると思ってます。」

「笑いがないのか?」

 「私に笑いのセンスはないのでねw」


 ゲスト出演予定の3人が何やら不安の様子なので流人が軽く説明する、

閉店間際のお店に常連客として乱入!

流人が呆れてのれんを片付け一緒に飲み始める・・・


 「これは毎回同じパターンとして使いたいと思っています。」


「うん」

「それで?」


 残り物の料理を肴に酒を飲みながら、ゲストの愚痴を聞き、

流人の思い付きの行動で30分を過ごす・・・


「思い付きってなによ?」

「やな予感がするよぉ!」

「ちょっと不安ですね?」

 

 「大丈夫ですよ、その場の気分ですから(笑)」

「(笑)」


 その場の気分で番組を進行すると言う流人に東村が笑う♪

流人(おまえ)はいいけど、ゲストは大変だぞ?(笑)」

 「その為に3人呼んでいるんですから(笑) 大丈夫でしょう?」

「「「大丈夫じゃない!」」」

 「♪♪(笑)」


 societyの中ではお姉さん的存在の3名、

流人も友里以外は弄る事もなくメンバー達からも雲の上的存在として、

緊張してか?警戒してか? なにか壁の様なものを感じている。


 それでも仲良く交流しているのだから・・・

っと贅沢な悩みに出た答えとして、もえと京子を弄ってみようと思った。


 もえの性格は献身的で向上心に関心があり、

それなのに自分に自信を持てない内向的なタイプで、

時間はかかるが誰でも付き合いやすい。


 反対に京子の性格は、思う事をはっきりと伝えたいタイプで、

簡単に例えるならドS系、相性が合えば親しくなれるがきっかけが難しいので、

誰でも付き合えるタイプではない。


 3人に共通する事は、素直で面倒見がいいところ、

派閥の後輩達の面倒も教育も彼女達に安心して任せられる、

 だからこそ、もう少し距離を縮めて接して欲しいいし、

後輩達にも彼女達に飛び込んで欲しい。


「私たち、そう言うキャラじゃないよね?」

「そうそう、綺麗なお姉さん系だしね?」

「お笑い系は・・・ねぇ?」


 「別にね、 お笑い担当にって求めてませんからね?」


 モデルとして女優として綺麗なお姉さんでも構わない、

ただ、トーク力、言葉のキャッチボールのスピード感を養って欲しい。

 

 「頭で考えてからの発言ではテンポが遅いと思うんです?」


 尼崎の2人や関西系の芸人さんのテンポの速さに合わせると

頭で考えると遅く、感覚で言葉を返すと失言になりそうになる。


 「経験だと思うんです。」


「そう正論を言われちゃうとね・・・」

「年下のくせにムカつく!」

「でも、それと流人の番組に出る事は、違わないかな?」


 「身内同士で練習しません?♪♪」

「「「練習?」」」


 いきなり関西弁の早いテンポには付いていけない、

そこで、流人の番組で会話のキャッチボールを練習することを提案する。


 「仲間内ですから、お互いの事ある程度は承知しているでしょう?」


「そりゃぁ〜・・・ねぇ?」

「うん、」

「今では撮影の合間でも話すしね♪」

「「うん」」


 「って事で、新番組1発目お願いします。」


「なんか・・・騙されてない?」

「そんな感じがする。」

「私の感も同じ!」

 「(笑)」


 花見の実況や感想を聞いたり、本日のファッションポイントなどを

3人に聞いてこんな感じの緩やかな番組と説明して3人は納得していた。


「ファッションの話とかでいいのかな?」

 「いいんじゃないの♪ トップモデルですよあなた達は(笑)」


「こんな感じなら、話しやすいよね♪」

「うん、 リズムが合っている感じだから緊張もしないよね?」

「そうだけど、深夜だよね?」

 「深夜だから気軽に出来るんですよ(笑)」


 ゴールデンタイムなら10%以上の視聴率が求められるが

深夜帯なら1桁で十分、2%あれば継続もあると東村達が説明していた。


「2%?」

「抑々視聴者が少ないからな(笑)」

「大丈夫なの?流人?」

 「大丈夫ですよ(笑)」


 深夜帯でも、ネームバリューのある3人がゲストなら、

ある程度のファン数が視聴するはず、

初回としては無難な対策と製作部も承知していた。


「私達でいいんだ?」

「見てくれるかな?」

「番組に出る宣伝をどこかでしたいよね(笑)」


 「宣伝はお任せください♪」


 新番組の番宣として4の特番に何回か出演する流人、

そこで初回ゲストをアピールして視聴率に繋げると

不適な笑みを浮かべながら説いた・・・。


 番組の話を終わらせて、友里達に新作の夏物服を見てもらう


「夏物だよね?」

「生地が厚くないかな?」

「何枚か重なっているよね?」

 「少し華やかなデザインを考えてみたんですけど?」


 着物の様に大きく合わせた感じのデザイン、

Tシャツなのだが、首元が深いV字の左前の合わせ着になっている。


 生地を合わせている為に普通のTシャツより生地が厚いが、

通気性と発汗性の優れた綿素材を使用している為に熱くはならない。


 他にも細かいタックが入ったセーターやワンピースなど、

今までのシンプルなデザインと違いお洒落になっていた。


「組み合わせが難しいかな?」

「シンプルな物に比べれば合わせが限られるよね?」

「でも、可愛いよね♪」

「「そうね♪♪」」


 手に取って素材を確認したり、試着したりと、

本業のモデルとしての所作は流石と思うほど優雅で魅力的だった。


「流石、えびちゃん達だな(笑) プロって感じが伝わって来るよな♪」

「私なんか、取り敢えず入ればOKだけどね♪♪(大笑)」

 「(笑)」


 浴衣なども着崩して着熟す為に丈の長さや、袖にフリルを付けたりと、

今までの浴衣とは違うデザインに友里達は上がっていた♪♪♪♪


「流人! これ番組で着ちゃ駄目?」

 「4月ですよ?」


「そうだけど・・・」

「浴衣は無理があるけど、このTシャツとワンピなら・・・」

「こっちのセーターとデニムのパンツを合わせてもいいよね♪」


 「その辺は友里達(あなたたち)の方が専門ですから、お任せします(笑)」

「やったぁ♪」

「societyRの新作だよ♪」

「流人の番組なら問題ないよね(笑)」


「ところでよぉ、流人よぉ?」

 「なんでしょうか師匠?」

「初回はえびちゃん達だろ、 2回目は誰なんだ?」

 「(笑)」

「まさか!」

 「お願いしますね(笑)♪♪」


「まじかぁよぉ〜・・・。


 桜の咲く庭に師匠の嘆き声が響いてた・・・(笑) (大笑)

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