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第三百二十一話 行政改革編 1

 三月末日、都内の区議会選挙の結果が深夜に速報で知らされる!


 最年少で初当選した新人区長が6名も一気に誕生、

その他にも最年少で区議会議員に当選した議員が多数出現し、

 首都とは言え、

地方行政に新しい風と言うより台風が発生したと話題になっていた。


 「全員当選ですか?」

「その様にございます。」

 「まずは一安心ですね♪♪」

「は! 週明けの初登庁か、緊急議会会議を開き、

公約議題を審議したいと思っております。」

 

 「邪魔は無いでしょうが、法律に照らして不手際の内容に願います。」

「「「「「「御意」」」」」」


 6区の区長が流人の激励に応え月曜日の初登庁から一気に改革を行う・・・



 月曜日の朝、区の職員達が区長となった僕を暖かく迎え入れる為に

庁舎の前で並んで待機していたが、彼らの思惑は少しズレていた・・・


 登庁して来たのは、区長だけでなく区議会議員全員で、

区長の発言・・・

「緊急区議会を招集しますので、準備をお願いします。」


 少々の雑談程度で初日の公務は終了すると思っていた職員達、

慌てて会議室の準備を進めるとその中に、

見られぬテレビ制作スタッフが混ざっていた!


「なんだね君たちは?」

 「その方達は通して構いません。」

「区長?」

 「これからの議題などの会議は全てオープンに公表して行きますので

 そのつもりで対応していただきます。」

「対応していただきますって・・・」


「区長、配信速度が遅いので、生中継は無理です。」

 「そうですか、 では録画配信で行いましょう」

「準備します。」

 会議室にカメラが設置されて当選した区議会議員達が席に座って行く・・・


「テスト行います・・・」


「録画画像配信して確認します。・・・OKです。」


 準備が整い次第さっさと始める区長・・・

「どうぞ!」

 「皆様、初めまして新区長の(かなめ)大地(だいち)です・・・」


 区長が淡々とカメラに向かって説明を始め、

これから議員数の削減や、議員報酬の一元化などを

丁寧に分かりやすく説明していった。


 「色々な議員特権の恩給を全て廃止して

 日割り所得として議員報酬としたいと考えております。」


 何に使われているか分からない経費などの支給を廃止して、

議員報酬として年間3,000万円を日割り計算で支払うと宣言した。



 「また、議員の数を大幅に削減する事で、個々の活動と責任に期待して、

 現行の定数から12議席に削減したいと考えております。」


 現在44議席ある区議会議員の数を12に削減すると宣言した!


 この発言をしていた頃には、流人達以外の派閥議員達も会議室に到着!

詳しい事情も聞かされないまま会議室に駆けつけていた!


「こんな話聞いてないぞ!」

「登庁初日になにやっているんだ!」

 

 「うせぇ〜わぁ!」


 区長から思いもよらない暴言が飛んで来てびっくり!

しかしこれ幸いと、他党の議員達は一斉に野次を飛ばし区長を攻めた!


  区長の言葉が罵声で聞こえなくなった事を確認して区長は発言を止める、

それと同時にカメラマンは罵声を上げていた議員達を映し回る!


「なに撮ってるんだ!」

「やめろ!」


 「それでは、議題に対しての決議を行いたいと思います。」


 区長の発言に、慌てた議員達!

抑々何の議題なのかも知らされていない為如何していいのか分からないが、

取り敢えず区長に罵声を浴びせていた!


 議長の選出が行われ、流人達の議員から指名、大多数によって可決し、

議長が議題を次々と決議して行く・・・


「議員数の削減案、大多数の可決により成立しました。」

「削減案?」


「次、議員報酬の一元化案・・・大多数の可決により成立しました。」

「報酬の一元化?」


 その他にも、

議会の解散権や区内の特別条例案などが次々と大多数で可決成立していった。


「全ての議題が賛成多数によって成立しました。

従って特別条例事項に従って1週間後議会を解散、区議会選挙を行います。」


「「「「「万歳ぁ〜い♪♪」」」」」


 何故か万歳と叫んでいた・・・・。


 何事が起こったのか理解出来ないでいた他党派閥の区議員達、

早々に帰る区長達を茫然と見送り会議室で罵声を発してた!


「なんなんだ!」

「こんな横暴が許されるのか!」

「無効だ無効!」

「区長の暴動だぁ」


 職員達しか残っていない会議室で、ただ喚き散らしていた・・・、


 この様な光景が他の区でも行われていた、

6区全てで同様な行動が行われ、事情を聞いたマスコミが区長の元へ押し寄せ、

6区合同の記者会見を行った・・・


 「ご覧の通り、議題内容も理解してない、する気もない、

 ただ罵声を浴びせ議会の妨害しかしていない議員に血税を支払う必要はない

 その為に、議員数の削減、そして報酬の一元化を行い、

 区民の理解を得たいと考えております。」


「昨日の今日では余りにも性急なのではないしょうか?」

 「あなたは、我々の区民でしょうか?」

「・・・」

「失礼、私は区民です。」

 「それならお分かり頂けると思います、

 区の血税をあの様な◯◯に使う事の懸念を理解されていると思いますが?」


「確かに・・・」

 「我々は区民によって選ばれた代表です、区民の為に奉仕するのであって、

 余所者(がいぶ)の為に政を行うつもりはございません。」

「「「な!」」」


 「選挙で判断していただく、それだけです・・・以上!」


 今までと明らかに違う政治家として、如何対応すればいいのか?

マスコミを困惑していたが時は進む・・・。


 区議会議員達は賛成多数で解散総選挙を行う為、もう一度選挙に挑んだ

ただし今回は定数がたった12議席しかなく、立候補者の人数も減少していた。


 「政府第1党が2名ですか? それ以外は候補者1名・・・」

「12名中最低7名以上が必要ですから、厳選して協力して行きたいと・・・」

 「必要ないでしょう? 12議席、少なくとも10議席は取りましょう」


 他党と協力せず、10議席を取ると言う区長、

其々の区で12名を擁立選挙戦に挑んだ!


 立候補しなかった元議員達は、其々の仲間達の応援に駆け回り

個人の支持者達にも理解をして頂く為に奔走して回った・・・そして、


 2度目の選挙けっかが、4月下旬、ゴールデンウィークの1週間前に結果が出た!


 「12名全員ですか?」

「はい」

 「政府第1党からは入って来ると思っていたんだが?」

「票が割れて共倒れだった様です。」


 決定的な敗因は、会議室での罵声を浴びせていた事だった、

事情も理解していないにもかかわらず、己の都合だけで罵声を浴びせていた議員

その傲慢さが区民にNOを突きつけられていた。


 6区全てが全員当選、区民達にも苦難な公約があったにも関わらず、

長年変えられなかった行政改革をたった数日で可能にした手腕を評価し、

4年間、共に協力して行くと言う区民からの期待の答えでもあった。


 ゴールデンウィーク前に区長が庁舎へ入り、

今回はマスコミを交えて宣言を発動した!


 「まず、区内の生活保護などの支給を全て廃止します、

 勿論支給者達には他の区もしくは他県への移住を速やかに可能にする為

 転居補助を臨時で行いたいと考えております。」


「臨時補助?」

 

 生活保護を受けていた人達が引っ越すにあたって、

区から引越し費用として数十万円を支給する。


 「混乱や不正を防ぐ為に、区内への新たな移住を禁止し、 

 特例を除いて、数年間区内への転居を禁止する事を考えております、」


「な!」


 引越しを繰り返して補助金を不正に受け取る事を防ぐ為、

区内へ新たな移住を認めず鎖国状態にすると区長が発言し、

この発言は6区全てで発せられた!


 これにはマスコミも質問攻めにして来たので、

この案件の質問に答えて行くがそれだけで1日が終わって行く・・・


 ゴールデンウィークに入り、区は休みに入っている中、

区内から引越し移る区民が大勢いた!


 生活保護を受けていない区民まで、

まるで戦乱を恐れる様に他へと逃げていった!


 これには都のトップ、都知事が苦言をあげ、

6区を避難したが事情が掴めず、後手後手に回り、

6区からの転居者の受け入れを各区に要請しただけだった。


「取り敢えず、6区全ての区長を呼べ!」


「それが・・・」

「なんだ!」


「休暇中とのことで・・・」

「なに?」

「GW休暇だそうです。」

「・・・」


 都知事などにかまっている時間がない6区の区長達、

プロジェクトRの会議室で、6区合同行政の法案作りに熱が入っていた・・・


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