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第三百十九話 イベントでしたね

 月終わりから流人は引き籠り、

楽しい気分を歌詞にしようと考えていたが、中々上手くいかず、

歌詞を諦めて曲作りに変更して、ハイテンションの曲が3つ程完成、


 曲作りに飽きたので次に油絵を描き始め、

「静粛と歓喜」と言う、

寂しい思いから嬉しい感情への切り替わりを表現して塗り始め、

乾くまでの待ち時間に、バラエティーの企画を考えていた。

乾いたら絵を描き、乾くまで企画を考えるの繰り返しを毎日繰り返していた。


 2月に入ってもそんな毎日を続けていた流人、

その生活循環を止めたのは15日だった・・・

 まさみに呼び出されsocietyR本館で待っているとのことで、

急いで向かった流人だったが・・・


「どうしてかな?」

 「いやぁ・・・そうでしたね、バレンタインってありましたね(汗)」

「ありましたねって、彼女が居たら普通忘れないよね?」

 「そぉ・・・ですね(汗)」


 油絵に夢中になってメールチェックなどを忘れていた流人、

彼女からの何度も来たメールをガン無視していた様だw


「フラれたのかと思ったし(怒)」

 「そんな訳ないでしょう(笑)」

「全然(怒) 笑えない・・・よね?(怒)」

 「はい・・・」


 この世界では、2月14日にイベントがあり、

女の子が男にチョコを持って告白する年に一度のイベントがある。


 チョコは好きだけど、イベントそのものには全く興味が無かった流人、

毎年無視状態だったので今年も誰も告げて来る人もいなかった・・・のだが、

 ドラマの収録で忙しい中、渡す時間を確保したいと、

何度も何度もメールで知らせていたのに・・・っと激怒していた。


 「でもね? 私達、 既に付き合っているんですよ?

 今更告白も無いでしょう?」


「そうだけど・・・確認したいじゃん(怒)」

 「確認ですか・・・(笑)」

「だから(怒) 全然笑えないでしょ?(怒)」

 「はい・・・(汗)」


「自宅知らないし、電話番号忘れたし・・・」

 「忘れた?」

「・・・ごめんなさい。」

 「謝る必要ないですよ、私も知らないですから(笑)」


 「それじゃぁ、 私の住居に来ますか?」

「・・・いいんですか?」

 「メンバー全員、 多分知ってますからね(笑)」

「・・・」


 車に乗り込み渋谷の流人の居住区へ・・・


 「ここです♪」

「・・・」

 入り口に交番が設置されまるで外国の大使館か首相官邸の様な警戒

そして建物は倉庫の様な佇まい・・・


 「中入りますよ♪」

「はい・・・」

 

 震災後、危険と言われ見なくなった一階が駐車場スペースになっている奥へ

何故か階段で二階へ・・・

 「エレベーターもあるんですが、どちらも二階までしか行きませんから♪」

「そうなんですか・・・」

 

 「ただいま♪」

「「「おかえりなさいませ!」」」

 「飲み物とお菓子宜しくね♪」

「承知いたしました。」


 「こっちですよ♪♪」


 自宅へ向かうエレベーターに乗る様に勧め上の階へ・・・


「え!」

 「殆ど全員、同じ様に驚いてましたね(笑)」


 扉が開くと広い中庭が現れ、とても室内とは思えない空間が目の前に広がり、

天井は高く空の様で、日差しが当たる。 

 ただ外との違いは、温度が高く2月の温度ではないので木々が生々していた。


 「春にはメンバー達と花見をしてますのでね♪

 全員承知しているんですよ(笑)」

「それで・・・」


 「あれが、私の住居ですよ♪」

「あれ・・・が・・・。」

 

 茶室風の小屋を彼女が如何判断するのか楽しみにしていたが、

何も言葉が出て来なかった様で少々残念だった流人でした。


 中に入ると広さに驚く!

「広っろ! 」

 「(笑)」


 珪藻土の土間の玄関から膝ほどの高さがある為、腰掛けて靴を脱ぐ様に促し

中へ招くと大きな囲炉裏とグランドピアノが置いてある板の間で、

奥に部屋らしい扉があるが、・・・何て言うか・・・生活感が感じられなかった。


「ここに住んでいるの?」

 「はい一応ね(笑) 」

「一応?」

 「仮の住まいなのでね、それほど愛着が無いんですよ(笑)」

「仮?」


 都市再開発の為一時的に立ち退き、

新しい建物が出来るまでここで住んでいる事を説明しると納得したのか?

部屋を見回す彼女が何かの気配に気が付く!


「なに? 何かいた!」

 「あぁ〜♪ おいでなさいな♪♪」


 流人が壁に向かって声を掛けると、

壁の隙間から小動物が現れ流人に飛び移った!


「え! 家守(ヤモリ)?」

 「へぇ〜♪♪ よく知ってましたね(笑)」

「実家でたまに見かけた事があるから・・・」

 

 「我が家を守護していただいている由緒正しき家守さんです。♪♪」

「由緒正しき家守?」

 「はい、 鎌倉の神社からと皇居からお迎した家守さん達です。」

「家守さん達って・・・」

 「子供が生まれてね、 増えているで♪♪」

「そ・・・そうなんだ」

 「お嫌いですか?」

「苦手ではないよ・・・でも・・・」

 「なるほど(笑)」


 流人が手で家守達を壁に近づけると家守達は壁に飛び移り隙間へと去って行く

 「そうですね、それだとそっちの部屋は入らない方がいいでしょうね(笑)」

「部屋全体に居るの?」

 「違います(笑) そこまで大所帯ではないですよ(笑)」


 家守達の餌用に飼育している蟋蟀(こおろぎ)が大勢居ると説明した。

「大勢?」

 「そうですね(笑) 家守や庭の子達にの餌用なのでかなりいますから、

 覗かないほうがいいですよ(笑)」


「放飼なの?」

 「掃除が大変ですから、ちゃんと飼育場は設置してますが、見ますか?」

「・・・ちょっとだけ?」

 「(笑) 面白いですね、流石です(笑)」


 部屋の壁に流人が手を当てると扉が開く、

扉が開くと同時に蟋蟀の鳴き声が部屋中に響いていた♪♪


 中には、大きなアクリルケースが設置してあり、

模型のジオラマの様に立体的空間が出来ていてその中に、

大量の蟋蟀が飼育されていた!


 「数は聞かないでください、分かりませんのでね(笑)」

「はい・・・」

 軽く万を超える量の蟋蟀が10畳ほどの飼育場で飼育されていた。


 「この蟋蟀は外国産で飼育が簡単で繁殖力も高いのでね、

 外に逃げると環境に影響が出る恐れがあるので管理は確りしています。」


「・・・」


 国産の蟋蟀より繁殖力が強い為、逃げない様に注意していると説明したが、

まさみは抑々飼育していい蟋蟀なのか心配だった。


 「大丈夫ですよ(笑) ペットショップなどで販売していますから(笑)」

「そうなんだぁ・・・」


 生体で1匹5円〜10円程度で販売され、爬虫類や小動物の生き餌として

動物園やペットショップ、そして個人なども重宝していると流人が笑う。


「1匹・・・10円って言っても・・・・」

 「そうですね・・・」


 25度〜33度の温度調節をして、

水分と餌を与えれば簡単に増えると流人が笑いながら説明する。


「餌?」

 「ウチは主は鯉用の餌を粉末にします、あとは人参や葉物野菜ですかね♪」

「鯉の餌?」

 「あの餌が一番信用と実績があるんですよ(笑)」


 多くの鯉愛好家が使用している有名ブランドの餌、

パチンコ玉ほどの大きさがある為に、

ミキサーで粉末にして食べやすい様に工夫していた。


「魚と一緒で大丈夫なの?」

 「大丈夫ですよ♪、 鯉も雑食ですから、

 何より愛好家達が何十年も愛用しているから信用出来るでしょう(笑)」


「そうだけど・・・」

 「勿論、香草以外の葉物も与えますよ、たまにね♪♪」


 蟋蟀の飼育話に流人が楽しそうに応えている姿を見て、

一生懸命背伸びしている自分が恥ずかしくなったのか? 

気が楽になったまさみだった。


 もう一つの部屋にはPCとベットが設置されていて、

ベットの大きさ以外は普通の様な感じがした・・・


 「寝相が悪いのでね、大きいサイズが好きなんです♪」

「大きいサイズって言っても・・・」


 3mx3mの特注ベットを見つめて、

どんだけ寝相が悪いのって聞きたいまさみでした・・・。


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