表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
308/2659

第三百八話 謁見と報告

 皇居へ到着した流人達、

まさみさんだけ異常に緊張して蒼白状態で今にも倒れそう(笑)


 宮内の職員に案内されて・・・

 

 「あれ? 公式の広間ですか?」

「本日は祭祀重なりまして・・・」

 

 「ご迷惑でしたね(汗)」

「陛下の意向のままに・・・お気にせず」

 「すみません。」


 控えの間に案内され待機している間に、

まさみさんの様子が可哀想だったので流人が助言を伝える。


 「まさみさん、この程度で緊張していては女優の底が知れますよ(笑)」


 流人の揶揄に本能が目覚めたのか? 

女優としての自分を揶揄されブチ切れたのか? 

大きく深呼吸をした途端に女優オーラを漂わせ、

眼光に強さが戻り生気に満ちていた!


 「それでこそ我妻ですね♪♪」

「!!♪♪」


 流人に妻と言われドキッとしたまさみ、

揶揄なのか?本心なのか?分からないけど兎に角嬉しかった。


「こちらへ・・・」

 宮内職員に導かれ広間へ通される、

歌会始めなどで使われる広間、松の間に通される流人達

横一列になって再び待機する・・・


 「御隠居様、ここって新年の歌会で使われる場所ですよね?」

「そうだよ、皇居で一番高貴な場所だよ」

 「その様な場所をどうして?」

「どうしてって、あんた・・・」


 侍従の声が聞こえた! 

「御入室!」


 礼の姿勢でお迎えすると直ぐに陛下から流人へお言葉が!


「流人君おめでとう。」

 「ありがとうございます。」


 咄嗟にありがとうと返したが何がおめでたいのか?

理解していない流人を助ける為に御隠居様が陛下へ具申する。


「恐れながら陛下・・・

この子達はまだ付き合い始めたばかりにございます。」


「そうなのですか?」

 「はい正式には昨日にございましょうか?」


「(笑) すみませんね、お揃いの出立だったので勘違いしました♪」

 「勘違いでもございません、

 私はまさみを生涯の伴侶として考えております。」


 「まさみにも生涯連れ合う意志を確認して、

 此処へ連れて来た次第にございます。」


 流人は陛下が立ち会いの元で交際を宣言するつもりだったと知ると

まさみの顔が赤くなり湯気が出そうになっていた。


「まさみさん?」

 陛下の言葉に我に返るまさみ!

「はっはい!」


「私達が立ち会いで宜しいのでしょうか?」

「も、もちろん・・・光栄にぞんじ思っております。」

 「(笑) 言葉が変ですよ、 

 使い慣れた言葉で話す方が受け入れられると思いますよ(笑)」

「あ! はい、 大変光栄で嬉しいです。」


「そうですか、それではもう少し待っていただけますか?」

「はい?」

「「(笑)」」


「皇后様、皇太子様、皇太子妃様、御入場にございます。」


 本来なら陛下が最後に入場されるのが慣し、

その上纏まって入場される事も異例中の異例だったのだが、

公式な場所であって公務ではないので侍従も承諾した様子。


「お待たせいたしました♪」

「おめでたい事ですから、是非参列したいと思いましてね♪」

「はい♪」


「(笑) どうやら私達の早合点だった様です。」

「あら?」

「御結婚なされたのでは・・・」

「そうなのですか?」


 陛下自ら事の次第を伝えると美◯子様が

「おめでたい事には変わりませんね♪」と申されて陛下だけでなく

皇族立ち会いでの交際宣言を行うことになった。


 「まさみさん・・・」

 流人が昨夜伝えた事をもう一度まさみに伝える・・・


 生涯を通じて共に歩むとは、

無理や我慢は長続きしない、互いを理解して思い遣り、

意思の疎通を理解しあえる仲になる為に共に協力する


 困難を共に歩み協力して解決策を見出し喜びを共有し分かち合い、

生涯を通じて歩む覚悟がある事を・・・


 「その覚悟がありますか?」

「はい。」


 広間に拍手の音が響いていた・・・


 皇室の方々なら当然のことだと認識しているが、

一般の世界との違いも理解していた皇族達は流人から同じ考えだと聞かされ

立ち会いとして参列した甲斐があったと思っていた。


「今日は本当に、めでたいですね」

「流人さん、まさみさんお幸せに♪」


「陛下! 恐れながら本日は別の報告で参上した次第にございます。」

「「「「?」」」」


 交際宣言で、めでたしめでたしと言う流れに成り掛かっていた空気を

御隠居様が進言して本来の目的に戻した。


「如何言う事ですか? 要殿?」

 陛下の言葉に御隠居様が答えるべきだが、

流人の顔に目線を送り流人に進言させる・・・


 「実は・・・」

 今年は区議会選挙が行われる年で、

その選挙に流人の意志に従う者達が名乗り出る


「私達に協力しろと?」

 「恐れ多い事、ただ黙認して頂ければ幸いに存じ上げます。」

「黙認ですか・・・」


 皇居が在籍している区にも候補者が上がり当選した暁には、

行政の改革を行い区内が乱れる恐れがある


 「法に従い取り仕切るつもりにございますが、

 法自体が曖昧なので、反感や妬み僻みからの批判が世間を騒がせる・・・」


「静粛には行えませんか?」

 「残念ながら・・・」

 

 平等で公平な立場を政とするのが国の務め、

然しその現状は、真面目な国民、護に値する民が苦しんでいる。


 「何十年と真面目に努めて来た者達の生活が苦境に会い、

 努めを放棄した者達に手厚い保護が行われている現状を、

 私は認められません。」


「国民年金と言う恩賞ですね?」

 「はい。」


 陛下もニュースなどで生活保護と年金受給者の柵は承知していた様だ。


 「現在生活保護を受けている者達は、

 他の場所でも申請すれば受けられると思います。」


「確かに」

 

 「そこで生活保護の制度を一定の限られた場所、区の中で廃止して、

 その予算を苦境に耐え忍んでいる区民に回したいと考えております。」


「本来なら国が政として行う事と考えますが、

国では支障があるのでしょうか?」


 「はい、 生活保護を受けている者達も大切な国民にございます、

 平等と権利を認めている以上、私の様な排除は出来ません。」


「排除・・・ですよね。」

 「はい、ただ他の区や県へ行けば、今までと同様の保護を受けられる筈、

 不正などで受理した者達以外は問題ないと考えております。」


「・・・」


 その他にも最低限の生活を保護する為に区営化を行い、

低所得世帯への補助をして暮らしの底辺を支え強固な街づくりを説くと、

「民営化を否定する様に思えますが?」と問われた。


 「怠慢と肥大した国営企業を民営化する事に否定は致しませんが、

 生活の根底を支える企業を民営化しては、

 国民の安心は薄れ困窮を招くだけにございます。」


「困窮・・・ですか」

 「はい、 民間企業は利益を上げ続ける事で維持出来ますが、

 反対に考えれば利用者の事など論外なのです。」


「そこまでは・・・」


「流人君の目指す社会なら可能だと?」


 「そのつもりです、ですがそれは国家では出来ない事、

 出来ないからしないのではなく、

 出来る範囲でも行うべきと考えて今回の動きとなりました。」


「多方から批判がありそうですね?」

 「覚悟の上ですが・・・」


 自分達は覚悟出来ているが、

陛下達に要らぬ害や迷惑が掛かる事が気掛かりと流人の思いが伝わって来る。


「政治に関与しない それが我々の立場です。」

「そうですね、それに揶揄は慣れておりますよ(笑)」

「そうね♪ 雅◯さんは特にね(笑)」

「はい(笑)」

 

 精神的な病に害されていた雅◯様も強くなられたと感じた流人でした。


 国が行えない事で国民が幸せに暮らせるなら

どの様な事でも歓迎するとのお言葉を頂き謁見を終了した流人・・・


 手土産を渡し忘れて再び御隠居に注意され、慌てて土産を渡すと

陛下から「持ち帰るのかと思いました(笑)」とまで言われ(汗) 

冗談と分かっていても今まで一番濃厚な時を感じていた。


 「なんでしょうかね、 どっと疲れたんですが(笑)」

「当然だろう、陛下相手に遊ぼうとするからだよ(怒)」

「え!」


 「遊ぶつもりは無いですけどね、

 一晩中考えて最良な手だと思っただけです。」


「まさみちゃんも大変な男に惚れたもんだね、御愁傷様だよ(笑)」


「流人さん?」

 「さんは要らないからね、 

 だって皇族の前で宣言すれば後は何も怖く無いでしょう?」


「そうだけど・・・」

 「次は事務所への挨拶ですよ♪」

「事務所?」

 「あなたの事務所です、 報告しないと問題でしょう?」

「そうだった・・・」

 「大丈夫ですよ♪♪ なんたって皇族が立ち会っての交際ですから(笑)」


 流人の笑いに御隠居様はやっぱりねっと言う表情に、

そして肝心のまさみは頭の中が混乱していた・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ