第三百話 忘年会、温泉でのんびり
温泉に入りたいので場所を変更、
参加者全員を強羅へ連れて行き今年の忘年会を始める・・・
今年は、涼子が復帰して参加、
年末行事で忙しいサブちゃんや尼崎ボーイの二人も参加していた。
「涼子おかえり♪♪」
「ただいま・・・」
「どうしたん?」
「凄い人が増えてるから・・・」
「気にしない♪ 気にしない♪♪」
4年ぶりの参加で戸惑う涼子、
人見知りと言うタイプではないのに何故か緊張していた。
「流人! なんやここは!」
「遊び場ですけど?」
「遊び場って! おまえ! 無茶苦茶凄いやんけぇ!」
「浜ちゃん、ここ初めてだっけ?」
「当たり前やろ!」
乱暴な言葉を発しているが、態度が借りて来た子犬の様におどおどしている(笑)
「えぇ〜っと、ウチの事務所から雅子が加入しましたので宜しくね♪」
「雅子です、よろしくね♪」
「友里、のん、頼むから(笑)」
「「宜しく♪」」
「本当に、似てるな・・・」
「なんだよ東村くんもかい(笑)」
「はい・・・。」
生前の雅子を知っている二人は、雅子が生写しの様に見えている様だ!
「師匠! 岡部さんに怒られますよ(笑)」
「いやぁ、そう言う意味じゃないんだって(汗)」
「けんちゃん、やらしい!」
「優香! 本当に違うってばよぉ(汗)」
「雅子ちゃんは、女優志望なのかい?」
「はい♪」
「・・・」
はいと言う言葉と同時に女優のスキルが放たれ北大地は放心状態に
「雅子!」
「(笑)」
「凄いなぁ・・・」
「女優オーラが出まくっておるやん!」
「まだデビュー前だろ?」
東村と尼崎ボーイズの2人を揶揄う雅子の度胸と言うか根性に、
そう言う時代の女優さんだったんだなぁと感じ、
益々流人は雅子に興味を抱いていた。
「ところで流人、混浴はいつなの?」
「今日は入らないですよ、男性陣も沢山いるんですから、
野郎だけで入りたいよ♪♪」
「キモイ事言うなやぁ、流人!」
「あ! 浜ちゃんは混浴希望の様ですから、
相談事がある人はどうぞ♪♪」
「あぁ”?」
「浜ちゃん、勇気あるなぁ(笑)」
「(汗) 東村さんも一緒に入りましょうや?」
「馬鹿言え! あんな中に入れるか(怒)」
「なんでですのん?」
何故か顔を赤くして東村と北大地は遠慮し、
その空気を察知して松っつんも辞退していた。
「ほんなら、流人! 一緒に入ろうやぁ!」
「折角なんですから、サブちゃん達と私は入ります(笑)」
なにやら東村から耳打ちを受けた浜松が顔を赤くして、
「仕方ないなぁ・・・男だけで入ろうか・・・」っと照れながら呟いていた。
各々割り当てられた部屋に入り荷物などを置いて寛ぐ、
流人も眷属達から料理や酒の確認を受けてから着替えて大広間へ向かう
「参加者がかなり増えて来ましたね?」
societyのメンバー数は50名を超えている、
仕事などで参加出来ないメンバーもいるが今回は30名を超えていた!
「なぁ〜流人よぉ!」
「なんですか師匠?」
「タカ&ノリは参加しないのか?」
「彼らは各々が派閥の長として君臨してますから、
態々私達の会に招く必要もないでしょう?」
関西の芸人さんは事務所の先輩後輩を重じている為に
関東の様な派閥は組まない、事務所=派閥の関係なので尼崎ボーイズだとか、
個々の勧誘が可能だが、タカ&ノリの様に数十人のグループ派閥だと
受け入れが難しい。
「◯◯軍団だとか事務所総出で付き合わないといけませんからね、
面倒でしょう(笑)」
「俺だって・・・」
「師匠の場合は派閥と言うよりお仲間でしょ?
一応、岡部さんと和っ子さんは歓迎していますけどね♪」
北大地三郎も事務所の長として家族の様な繋がりがある為、
後見人として一線を引いている、
その行為が北大地一家の中堅には不快の様だが、
サブちゃん本人が寛大で容認している為に大人しくしている。
それと同じく、
東村に付いている芸人の中には会に参加したいと願う者もいるが、
事務所から注意を受けているので会の存在は承知していても群がる事はなかった。
「普段はお仲間と飲み明かしているのでしょう?」
「そりゃぁ〜もぉ、毎日だぁ(笑)」
「そちらの関係も大事にしてくださいね(笑)」
「彼奴らはよぉ〜、集るだけだからな(笑)」
「その分楽しませて頂いているんですからトントンでしょう(笑)」
「大損だろう(笑)」
「(笑)」
「おぉ! なんだ風呂じゃなかったのか?」
「サブちゃん♪」
ってきり風呂へ入っていると思い風呂場を覗いて来たが誰もいないので
大広間に来たサブちゃん、流人達を見つけて安心した様子だった。
「紅白まで1週間を切っているのに、参加して頂きありがとうございます。」
「いやぁ〜よぉ、まだ1週間もあるんだしな・・・
それによぉ、明菜ちゃんも参加しているんだろう? 言い訳に出来ねぇだろ(笑)」
紅白に集中したい気持ちはあったけど、初出場の明菜が忘年会に参加するのに
自分が欠席するのは御大として度量が小さく見えそうだと考えていた。
「それによぉ、最近の紅白はよぉ・・・」
「?」
歌の祭典だったはずの紅白だったが、
近年は衣装がどれだけ派手か? セットがどれだけ豪華か?
歌と違うモノが注目を浴びて歌で勝負する感じは消えていた・・・
「時代が変わったんだろうなぁ」
「今年は明菜が歌いますから♪♪ 楽しめると思いますよ(笑)」
「明菜ちゃんの言葉が気になっていたんだけどよぉ?」
「あぁ、 今年だけ出場するみたいですね・・・」
来年からは流人の為に、いつでも流人の我がままに応えられる様に、
年末年始は空けておくつもりの様だと説明した。
「別に年末に音楽番組は行わないと思うですけどね・・・」
流石に国民的年末行事に敵対する様な歌番組はやらないと流人が言うと
「俺も・・・そろそろ考えるかなぁ・・・」
「サブちゃん・・・?」
「なんやぁ! みんなここにおったんかい!」
「風呂場に行って誰も居ませんやん!」
「(笑) じゃぁ、男性陣で温泉に入りましょうか♪♪」
「「「そうするか(笑)」」」
「なんや! 風呂場にもどるんかい!」
「(笑)」
温泉に浸かりながら、バラエティー番組の制作状況を確認する流人・・・
「放送は来年じゃねぇのうか?」
「テストも兼ねて収録を開始しているんです。」
東村には居酒屋風のセットでゲストを迎えてトークとゲームを
尼崎ボーイズには漫才トークと若手芸人とのコントとゲームで遊ぶ番組、
当初は30分と考えていたが、
会議の結果1時間の方が内容が固まって良いとのことで1時間番組になった、
その他にも、タカ&ノリは個々で一つずつ番組を持つ事になり、
タカは野球選手を招いてゲームを行い、
ノリはサッカー選手を招いてゲームを行う番組を制作していた。
その他にも落語やファッションなど、
各世代層に受け入れられる様な番組を制作し始めていた。
「流人、俺には分からねぇんだがよ、その番組をどうやったら見れるんだ?」
「流人よぉ、俺も分かってないんだよなぁ〜(笑)」
「東村君もかい! (大笑)」
「え〜っとですね・・・」
ネットでテレビを配信するのでネットワーク回線が必要、
そしてネットが見れるPCもしくはテレビが必要と答えると
大御所達は混乱していた。
「6区内でしたら通信契約はもう少し待ってください、
区で用意しますから」
「「「区で?」」」
これからの時代に対応して行く為に高速回線を設置する必要がある為
区と協力して設備を整えるので夏まで待って欲しいと説明した。
「流人! 八王子はよ?」
「サブちゃんのところは範囲外なので、光回線に入って頂ければ大丈夫です。」
「八王子には来ないのか?」
「流石に国家予算並みに経費が掛かるので現状は6区が精一杯です。」
「「「そんなに掛かるのか?」」」
「はい」
次に、視聴する為のテレビなのだが、これは普通のテレビでは見れないので、
ネット対応のテレビが必要なのだが高額な為、現在対応中だと説明する。
「対応ってどないするつもりやねん!」
「高額ってなんぼよ!」
「普通のPCなら20〜30万でしょうか、モニターは20インチですけど」
「20インチって小さいなぁ!」
「もう少し大きいのないのかい?」
「そうしますと・・・40〜50万はしますかね30インチで」
「・・・」
「テレビでは見れないのかい?」
「見れないですね、なので造っています」
「!!」
「造っています?・・・テレビをか?」
「はい♪♪」
32インチで2K対応のモニターと簡単なネットワーク操作が可能なPCを
匠ブランドで制作している最中と流人が告げた
「ただ、リース契約が必要なんですよね」
「販売はしないのか?」
「難儀やなぁ〜」
PCの性能は日進月歩向上していて、
今、100万円のPCでも2〜3年で数万円のPCに性能面で負けてしまう
その為リース契約を結んで定期的に新しいPCに換えたり、
故障やトラブルに対応する為にも販売はしない方が得と考えていた。
「俺ぇ、番組で兄ぃやんからテレビを150万で買わされて、
直ぐデジタル化で使えへん様になったんよぉ〜」
「チューナーを付ければ使えるんですけどね(笑)」
「なんかみっともないやんかぁ、
テレビで飯喰っているのにケチってるみたいで・・・」
「現在のパソコン市場はそんな感じですかね、
ですから全て込み込みでリース契約を結んで頂きたいと考えています。」
「月々ってなんぼなん?」
「通信回線の契約が月々5,000円、
PCのリース契約が一番安価なタイプで3,000〜4,000円ですかね?」
「そんなんでえぇんか?」
「もっと高いと思ってた!」
「そうだな何万とか・・・ってか大丈夫なのか? 安過ぎだろう?」
月4,000円にしたって年間48,000円、
5年間使ったとしても24万と安価で採算が合うとは思えなかった。
「本音で言うと赤字ですけど、リサイクルを考えればトントンですかね、
抑々ネットテレビを広める為ですから採算は考えておりません(笑)」
「「大丈夫なんかぁ?」」
「(笑)」
32インチ32型の大きさなら
普通の家庭で使用しているテレビと変わらないので画質的にも問題はないし、
環境が整ったら4K対応のモニターをリースするつもりだと説いた。
「地デジに変わったばかりで高額ですが、数年で値段も下がると思います。」
「まぁ〜そうだけどなぁ」
「借りた方がお得やん!」
「技術漏洩や資源維持などを考えると貸し出す方が安全なんですよね(笑)」
「「「なるほどなぁ」」」
「流人君、それは八王子でも借りられるのか?」
「審査がありますが、サブちゃん家なら大丈夫です(笑)」
「わしっところだったらあかんのかい!」
「浜ちゃん家だと勝手に転売とかしそうで(笑)」
「するかぁ!」
「(笑)」
「リース契約をするおつもりでしたら、
ネットワークなどの契約アドバイスも担当がしてくれますので
不安でしたら相談ください。」
「至れり尽くせりだな」
「6区内では年収400万以下の世帯でも生活が出来る様に計画してますので、
最低限のライフラインは行政で負担したいと考えております。」
「行政で負担って?」
「例えば、400万円以下の家庭には通信費補助とか、
リース費の補助とか考えている最中です。」
「そんな事までするんか!」
「儂らにはあまり関係ないけどなぁ・・・」
国民年金で生活すると、月々5万円程度で生活する事になる、
とてもじゃないけど賃貸では生活出来ないので一生働かないと生きて行けないが、
最低限の生活を保証するシステムが生活保護と言う補助があるなら
同様のシステムが年金生活者にあっても良いと説く。
「現金の給付は出来ませんが、生活に必要な電気、ガス、水道、通信費など
最低限の生活に必要な補助は行うつもりです。」
「そう言う事は国がするべきちゃうんかい?」
「そうだな」
「何やってるねん!」
「仕方ないですよ、無能の集まりなんですから(笑)」
「言うねぇ〜(笑)」
「実際は大変ですよ、不正受給を抑えないと直ぐに予算が枯渇しますから、
私達は国ではないのでね、ある程度の線引きが出来るけど、
国は国民を差別出来ませんからね。」
生活保護を受けている人達を全て他へ排除する事は前に伝えているので
東村達もそれ以上は意見が出てこなかった・・・




